あるAnonymous Coward 曰く、政府の規制改革会議は8日、一般用医薬品のインターネット販売の全面解禁を打ち出す方針を固めたとのこと(読売新聞、日経新聞)。全面解禁を前提として、販売履歴の管理や購入量の制限、副作用や薬の効果などを薬剤師にメールや電話で相談できる仕組みなどを厚生労働省に指示、有識者会議で年内に結論を出すとしている。
厚労省が再規制をしそうだったから釘を刺した (スコア:4, 興味深い)
厚労省「政令に基づいてネットでの薬販売禁止するよ」
↓
ネット薬屋「ちょ、それおかしいでしょ!助けて裁判所!」
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最高裁「法律の範囲を超えてるっしょ。規制は不当って高裁の判断は妥当じゃね?上告棄却」
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厚労省「チッ…。法律の範囲を超えてるなら、法律を変えてしまえばいいじゃない!」
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一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会 開催。
検討会「薬害があるから法律を変えるべき(キリッ まぁ一応世論配慮ってことで、適当な市販薬解禁するけど」
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ネット薬屋「ちょ、おま、時代逆行しすぎだろww おいこれでいいのか政府!」
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政府規制改革会議「ハァ? おい厚労省、規制撤廃だぞ? 分かってるな?」←イマココ
厚労省は一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会、と言うのをやっていて、ここでネット販売について議論がなされていた。この中で当初伝えられた形だと、基本的には禁止で、場合によってはネットで販売が出来る医薬品という新たなカテゴリを作るなどしてそれだけを許可する、と言うやり方でお茶を濁そうとしていた。
それに対して政府が政治的トップダウンで「ルール決めて全面解禁が方針だ」と釘を刺した、と言うがこの流れ。
厚労省の検討会の中で、わりとネット薬屋が強く主張をしていないのでおかしいな、と思ったのだが、どうやら十分にロビー活動が行われていたという事のようだ。今後注意しなければならない事としては、
(1)大手サイトですら難しい事実上不可能な販売ルールが決められて骨抜きにされる可能性
(2)大手サイトだけしかクリアできない、大手サイトの保護政策になって小規模販売店を閉め出すような規制が導入される可能性
と言うこの2点で、1についてはそれほど心配する必要は無いだろうが、2については現在このような方向に議論が進んでいるので注視する必要がある。
例えば同じ薬を一定期間に一定量以上購入できなくすると言う規制はおそらく入るだろうが、これを防止する仕組みに厚生労働省から委託をうけた業界団体の審査を終了しなければならない、と言った方向になると、新たな権利団体が生まれるだけになる。
また、現状の規制はしばしば既存の薬局の利権を保護するだけであるとよく言われるが、利権を持つ者が既存の薬局からネットの大手サイトに移るだけと言う事になる。
ネットで購入できるようになるだけでも前進ではあるが、薬の業界の特殊で非効率的な慣習を打ち破るチャンスを逃すことになる。
Re:厚労省が再規制をしそうだったから釘を刺した (スコア:1)
厚労省「政令に基づいてネットでの薬販売禁止するよ」
↓
ネット薬屋「ちょ、それおかしいでしょ!助けて裁判所!」
↓
最高裁「法律の範囲を超えてるっしょ。規制は不当って高裁の判断は妥当じゃね?上告棄却」
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厚労省「チッ…。法律の範囲を超えてるなら、法律を変えてしまえばいいじゃない!」
