5月3日~5日に開催された第22回世界コンピュータ将棋選手権で、GPS将棋が2回目の優勝を果たした。成績は6勝1敗(特設サイト、棋譜中継ページ、中継ブログ)。 GPS将棋は東京大学大学院総合文化研究科の教員・学生によるゲームプログラミングセミナー(GPS)のメンバーが中心になって開発しているソフトウェア。2009年の第19回世界コンピュータ将棋選手権でも優勝している。昨年優勝のボンクラーズ改めPuella αは2位。
唯一の敗北 (スコア:2)
GPS将棋の一敗がどんなのかと思って棋譜を見て見たのですが、(時間)切れ負けですか。
双方とも入玉して GPS 将棋側が意味の無い手を繰り出してしまっているのが残念ですね。
もっとも、持将棋っぽかったのでその辺の判定がないのも影響しているのでしょうけど。
Re:唯一の敗北 (スコア:1)
GPSは持ち時間が少なくなっても一手に最低3秒はかける設定になっているそうで、2次予選でも切れ負けしかけてました。
相手が粘らずあっさり投了してくれたおかげで、残り12秒でなんとか命拾いしてます。
http://homepage.mac.com/junichi_takada/wcsc22/kifu/WCSC22_U7_GPS_SHS.html [mac.com]
開発者が切れ負けを甘く見ていたか、あるいは数百台のクラスタ並列をリモートで動かす関係上、タスクの割り振りやら通信やらでどうしてもそのくらいの時間は必要になってしまうのか、詳しくは分かりませんが。
ただまあ、必敗の状況から命からがら上部脱出して粘り勝ちしてみせたPuella αの方を褒めるべきかもしれません。
Re: (スコア:0)
あの一戦のPuella αは老獪というか、凄みがありました。
GPSは、まだ若さが見える感じですね。
Re: (スコア:0)
ソフトウェアアルゴリズムに対し老獪とか凄みとか若さとか、それほど人間の思考「の結果」に近づいているってことなんでしょうかね。
それとも、ゲーム用に洗練された人間の思考は、ソフトウェアアルゴリズムと大差ないのか、どっちだろう。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
GPSのほうがはるかに古くからあるんですけど。
知ったかで物書くと恥かくよ。
Re: (スコア:0)
そういう話ではないよ。指し手が人間の感性から見て若く見えるかどうかってだけ。
知ったか? そんな物書きじゃ恥かくよ。
船江恒平四段は勝てるのか (スコア:2)
現役プロとの対局が2013年度中に実現する [shogi.or.jp]らしいですが、楽しみです。
持将棋に持ち込むというのが、有力な作戦になりそうですね。
Re:船江恒平四段は勝てるのか (スコア:1)
電王戦は今回のと違って持ち時間使いきっても 1 分将棋になるはずなので、(切れ負け狙いな?)持将棋狙いはあまり意味がないかと。あと、持将棋はそう簡単に狙えないもんだと思う。すごく隙だらけってこともないだろうし。
# 棋譜は見てない…見て分かるともあんまり思ってない。
Re: (スコア:0)
船江航平さんは五段ですよ。
GPS将棋? (スコア:1)
両陣営の駒の配置をGPSを用いて…
かと思いました。
Re: (スコア:0)
Re:GPS将棋? (スコア:1)
俺もそっちだとばかり…将棋には推論が不可欠だし。
# mishimaは本田透先生を熱烈に応援しています
ちょ (スコア:1)
GPS将棋の桁違いな総コア数に笑ってしまった。
http://www.computer-shogi.org/wcsc22/team.html [computer-shogi.org]
Re: (スコア:0)
繋がってるけど、リソースを活かせてない気がする。
Re:ちょ (スコア:2, 参考になる)
これがBladeサーバとかならやり過ぎと思うんですが、
普段、1〜2年の学生が授業で使っている普通の端末を休日だからって
(ほぼ)全館動員して、即席でクラスタにしているようなので、
グリッドコンピューティング的な面白さはあります。
通信遅延を始めとした分散のオーバーヘッドが大きいのか、
持ち時間が無くなっても1秒指しができなくて苦しんでましたね。
Re:ちょ (スコア:4, 興味深い)
数字だけ見ると興ざめですが、この写真 [u-tokyo.ac.jp]をみると、かなりの無茶、良い意味で馬鹿なことをやってるのが分かると思う。ゴールデンウィークだから出来る本気のお遊び。
Re: (スコア:0)
こりゃ凄い。
どんだけ金かけたゴツいサーバ用意したんだよって思ったら、既存リソースの力技だったのね。
800台弱を良く管理できたな。
Re: (スコア:0)
電気代を誰が払っているか,ということを考えると…大丈夫かな?
