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私企業であるGoogleに対して、税金を投入して得られたデータを無償で提供って、何のメリットがあるんすかね?
それ、旧態依然のJAXAの姿勢です。「税金を投入して取得したデータを無償提供してどうする!」JAXAっていうより、大蔵省(当時)への説明フォーマットというか。「データを提供するなら対価を得て税収に還元せよ」とにかく、JAXA(当時NASDA)は外部にデータを公開するの嫌がった。
結果、何が起こったか:「国際的な宇宙開発における日本の地位低下」
宇宙開発(測器開発)って、現場では「データ使われてなんぼ」の世界なんですよ。測器の有効性を実証するのは、結局ユーザ(今回の例で言えばGoogleとその先のユーザ)がどういう
↑すばどう+1
ごく個人的には、提供先が日本の企業じゃないところが残念。
といっても「税金を使って作ったデータを米の私企業に」じゃなくって「日本にこんなことをしてくれる企業が存在しない」って点でね。
タレコミ人です。
タレコミの元になった日記 [srad.jp]でも言及していますが、今回の無償データ提供と言う報道を目にして真っ先に思ったのは「これって、HDTVカメラで撮った動画に著作権主張してネット配信許諾するの渋ったNHK [nikkeibp.co.jp]にたいするあてこすり・意趣返しだよな…」と言うことでした。
今はYouTubeにJAXAチャンネルができて「かぐや」のHD動画も配信されるようになっていますが、そうなったのは今年の三月からで、YouTubeにHDクオリティの「かぐや」撮影の動画がアップされたのが昨年の12月。その前からおおっぴらでなくJAXAが公開していた動画が非公式に再配布されていたようですが…
そうなる迄には、NHKで最初に「かぐや」撮影の動画が放送されて以降、相当な紆余曲折があって、JAXA(と言うか「かぐや」プロジェクトに携わった旧ISAS系の人たち)もNHKでも現場に近い人たちはネット配信と言う形での成果の普及を強く望んできたのですが、NHKの上の方の営業的判断からなかなかOKが出ず・海外に配信された動画を日本で見れるようにすることすらリスキーであって、MIAUがNHKに公開質問状を出したり [miau.jp]など物議を相当醸した。そういう経緯がある訳です。
# この騒動でNHKも散々懲りたのか、今日の昼の日食の取材映像をYouTubeにて配信しているようです [air-nifty.com](松浦晋也氏のblog経由)
多分、動画配信のインフラを提供してもらってるよしみで、(多分大半のデータはTC [kaguya.jaxa.jp]の撮影した月面全球の立体視写真だと思いますが)のデータのGoogleへの無償提供がトントン拍子で進んだ感じもしますが、それと同時に「国を問わず・著作権がどうこうとかやかましくもない形で大衆に普及させてくれる企業なら、もう国内外は問わない」と言う感じの教訓がJAXA側にもあるんじゃないかと思いますよ。
先にリンク貼った日経BPの記事を書いた松浦氏のblogに於いても、放送直後の2007年の時点で
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2007/12/miau_f7fd.html [air-nifty.com]それでも内部(注:JAXAの事)では「広報的にハイビジョンカメラが意味あることは分かった。民生用 HDTVカメラがこれだけ安くなっている今、次の機会があってもNHKと付き合いたくない」などという声も聞こえてきている。当然だろう。
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2007/12/miau_f7fd.html [air-nifty.com]
それでも内部(注:JAXAの事)では「広報的にハイビジョンカメラが意味あることは分かった。民生用 HDTVカメラがこれだけ安くなっている今、次の機会があってもNHKと付き合いたくない」などという声も聞こえてきている。当然だろう。
と言う記述がされている位ですから、この時点でJAXAの現場とNHK(と言うか著作権に過度に五月蝿い企業)の間に越えがたい溝ができてしまっていた訳で…
そもそも「かぐや」の運用主体である部署はISASの事業を引き継いでいる訳で、ISASはNASDAと違って学術機関の色が非常に濃い所でNASDAとはカルチャー的な物が相当違ったように思いますが。ISASがNASDAと合併する形で独法であるJAXAができて・JAXAがプロジェクト単位での採算性に厳しくて情報だせなくなっていたのが安倍内閣当時の宇宙基本計画でそういう枷を外された。と言うのは一面では事実なんですが、その前からISASに関しては国際協力やデータの融通は盛んであったし、全くカルチャーが違うNASDAに呑み込まれる形で独法化したんでやりにくくはなったんだろうけど、根本の理由はもう少し違うように思いますよ。
そもそも「かぐや」の運用主体である部署はISASの事業を引き継いでいる訳で、ISASはNASDAと違って学術機関の色が非常に濃い所でNASDAとはカルチャー的な物が相当違ったように思いますが。
勘違いされていることが多いのですが、かぐや(SELENE)はNASDAが立ち上げてISASがそれに乗った形のプロジェクトです(NASDA側が主導権をとっている)これまで高くても静止軌道から下を見る以外のことに手を出していなかったNASDAが視点を上に向けた異例のプロジェクトです。
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家
で、目に見えるJAXAのメリットは? (スコア:1, 興味深い)
Re: (スコア:5, 興味深い)
私企業であるGoogleに対して、税金を投入して得られたデータを無償で提供って、何のメリットがあるんすかね?