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一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会 開催。
検討会「薬害があるから法律を変えるべき(キリッ まぁ一応世論配慮ってことで、適当な市販薬解禁するけど」
↓
ネット薬屋「ちょ、おま、時代逆行しすぎだろww おいこれでいいのか政府!」
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政府規制改革会議「ハァ? おい厚労省、規制撤廃だぞ? 分かってるな?」←イマココ
ネット通販側の意見に擦り寄った解釈ですね。前のストーリへコメ [srad.jp]したように、
そもそも規制緩和の流れの中で飲み合わせの危険性がある第一類へ「説明義務」を課したのに、それを無視する形での
最高裁判決後の第一類ネット販売を開始(当然、「説明義務」は守れていない)したことへのカウンターだったはず。
落としどころは第一類と第二類に24hアクセス可能なホットライン(電話・メール)での説明を確認したあとで「説明に同意しました」ボタンの後に購入ボタンポッチ、って線だとは思っていたけど
それうやむやはやばいなぁ。未成年者が精神に異常をきたして飛び降りとか出るような薬が処方されるかもしれない状況では、少なくとも保護者に説明は要るよな。
でも、それ義務化すると、ホットラインを設けられるような大手に有利な仕分けとかいうだろうし、ホットラインを業界共通の財団法人化すれば「新たな天下り先キター」とか盛り上がるだろうし。はあ。
Re:厚労省が再規制をしそうだったから釘を刺した (スコア:1)
店頭でも「説明義務」を守っていないところはある。
しかし、ネットなら購入前に、注意内容を表示して同意しないと買えないようにして、同意したかどうか記録を残すことは容易にできる話(この程度もできないような業者に行政処分を下すのは誰も反対しないし、そもそも今回の話とは全く別次元の話)。
そうそう、口頭説明以外は「説明義務」にはならないというのは、なしですよ。
そもそも義務付けられているのは「書面を用いた情報提供」ですし、店頭でも聴覚障害者には口頭説明不可能なので、口頭説明必須にすると、聴覚障害者は第一類を買う手段が無くなりますし、処方箋薬はどうするんだというパンドラの箱を開けることになりますから(聴覚障害者以外でも口頭説明をまともに聞いている保証はないから)。
ついでに、相談窓口や口頭説明を求める人のために、薬剤師を常駐させたコールセンター義務付けはよい話かと。
ただし、そういうのを求める人がネットで買うかというと…。
Re: (スコア:0)
そもそも規制緩和の流れの中で飲み合わせの危険性がある第一類へ「説明義務」を課したのに、それを無視する形[要出典]での
最高裁判決後の第一類ネット販売を開始(当然、「説明義務」は守れていない[要出典])したことへのカウンター[要出典]だったはず[要出典]
規制緩和を骨抜きにするために、適当な理由付けて別の規制を作ったと言う話をそんな誇らしげに語られても困ります。
落としどころは第一類と第二類に24hアクセス可能なホットライン(電話・メール)での説明を確認したあとで「説明に同意しました」ボタンの後に購入ボタンポッチ、って線だとは思っていたけど
それうやむやはやばいなぁ。未成年者が
Re: (スコア:0)
> 薬事法、第36条の6の存在を何とかしてから言えや、と思いますね。
厚労省が薬事法の改正をするんですかそいつぁすげえや
Re: (スコア:0)
何がすごいのかよく分かりませんが薬事法は普通に厚生労働省管轄ですよ。
Re: (スコア:0)
管轄であってもその法律を立法、改正できるのは立法機関である国会だけであって、行政機関である厚労省は手出しできないでしょ。
Re:厚労省が再規制をしそうだったから釘を刺した (スコア:1)
厚労省で案を作って、閣議決定して、国会審議というのが普通の流れ
Re: (スコア:0)
lawmakerとはよく言ったものだ
Re: (スコア:0)
まてまて
そもそも処方薬までネット販売をOKした訳じゃないでしょ
タミなんとかとかが売られてるとしたらそれは闇サイトだw
当然睡眠薬なんかもNGなんじゃないの?
買った人間が過剰摂取で死んだ場合、売った人間は罰せられないのかなぁ?