Re:ちょ (スコア:2)
センタが利用負担金を取ってるようなので、そこから捻出されてるんじゃないですかね?>電気代。
まぁ大学の電気代って企業や工場なんかと一緒で、使えば使うほど相対的に安くなりますから、
それほど気にしなくても良いんじゃないでしょうか。
しかしiMac(i5)788台、MacPRO2台、Xeon機2台、サーバ5台で計797台か。
これだけクラスタ台数をまとめるとMips値はどれくらいになるんですかね。
通信インフラの質によってかなり差が生まれそうな気もしないでもないですが。
#これだけの台数だとクラスタノードクラスタコントローラ間の通信速度が一番のネックのような。
Re: (スコア:0)
大学の施設なら大学という事になるのかな。
大学にお金を出しているのは所属している学生と国(大雑把に言ってます)。
国にお金を出しているのは国民。
大学の資源を使う許可ぐらいは得ているでしょう。
正式な手続きをしているなら外野が文句言う隙はない。
税金か授業料を払う身分になったら、また来なさい。
Re:ちょ (スコア:1)
実際に大学からは正式な使用許可を貰ってます。
# 関係者から1hopなのでAC
Re: (スコア:0)
超適当な計算(25円はあり得ない前提なのでもう少し安いはず)で、
800台×300W×25円/Kwh=6000円/h
これだけ有名なイベントで、大学院の教員も絡んでいるのに、
この程度の金額が決裁できないほど、東京大学は堕ちてないでしょ。
なんなら幾らでもスポンサーが付きそうだし。
Re: (スコア:0)
とはいっても、このあまりのスペック差はだと力技という印象が拭えません。
まぁ、総力戦なのでしょうがここまで差があると正直レギュレーション引いたほうがいいんじゃないか?
と正直思いましたね。
Re:ちょ (スコア:4, 興味深い)
GPSはコンピュータ将棋にクラスタ並列を持ち込んだ先駆けのソフトで、3年前から大規模クラスタを組んで参加していますが、クラスタで優勝できたのは今回が初めてです。
また、今回GPSの次に多くのマシンを用意したのは本家ボナンザ (47CPU、288コア) ですが、こちらは決勝に進むこともできませんでした。
クラスタを有効に動かすのも大変な技術なんですよ。
Re:ちょ (スコア:1)
三日通して見てると、特に気にならなかったなぁ
趣味の将棋ソフトを持ち寄った同人イベント的なお祭り騒ぎの初日と、
無差別級ガチンコ対決の三日目と、
その両者が混ざり合いぶつかり合って盛り上がる二日目。
将棋ソフト発展の観点からの無差別であることの意義は、
過去に議論され尽くされたと思うから繰り返しませんが、
イベント的な楽しさで見ても、今のはけっこういい感じになってると思いました。
Re: (スコア:0)
スケーラブルであることも性能の一つなのでは?
