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アメリカは書籍の定価は高いかもしれないが、売れ行きが落ちてきたら値段もどんどん下がる。一方日本では、発売直後も、売れ行きが落ちてきて以降も、書籍の価格はずっと一緒。
なぜなら日本には再販制度があって、アメリカにはない [wikipedia.org]から。 (米では1975年に廃止されたらしい)
日本の書籍が最初から「読み捨て価格」で販売できるのは、再販制度のおかげで絶版直前まで薄利だけど大赤字にはならない「読み捨て価格」で売り続けることができるから。一応日本でも、ハードカバー → 文庫本 という低価格化の流れはあるけど、これはある程度部数が出る書籍に限られる。
そういうわけで、絶版寸前になろうとも日本では書籍の値段は変わらないが、アメリカでは在庫がだぶつけば値段は落ちてくる。じゃあ、日米で絶版寸前の書籍に、電子化のプレミアムをつけて販売するとどうなるか。
アメリカの場合は、絶版寸前の底値にプレミアムをつけるので、発売時の値段に比べてお買い得感がある。日本の場合は、再販制度で維持されている定価にプレミアムをつけるので、絶版寸前でも発売時よりも高くなる。
電子ブックやiTunesが日本であまり流行らないのは、再販制度の影響はでかいと思う。(世界中で売れる「英語」の書籍に比べて、日本でしか売れない「日本語」の書籍では、電子化による流通コスト削減が効きにくいというのもあると思うけど)一方、アメリカの出版業界的には、発売当初のプレミアムも付けにくいけど、長期間に渡って価格がほとんど下がらない電子書籍は、再販制度の復活として映っているのかもしれない。
再販制度によって、じり貧ながらも淘汰されることなく生き残ってきた日本の出版関連企業にとっては、電子書籍化によるペーパーレス化や低価格化圧力、流通の激変は、まさに黒船来襲って感じなんだろうなぁ。
それ以前に電子書籍は再販価格維持の対象じゃないはずなんですがどうして誰もそこに突っ込まないのか。そもそも現状で電子書籍って紙の書籍より高く売られてるんですかね。そんな強気な値付けは見た記憶ないんですが。
日経新聞の電子版 [nikkei.com]とか。#電子「書籍」なのかと突っ込まれそうですが、IDで。
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日本とアメリカじゃ本の値段が違う (スコア:5, 興味深い)
電子版は付加価値があるものとして、紙媒体よりも高く売られる。
一方アメリカは、本は裕福な人の道楽で、一般庶民には手が出ない。
電子版は貧乏人向けとして、紙媒体よりも安く売られる。
この差が大きいと思う。
日本は、電子化による革命を待たずして、紙のまま低価格化を実現しちゃった。
そして、それはスケールメリットによって実現したもので、活字離れによる需要減による崩壊をマンガ出版で踏みとどまっている状態で、紙と電子の両方をやって分散させたらスケールメリット崩壊してしまう。
たぶん日本での書籍の電子化は、別の選択肢としてではなく、紙が崩壊した後の唯一の選択肢になるのではないかと。
Re:日本とアメリカじゃ本の値段が違う (スコア:3, すばらしい洞察)
アメリカは書籍の定価は高いかもしれないが、売れ行きが落ちてきたら値段もどんどん下がる。
一方日本では、発売直後も、売れ行きが落ちてきて以降も、書籍の価格はずっと一緒。
なぜなら日本には再販制度があって、アメリカにはない [wikipedia.org]から。 (米では1975年に廃止されたらしい)
日本の書籍が最初から「読み捨て価格」で販売できるのは、再販制度のおかげで絶版直前まで薄利だけど大赤字にはならない「読み捨て価格」で売り続けることができるから。
一応日本でも、ハードカバー → 文庫本 という低価格化の流れはあるけど、これはある程度部数が出る書籍に限られる。
そういうわけで、絶版寸前になろうとも日本では書籍の値段は変わらないが、アメリカでは在庫がだぶつけば値段は落ちてくる。
じゃあ、日米で絶版寸前の書籍に、電子化のプレミアムをつけて販売するとどうなるか。
アメリカの場合は、絶版寸前の底値にプレミアムをつけるので、発売時の値段に比べてお買い得感がある。
日本の場合は、再販制度で維持されている定価にプレミアムをつけるので、絶版寸前でも発売時よりも高くなる。
電子ブックやiTunesが日本であまり流行らないのは、再販制度の影響はでかいと思う。(世界中で売れる「英語」の書籍に比べて、日本でしか売れない「日本語」の書籍では、電子化による流通コスト削減が効きにくいというのもあると思うけど)
一方、アメリカの出版業界的には、発売当初のプレミアムも付けにくいけど、長期間に渡って価格がほとんど下がらない電子書籍は、再販制度の復活として映っているのかもしれない。
再販制度によって、じり貧ながらも淘汰されることなく生き残ってきた日本の出版関連企業にとっては、電子書籍化によるペーパーレス化や低価格化圧力、流通の激変は、まさに黒船来襲って感じなんだろうなぁ。
Re:日本とアメリカじゃ本の値段が違う (スコア:1, すばらしい洞察)
根拠は?
まだ始まってもいないものに対する想定なら、オレは反対だと思う。
第一、定価を決めるのは出版社であって、定価を誰かに強要されている訳ではない。
プレミアを付けたって、印刷代などの経費や在庫の心配をしなくていいのだから、
もっと戦略的な定価を設定してくると思う。
# そもそも、絶版寸前まで電子化しないなんて、やれても最初の1,2年だよ。
# それ以上は新刊でも電子化しないと商売にならないという状況になると思う。
# 日本で電子書籍が流行ったならば。
Re: (スコア:0)
それ以前に電子書籍は再販価格維持の対象じゃないはずなんですがどうして誰もそこに突っ込まないのか。
そもそも現状で電子書籍って紙の書籍より高く売られてるんですかね。そんな強気な値付けは見た記憶ないんですが。
Re:日本とアメリカじゃ本の値段が違う (スコア:1)
日経新聞の電子版 [nikkei.com]とか。
#電子「書籍」なのかと突っ込まれそうですが、IDで。
リンク先注意 (スコア:0)
Re: (スコア:0)
売れない本なんてどうせ返品されて裁断でしょ。叩き売りした方が少しは回収できるはずだが。
Re: (スコア:0)
たとえ、値段が半分になれば2倍の冊数が売れるとしても、本の製造原価や流通コストが半分にならないので、現状が維持できない。