警察は何もしてくれなかった気がする
Re: (スコア:0)
事実にさりげなく憶測を混ぜているのがタチが悪い。
しかも、両者の区別が付かないようにしてね。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
なら指摘すれば良いのに
Re: (スコア:0)
薬の購入には十分な説明がいるでしょうし、それに関し一番詳しいのは厚生労働省なのだから管轄し、法律制定に関わるのは当然の事でしょう。
例によって政令の恣意性、正確にはそれが必ずしも法律制定者の意に沿わない形で運用される事が問題なのであって、時代に逆行云々の話ではない。
挙句自分の気に食わない規制があったからと言って「お茶を濁す」「骨抜き」或いは実質的には解放されていないだとか、監視されるのが気に食わないから「利権」「権利団体」呼ばわりなんてのは通じない。
それより、薬の販売に関してチェックボックスなりボタンを押した事を薬局における口頭の説明と同等とみなす事に疑問を感じます。
薬局だと結局人が、それも薬に詳しい人が確認しますし、言葉は必ず一度耳を通る。
ネットだと大抵説明等読まずにクリックしますよ。
薬局での販売もいい加減かもしれませんが。
私としては薬の種類をごくごく限定するか、あるいは極めて厳しく監視するか、どちらかだと思います。
Re: (スコア:0)
チェックボックスに「何があっても泣き寝入りします」ってのを用意しておけばいいよ
Re: (スコア:0)
そんな
1. 権力は悪い
2. 昔は良かった
しかない庶民の良識を示されても、困る。
Re: (スコア:0)
天下り以前にまず保身でしょ。
# イレッサの間質性肺炎ですらなぜか厚生労働省を叩く人がいるわけですから。
区分に手を抜きすぎ (スコア:4, すばらしい洞察)
同じ区分に入れて一律に規制しようとした時点で間違いだったんですよ。
もっときめの細かい分類を施し、その上でネット販売の可否を決めていれば問題も少なかったろうに。
如何なる内容であろうとACでの書き込みは一切無視します。
自民議連は規制改革会議の意見に反して一定の規制へ (スコア:3, 参考になる)
自民議連 薬ネット販売に規制を
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130307/k10013025651000.html [nhk.or.jp]
Re:自民議連は規制改革会議の意見に反して一定の規制へ (スコア:2)
尾辻元厚労大臣などの要するに厚労族が最後の悪あがきをしているだけ。
単なる議連(仲好し倶楽部)なのだから、よほどの有力者がいない限り、規制改革会議の決定を覆すことはない。
問題にしている過去の薬害云々にしても、対面販売でもそれらの薬害が発生していたのだから、理解できない話だ。
たとえば、薬剤師が対面販売をしていれば、サリドマイド入りの睡眠薬は販売されなかったとでもいうのだろうか。ヒ素入り粉ミルクは販売されなかったのだろうか。自殺を目的として大量に薬を買う人は、何件もの薬局・薬店を渡り歩くが、これが対面販売で避けられるのだろうか。もちろん、無理だ。
Re: (スコア:0)
>何件もの薬局・薬店を渡り歩く
ネット販売で、そのあたりがお手軽化してしまうのが怖いですけどね。
服薬歴とかを薬屋間で一括管理できないもんかしら。
Re: (スコア:0)
そもそも店頭でも鼻炎薬や水虫薬で書面による説明を受けるかというと…。
鼻炎薬や水虫薬って、第一類が多いんですけどね、現実問題として。
バファリンを子供に服用させちゃ駄目って知ってた? (スコア:2)
「19歳未満のいかなるティーンエイジャーに対しいかなるアスピリン含有薬品を処方するときは医師もしくは薬剤師に相談すべきである」という情報をオンラインでの購入者に周知する方法が本当にあるか、と考えると、「厚生省のお役人が~!」というステロタイプな批判よりも慎重論の方に肯かざるを得ませんね。
_ to boldly go where no man has gone before!
Re: (スコア:0)
OTCについては、副作用よりも薬物依存関連のほうがマズいですよ。
ある種の鎮痛剤は連用すると依存性頭痛を引き起こしますし、特にヤバいのは咳止めドリンクの類いで、ヤク中がごろごろしている。
麻薬系はOTCにスイッチしない方がいいと思うんですけど。。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
>ちなみに『小児用バファリン』は成分がまったく異なる、バファリンとは別の薬です
その、紛らわしい命名を規制(つーか指導)しろよ、間抜けな厚労省。
Re: (スコア:0)
> ちなみに『小児用バファリン』は成分がまったく異なる、バファリンとは別の薬です
「やさしさ」以外となると、「ぬくもり」とか、「お母さんの母乳」とかなのかな。
知っておく必要はない (スコア:0)
それを読まないは、人の説明も聞かないでしょう。
読んでも無視する人は、人の説明も無視するでしょう。
オンラインでもオフラインでも。
Re: (スコア:0)
子供が直接バファリン買わないと思うんだな。
で、大人が(実は息子用に)薬局でバファリン買うときに、「子供に与えたらダメですよ」と
エスパーなことを言う薬局が多いとも思えないのだが。
薬剤師っていいよね (スコア:0)
なんかギルドみたいに保護されているわけでしょ。大して意味もない説明
するとかいう名目で各薬局に置かなきゃいけないルールで。
薬学部にはちょっと金が掛かるかもしれないけど、あと一生安泰でいい投資だよな。
Re: (スコア:0)
ヤクザ医師といい勝負ですね