どーせ計算機は進歩するんだし。
Re: (スコア:0)
巨大システムなら巨大システム向きのアルゴリズムが、パソコンかワークステーションぐらいの小さなシステムなら小さなシステム向きのアルゴリズムがあるから、
使えるのならパソコンだろうが、地球シミュレータだろうが京速だろうが、なんでも来いよって選手権と
全く同じ性能のパソコンにソフトをインストールして戦うワンメイクの選手権の両方があればいいと思う
まあ、スパコンで深読みできるようになっても、スパコンにリモートで計算させると通信がボトルネックになって、
切れ負けの可能性が出てきますが(実際GPS将棋は切れ負けしている)
Re:ちょ (スコア:2)
スパコンにリモートで計算させると通信が間に合わないって、おかしくない?
2bytesもあれば全てのコマの完全なステータスが送信できるのだから、スパコンとリモート通信することがボトルネックにはなるということはないと思う。
計算機クラスタ内の相互通信のボトルネックだというなら分かるが、それでも10億手分のデータを送って2GB足らず。
Re: (スコア:0)
元ACではありませんが、ボトルネックはクラスタ内の通信じゃないですかね。
例えば1台のマシンで読んでいる場合には、ある局面から
「▽26歩▼同歩▽33角成▼同角」と
「▽33角成▼同角▽26歩▼同歩」では
同じ局面になるのでそこから先の読みは1回でいいんですが、
初手▽26歩を計算するマシン(ノード)と
初手▽33角成を計算するマシン(ノード)を分けると
読みの重複が簡単には排除できないので内部で細かく通信しないと
同じ局面を無駄に読んでしまって効率が上がらない。
また、α-β刈りなどを行おうと思うと評価値も送るのでかなりの
通信量が必要。GPS将棋が1秒に2億8
Re: (スコア:0)
2bytesもあれば全てのコマの完全なステータスが送信できる
ってのに驚いた。
局面パターンが2^16以下しかないってこと?
流石にそんな少ないはずは無いと思いつつ、でも将棋わかんないっていう
# それとも一手毎に2Byte?
## それじゃ "全てのコマの完全なステータス" じゃないし…おしえてエロい人
Re: (スコア:0)
現配置は完全に知られているはずなので、差分(つまりは指し手情報)を送るということでは?
先手/後手 x 移動先(9x9) x コマの種類
移動先ではなくて、移動量?
先手/後手の情報はもしかして不要?
Re:ちょ (スコア:1)
そうですね。
極論を書くと、全解探索出来る性能のコンピュータを、もし用意できるなら、それには勝てないわけですし、、、
つまり、お金のある人が勝ちの選手権になってしまいます。
CPU性能を制限した部門と、なんでもあり部門でわけてしまうのが良い気がします。
Re: (スコア:0)
> 極論を書くと、全解探索出来る性能のコンピュータを、もし用意できるなら、それには勝てないわけですし、、、
チェスはおろかオセロでも全解探索は実現できていません。
それが実現できたときには世界コンピュータ将棋選手権はその役目を終えるでしょうが、少なくとも向こう100年くらいはその心配は無用でしょう。
> つまり、お金のある人が勝ちの選手権になってしまいます。
今回の結果を見ても、現状CPUをたくさん用意したチームが上位を占めているわけではありません。
そういう心配は、CPU数と順位が比例するようになってから考えればいいと思います。
Re:ちょ (スコア:1)
>そういう心配は、CPU数と順位が比例するようになってから考えればいいと思います。
そういう反論をよく聞きますが、条件を同じにしなければ比較出来ない部分もあると思います。
優勝したプログラムが、アルゴリズムの性能が良くて勝ったのか、CPUの総合性能で勝ったのかわかりません。
また負けたプログラムも同等のCPU環境を与えたら優勝したかもしれません。
Re: (スコア:0)
通信が間に合わない場合は
ローカルマシンの計算結果を使えばいいだけでは?