それ、旧態依然のJAXAの姿勢です。「税金を投入して取得したデータを無償提供してどうする!」
JAXAっていうより、大蔵省(当時)への説明フォーマットというか。
「データを提供するなら対価を得て税収に還元せよ」
とにかく、JAXA(当時NASDA)は外部にデータを公開するの嫌がった。
結果、何が起こったか:「国際的な宇宙開発における日本の地位低下」
宇宙開発(測器開発)って、現場では「データ使われてなんぼ」の世界なんですよ。
測器の有効性を実証するのは、結局ユーザ(今回の例で言えばGoogleとその先のユーザ)がどういう
Re:で、目に見えるJAXAのメリットは? (スコア:1, すばらしい洞察)
↑すばどう+1
ごく個人的には、提供先が日本の企業じゃないところが残念。
といっても
「税金を使って作ったデータを米の私企業に」じゃなくって
「日本にこんなことをしてくれる企業が存在しない」って点でね。
学術機関の視点と版権とか採算性は相性が悪い(Re:で、目に見えるJAXAのメリットは? (スコア:4, 興味深い)
タレコミ人です。
タレコミの元になった日記 [srad.jp]でも言及していますが、今回の無償データ提供と言う報道を目にして真っ先に思ったのは
「これって、HDTVカメラで撮った動画に著作権主張してネット配信許諾するの渋ったNHK [nikkeibp.co.jp]にたいするあてこすり・意趣返しだよな…」
と言うことでした。
今はYouTubeにJAXAチャンネルができて「かぐや」のHD動画も配信されるようになっていますが、そうなったのは今年の三月からで、YouTubeにHDクオリティの「かぐや」撮影の動画がアップされたのが昨年の12月。その前からおおっぴらでなくJAXAが公開していた動画が非公式に再配布されていたようですが…
そうなる迄には、NHKで最初に「かぐや」撮影の動画が放送されて以降、相当な紆余曲折があって、JAXA(と言うか「かぐや」プロジェクトに携わった旧ISAS系の人たち)もNHKでも現場に近い人たちはネット配信と言う形での成果の普及を強く望んできたのですが、NHKの上の方の営業的判断からなかなかOKが出ず・海外に配信された動画を日本で見れるようにすることすらリスキーであって、MIAUがNHKに公開質問状を出したり [miau.jp]など物議を相当醸した。そういう経緯がある訳です。
# この騒動でNHKも散々懲りたのか、今日の昼の日食の取材映像をYouTubeにて配信しているようです [air-nifty.com](松浦晋也氏のblog経由)
多分、動画配信のインフラを提供してもらってるよしみで、(多分大半のデータはTC [kaguya.jaxa.jp]の撮影した月面全球の立体視写真だと思いますが)のデータのGoogleへの無償提供がトントン拍子で進んだ感じもしますが、それと同時に「国を問わず・著作権がどうこうとかやかましくもない形で大衆に普及させてくれる企業なら、もう国内外は問わない」と言う感じの教訓がJAXA側にもあるんじゃないかと思いますよ。
先にリンク貼った日経BPの記事を書いた松浦氏のblogに於いても、放送直後の2007年の時点で
と言う記述がされている位ですから、この時点でJAXAの現場とNHK(と言うか著作権に過度に五月蝿い企業)の間に越えがたい溝ができてしまっていた訳で…
そもそも「かぐや」の運用主体である部署はISASの事業を引き継いでいる訳で、ISASはNASDAと違って学術機関の色が非常に濃い所でNASDAとはカルチャー的な物が相当違ったように思いますが。
ISASがNASDAと合併する形で独法であるJAXAができて・JAXAがプロジェクト単位での採算性に厳しくて情報だせなくなっていたのが安倍内閣当時の宇宙基本計画でそういう枷を外された。と言うのは一面では事実なんですが、その前からISASに関しては国際協力やデータの融通は盛んであったし、全くカルチャーが違うNASDAに呑み込まれる形で独法化したんでやりにくくはなったんだろうけど、根本の理由はもう少し違うように思いますよ。
Re: (スコア:0)
そもそも「かぐや」の運用主体である部署はISASの事業を引き継いでいる訳で、ISASはNASDAと違って学術機関の色が非常に濃い所でNASDAとはカルチャー的な物が相当違ったように思いますが。
勘違いされていることが多いのですが、かぐや(SELENE)はNASDAが立ち上げてISASがそれに乗った形のプロジェクトです(NASDA側が主導権をとっている)
これまで高くても静止軌道から下を見る以外のことに手を出していなかったNASDAが視点を上に向けた異例のプロジェクトです。