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37092 story

AMD、製造部分を別会社として分離 36

ストーリー by Oliver
頭と胴体を切り離して柔軟性up 部門より

insiderman 曰く、

10月7日、AMDが事業再編計画に関する説明会を開催し、半導体製造部門の分離を行うこと発表した(発表資料)。

PC Watchの記事が詳しいが、AMDはアラブ首長国連邦のアブダビにある、アブダビ政府所有の投資企業「Advanced Technology Investment Company(ATIC)」と共同で半導体製造会社を設立、製造部門の施設や知的財産、従業員、負債といったリソースをすべてそこに移管する。

また、同じくアブダビの投資会社Mubadala Developmnent CompanyによるAMDへの出資比率が19.3%にまで引き上げられることも発表された。

オイルマネーの注入により、AMD本体の資金繰り問題を解決するとともに、莫大な投資が必要となる半導体製造施設を切り離すことでAMDの収支を改善させる計画と思われる。IntelのCoreシリーズ登場以来劣勢に立たされているAMDだが、今後の巻き返しに注目される。

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  • 政府系ファンドだけではない、製造業誘致目論むアブダビの野望 [livedoor.com]なんて記事を発見しました。
    来年F1も開催され [cnn.co.jp]ますし、国ごと積極的に動いてるんですかね。
  • 個人的には過去、3台のデスクトップ、4台のノートPCのうちデスクトップ1台だけAMDです。
    ノートPCでの選択肢がほとんどない状況では、日本の感覚では一般PCのシェア50%ってありえない。
    K8のように先進性、優位点を持つ「勝負できる」アーキテクチャを作り、さらにノートPC用も同時展開するプランでなければ厳しいですね。
    --
    _________________________________________ Kinoko, Deep Interactive>>Communication.
    • K8/K10はサーバー用CPUという事を念頭に作ったCPUであること。
      Opteronは鯖用途としては優秀だが、K8ベースのTurionはLV/ULV品を出し辛い。

      Core/Core2はYonah/Meromとしてモバイルベースから派生したCPUであること。
      Merom/Conroe/Penrynはノート/デスクトップとしては優秀だが、
      ダイレクトコネクトアーキに切り替わってないXeonは4P以上で対Opteronに不利。

      昔AMDの偉い人が"鯖用とノート用の2系統作って、合う方をデスクトップに持っていく"
      とか言う戦略を立ててましたが今のところ完全な独立アーキを2系統ってのは
      体力的にきついかと。Intelならともかく。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      とは言っても現状でノート用に注力ってのは、intelの叩き売り価格に対抗するって事だから、利益源と考えるのには無理がありそうだが。
      競争相手がVIAであってもあの圧倒的なダンピング価格を持って来る事が出来るintelだから、相手がAMDとなりゃ更にだろうし。
  • by nipo (34616) on 2008年10月08日 17時55分 (#1434324)
    Advancedがダブっているわけね。
    • by Anonymous Coward
      むしろ、ATICの方に目がいきました。
  • 半分というところが苦悩の跡か。

    Intelに追いつき追い越せというより、これから先戦い続けるにはどうするかという現実的な選択なんだろうけど、
    これでますますIntelとの差がついてしまうよなぁ。

    ものづくりの会社が工場を手放した時点で終わり。ファブレスが一時期流行したけど、結局どこも成功してないよな。
    (ソーテックやトランスメタとかね)

    コストは工場が握っちゃうからなぁ・・・・ あとで買い戻せるぐらいに復活できればいいけれどそんなにうまくオペレーションできるのかな?? 下手するとCPUじゃなくGPUメーカーとして生き残ってしまうかも。

  • 戦略的投資 (スコア:1, 参考になる)

    by Artane. (1042) on 2008年10月08日 18時35分 (#1434359) ホームページ 日記
    去年の11/19にAMDにUAEの政府系ファンドが出資するという報道があって [hatena.ne.jp](リンク先は当時の記事にブックマークした先)、純然たるイスラエル系企業であるインテルに市場のデファクトスタンダードを握られることを嫌っているアラブ世界からの出資に活路を見出したAMD。=金融市場でのパレスチナ代理戦争。的な図式を想定していましたが、
    ここ半月の経済情勢の急転に合わせるかのように今回の、AMDの製造部門のアラブ資本への吸収が発表されたのはなんでかな?と再度考えてみました。