Bonanzaが決勝に残れず (スコア:0)
というのがショックでした。
運も悪かっんたでしょうが、この一年でも全体のレベルがものすごく上がってることを象徴しているようでした。
Re: (スコア:0)
一時はBonanza派生が幅を利かせていましたが、結局はBonanzaを超えるためBonanzaを捨てた者が生き残っている感じでしょうか。守破離を体現していますね。
Re:Bonanzaが決勝に残れず (スコア:1)
Bonanzaは今でも強豪ソフトですよ。
floodgateでも常にレーティング上位に入っていて、関係者でBonanzaの予選落ちを予想した人は誰もいなかったでしょう。
だからこそショックなんです。
> 一時はBonanza派生が幅を利かせていましたが
Bonanzaライブラリを使用するソフトが少ないのは、ライブラリを使うと予選通過に制限をかけられてしまうからで、いわゆる「Bonanzaメソッド」は、今ではほぼ全てのソフトが搭載しています。
そういう意味では、みんながBonanza派生になったという方が正確です。
タイトルに大事な二文字が抜けてない? (スコア:0)
タイトルオンリー。
Re:タイトルに大事な二文字が抜けてない? (スコア:1)
スペック固定の大会も同時にやって欲しい (スコア:0)
毎年指定したスマートフォンで対戦とか
どうですかね。
チェスはソフトの改良で同スペックあたりの強さも昔よりだいぶ強くなってるそうですし
ボンクラーズ改めPuellaαって (スコア:0)
puellaの後にはmagiが隠れてるのでしょうか。
Re: (スコア:0)
cも抜けてないか?
Re: (スコア:0)
ラテン語なのでcは不要です。
左上参照 [madoka-magica.com]
人と比べてどうなのか? (スコア:0)
コンピュータ将棋の指し手を人と比較するとどんな特徴があるのか気になる
専門家の人が解説してくれるとありがたいのだが
ざっと棋譜を見たところ、ごく序盤に飛車・角を動かさないまま双方が角道を開いて角交換から乱戦に入るパターンが多いように思うんだけど
人が指す場合は意図的に乱戦に持ち込むこともあるが、一般的には初心者~中級クラスの人は相手が自分と同レベルであれば、じっくり駒組みをしてから戦い始めることが多い(いきなり定石からはずれたハチャメチャな乱戦では面白くないし、定石どうりに駒を並べるだけで精一杯の初心者を乱戦に引き込んでイチびる人は嫌われる.......)
上級者は双方が急戦調の定石・駒組みから乱戦になるべくして乱戦を始めるのに、コンピュータ将棋はいきなり力将棋が始まるという感じ.....
Re: (スコア:0)
ニコニコで勝又六段が話していましたが、あまり長い間定跡に乗ったままだと、肝心の探索部分で差がつきにくいので、コンピュータ同士の対局では早めに定跡を切って、意図的に力戦に持ち込むソフトが多いそうです。
# それにしたってponanzaはやりすぎだった気がしますけど
Re: (スコア:0)
ふーん、そういうことなんですか
あとコンピュータ将棋の棋譜で気がついたのは、一応定石風の矢倉に組んで戦いが進むものはあるが、人間界で流行ってる中飛車、四間飛車などの振り飛車が少ないこと
一般的に矢倉は必然的に矢倉対矢倉になるが、双方あうんの呼吸で(?)指し手が振り飛車と居飛車に分かれて粛々と駒組みを進める戦い方はコンピュータ将棋には合わないのか
大量の定石や過去の棋譜データを参照していても、コンピュータ将棋の戦い方は人間とは同じにならないのね
Re: (スコア:0)
対抗形の将棋はそこそこあったように思いますが、中飛車は確かに少なかったかな?
戦形選択は基本的にランダムなんですが、floodgateでの戦績データを基に、本番では勝率の高い戦形を選ぶ (or 低い戦形を避ける) ようなチューニングを施している開発者もいるでしょう。
ただ定跡を早めに切るのも含め、これらはあくまでコンピュータ同士で対戦する時の戦略です。
人と対戦する時は、また違う戦略を立てると思いますよ。
将棋倶楽部24で人と対戦していたボンクラーズは、本当になんでも指しました。
Re: (スコア:0)
別に変わんないでしょ?
所詮は人間の判断をコンピュータにさせているだけ。