    勿論、他の出資先が軒並みダメになってるから、安定した資本基盤を持っていて既に出資を始めていたUAEにAMDが泣きついたと言う面はあるのでしょうが、出資が公表された時期が丁度サブプライムローンの実体が分かり始めた頃と被っている事を考えると、UAEの側もUAEの側で欧米系の投資家の破綻が見えてきていたのを機会に産業の基幹であるマイクロチップやフラッシュメモリの生産の首根っこをマネーパワーで囲い込もうという深謀遠慮みたいな物が働いていた感じが強いように見受けられますけど。

    これがUAEのみの資金なのか湾岸諸国やその他の産油諸国(ロシアやベネズエラなども含みます)の資金が既に入っているのかこれから導入されていく可能性が出るのかは非常に興味深いです。
    それによって、今回の生産拠点の事実上の分社化宣言が持つ重みが違ってくるように思えてならないですよ。

    • by Jubilee (20038) on 2008年10月09日 12時51分 (#1434806)

      PC watchの後藤氏の記事 [impress.co.jp]の最後にもちらっとこの見方(アラブ対イスラエル)が出てきますね。メインはテクノロジーの問題としての解説ですが。

      フェラーリ液晶の話で「AMDはフェラーリのスポンサー降りるほど苦しいのか」とか書いたらこれだ。苦しいのはショップ店頭を見れば丸わかりでしたが。

      多様性はシステムの頑健性をもたらし、競争は進歩をもたらす(GHzレースを見よ)ので、独占に陥るのはユーザーにとっても損失。何とか頑張って欲しいものです。と考えている私は486時代以来ノートパソコン1台を除いてintelチップを買ったことがないけれど、単なる判官贔屓かな。

      それにしてもなんでこれが「フレームの元」なんだろう。

      --
      Jubilee
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      アホのあるてんは政治が資本を優先するなんて冷戦時代の発想をまだ引きずってるので萎え
      三河版で謝れ!
      • 資本が政治を優先してきたこの数十年間が異常だったと思いますが?
        元から資本家と政治は不可分な部分があって、資本家の意向で政治が動く局面は多かったことは事実ですが、それはあくまでも資本と政治の利害一致が大前提であって、政治が(ごく一部の膨大な政治力を獲得した)資本に奉仕するという80年代以降の政経モデルには普遍性がないですよ。

        先進資本主義国ではこの新自由主義経済的なモデルは汎く通用しましたが、それ以外の諸国では、依然として政治が資本の代弁者として資本自体よりも優先的に振る舞う場合の方が圧倒的に多い。

        もっと言えば、UAEにしてもBRICs
        • by copper (2040) on 2008年10月09日 1時35分 (#1434572) 日記
          原油高でだぶついたオイルマネーを米国企業に投資したことを、反米にまで持って行く豪腕には恐れ入りました。
          つまり、UAEからの投資を受けたAMDは反米企業と言うことですね? 私としては初耳ですが。

          UAEはあなたが思っているよりも堅実な国です。アラブで一括りにしてませんか?

          後、BRICsにしたって、RとCはあなたが考えている通りなんでしょう。なんたって、政府(≒大統領or党)が一企業の命運を簡単に左右できるんですから。
          BとIでそこまでできますかねぇ?

          なんでもかんでも思想や政治や陰謀に持って行っても、ここではあまり受けないし、嫌われる元だと言うことを覚えておいた方がいいと思います。
          親コメント
  • by sside (36111) on 2008年10月08日 23時57分 (#1434539)
    一つ捨てれば、自分を捨てる。
    二つ捨てれば、全てを捨てる
    三つ捨てれば・・・、地獄が見える。

    見える見える堕ちる様。
    見える見える・・・3dfx。
    • by Anonymous Coward
      どちらかというと3dfxはファブレスから脱却しようとして失敗したのが失墜の原因では?
      • Real manになるべくFab買って倒産してましたね。
        チップ屋はFab持つと潰れる宿命にあるんでしょうか。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2008年10月10日 9時57分 (#1435289)
          3Dfxが買ったのはビデオカードの工場(STB)ですね。
          「ビデオカードは自分で作るからもう売ってやんね」と他のビデオカードメーカに喧嘩を売ったくせにvoodoo3カードの製造に手こずって、その間にNVIDIAが台頭してシェアを奪われました。
          親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年10月08日 18時10分 (#1434342)
    TIやTSMCのプロセスよりもAMDのプロセスのほうが、
    x86のスケールメリットで優れているだろうから、
    それでUltraSPARCを作れば、
    消費電力がシャレになってないRockも何とかなるのではないかと。
    • by Anonymous Coward
      TIやTSMCのバルクプロセス向けに設計されたRockをAMDのSOIプロセスに移植するのはかなり大変なんじゃないの?
      • by Anonymous Coward
        SOIからバルクプロセスに変更するよりはましでは
  • by Anonymous Coward on 2008年10月08日 22時29分 (#1434506)
    広げてきた大風呂敷がたたみ切れなくなってきたのかな?

    ここ何年か果敢に挑んできた、x86に対するAMD独自の拡張などは、
    いたずらに混乱を呼んだだけなので、余計なものだと感じていました。

    Intelが定義した命令(セット)を、Intelよりも速く実行できるCPUを安く売る
    という方向に注力すれば良かったのに。
    • by Anonymous Coward on 2008年10月09日 2時29分 (#1434589)
      価値があるものを高く売るのは商売の基本です。
      仰る様にもしAMD486-5x86の路線を継承していれば、Cyrixのようにバスライセンス
      周りで訴訟を乱発されたり、圧倒的な資金力に物を言わせたダンピング攻勢で
      今頃は他の互換プロセッサ組同様、会社がなくなっていたことでしょう。

      AMDのプロセッサ開発に一貫しているのは「トレンドの先取り」です。Intel側が標準になれば
      命令セットをIntel側に合わせるのは互換プロセッサ屋として当然やってきています。
      IntelがMMX-SSEの間にインターバルを置きすぎたので目だってしまってますが。

      AMDはマイクロコードをクリーンルーム解析で実装したり、NexGenを買収しいち早く
      CRISCを導入したK6、K6-2で、互換プロセッサとして初めてアーキティクチャレベルで
      Intelをキャッチアップし、一定の足がかりを築くのに成功しました。
      ちなみにこのときはMMXをIntelからのライセンスで実装してます。3DNow!はMMXに欠けていた
      浮動小数点命令を補完したもので、SSEよりも先に実装されました。

      IntelのSIMDであるSSE、SSE2はそれぞれPentiumIII、Pentium4まで待つ必要があります。

      続くK7はEV6バスによってIntelのバスライセンスによるくびきを脱し、FPUの性能をIntel同等以上とし、
      アーキティクチャを高IPCに振って製造設備に劣るAMDがIntelに伍して戦えることを証明しました。

      このためIntelは高クロックによる引き離しを図るためNetberstアーキティクチャを導入しました。
      このアーキティクチャでは10GHzを視野に入れていましたが、製造プロセスがナノオーダーに達するに従い、
      リーク電流による制約を受けるようになってきました。

      一方、K7で自信をつけたAMDは、より利益を見込めるサーバ向けCPUに足がかりを築くためK7ベースのAthlon-MPを
      発売しましたが、チップセットの内製を行っていなかったため、うまくいきませんでした。
      また、1GHzを越えたあたりからCMOS半導体プロセスの限界が見え始めたため、Intelに追随してスーパーパイプラインで
      設計していた次世代のCPUをキャンセルし、より付加価値の高いサーバ向けプランに切り替えることになりました。
      そこでK8では当初から2コアオンダイを前提にした設計、x86と互換性を持つ64ビット命令セット、SSE3の実装
      メモリコントローラの内蔵とそれを生かすハイスループットでスケーラブルなHTバスを実装し、ccNUMAによる8ソケットまでの
      中規模SMPサーバを容易に設計することを可能にしたため、HPCサーバの市場が拡大し、サーバ分野での採用企業が
      増え、DELLですらOpteronを採用するに至りました。

      この頃までIntelはVLIWで過去との互換性を切ったIA-64を推進し、RDRAMをメインストリームにすべく
      チップセットの改良を進めていましたが、既存ラインナップとの調整や技術的な問題で数年足止めを余儀なくされます。

      Intelが設計の技術的なイニシアティブを取り戻したのはMicroOps FusionやMacroOps Fusionを実装したCore2からです。
      さらに間の悪いことに、AMDは65nmプロセスの開発に手間取って90nmからの急速な移行に失敗し、
      それとは対照的にIntelの45nmが予想を超えるyieldを叩き出し、メモリコントローラを内蔵したCore i7の発売が迫ったことで
      AMDの優位性が完全に失われる今日この頃です。

      トレンドの先取りとIntelの失策で市場に一定の存在があったAMDが、反撃体制を整えたIntelのラインナップと資本力に
      とうとう追い詰められた、というのが現状でしょう。
      GPGPUのFusionが成功すれば、何とか生きながらえることができるでしょうが、Core2の出現でそれまで組んできた
      将来のビジョンが結果的に大風呂敷になってしまったのは事実です。

      他のファブレスと違ってAMDにはFabへの優先的なアクセスが許されているので、なくなった他社と条件は異なってきますが
      比較的高価なSOIを使ってるのはPowerくらいなので、45nや32nが仮にうまくいったところでラインを満たすことができるか
      かなり先行きは悲観的なものになるでしょう。唯一の救いはIntelの64bitは完全ではない、というところで
      Intelがアーキティクチャの穴を埋めてくるSandyBridgeまでに何らかの対策を打たなければなりません。

      というか、ブルドーザーはどこにいったんでしょ?

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2008年10月09日 3時33分 (#1434600)
        > というか、ブルドーザーはどこにいったんでしょ?

        http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0520/kaigai440.htm [impress.co.jp]
        によると、2011年らしいですね。
        Sandy Bridgeが2010年後半~2011年にかけてということなので、Sandy Bridge
        のほうが少しだけ早そうな状況。

        AMDは、ドイツに300mmウェハーのFabを作る際にに、50%近いシェアを取らないと
        ラインを埋めきれないような計画を立てていましたね。
        Core2 が出る直前のある意味AMDがまだイケイケの時だったので、それまで生産計画
        や生産能力の問題で取れなかったシェアを一気に獲得しようという目論見だったので
        しょうけど、AMD側の計画遅延やCore2の出来の良さで、頓挫してしまったという感じ
        でしょうか。

        今回のAMDのFab分離の話からは少しそれますが、Intel/AMD が競いあって今の性能/価格
        が実現できているのは確かでしょうから、そろそろx86以外のCPUにその競争の舞台を
        移してほしい、とか個人的には思っています。(なんならIA-64でもいいです)
        x86も未だ限界がどこなのか見えてきませんが、今後更に低消費電力/高効率化を進める
        ためには、x86の構造上の問題が足かせになりそうに思えます。
        そんな競争が成り立つためにも、AMDにはintelの競争相手たり得る存在であってほしいところ。
        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2008年10月09日 6時38分 (#1434626)
        > 今頃は他の互換プロセッサ組同様、会社がなくなっていたことでしょう。

        それらの会社にとってAMDはIntel以上の競合相手だったことを忘れていませんか?

        > 圧倒的な資金力に物を言わせたダンピング攻勢で

        それはAMDも行ったことです。

        > NexGenを買収しいち早くCRISCを導入したK6

        CRISCの導入はK5からです。

        > このためIntelは高クロックによる引き離しを図るためNetberstアーキティクチャを導入しました。

        何かと槍玉にあげられるNetBurstですが、
        オフィス・アプリケーションでは性能向上の必要があまりなく、
        マルチメディア・アプリケーションでの性能向上は急務だったので、
        それなりに妥当なアプローチだったと思います。
        親コメント
    • >Intelが定義した命令(セット)を、Intelよりも速く実行できるCPUを安く売るという方向に注力すれば良かったのに。

      それ自体がインテルの特許に抵触しかねないのですが。
      命令体系だけじゃなくてその命令を実行する手順とかそういうあたりまで事細かに特許の塊ですよ。
      今はSSE4A命令までのSIMD命令をAMD側でもサポートしてるようですが、SIMD命令の拡張部分は特許回避の塊でもあるようです。

      # そういう意味ではAMD64命令セットは互換性の部分で余計なトランジスタを入れる羽目になったとは
      # 言っても、自前の64bit拡張命令体系とIntel系の32/16bitコードを別の実行セグメント内に
      # ネィティブで共存させられたと言うあたりで筋が良かったと思いますが。
      親コメント
    • むしろ風呂敷を広げすぎたのは単に
      ・Fabを自分の器以上に拡張しすぎた
      ・ATIを買うのは良いが3年先を見ていたか

      この辺じゃないですかね。
      K9キャンセル、K10のTLB関連問題とミスを2つ続けたことで
      器以上のモノを持ってしまったことを露呈してしまった感が。

      K8の良さがあってCore系の底上げがあったと思うし、
      AMDにはIntelを突っつき続けて欲しいですが。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      IntelとAMDの競争の功罪は、

      功:
       Intel製CPUの性能向上/低価格化

      罪:
       CPUの低価格化が進み過ぎ

      かなと個人的には思っています。
      競合に勝つために安く作るよう努力するのは良いのですが、今のコンピュータはちょっと安過ぎ
      だと感じています(CPUの値段がすべてではありませんが)。
      PC、Server問わず、
      ・値下げ競争に着いてこれないメーカーは撤退
      ・やらせることの重要度に比べて、ハードウェアの値段もサービスの値段も下がりまくり
      という感じで、業界の(そしてユーザーも)健全な成長のや成熟の足かせになってしまって
      いるような。
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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