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厚労省研究班調査:国内中高生93万人にゲーム依存の疑い?!が報道される前にhttps://news.yahoo.co.jp/byline/takashikiso/20200206-00161937/ [yahoo.co.jp]
国立病院機構久里浜医療センターというところは、以前も同様の手法でギャンブル依存症の人数を過大に推定して、後日訂正に追い込まれています。
このリンク先の人はバリバリのカジノ推進派の人で、過去の経緯が色々おありになるようだから、こちらの意見は意見で、色々割り引いて考える必要があると思う。樋口先生のスライドを見る限り、別に「緊急エントリ」とか、「エラいことになりそう」とか、そこまで騒ぐようなことじゃ全然ない。 要は若年者に対して、依存に関する心理教育と予防対策をもっと政策として予算付けたい、ってのが先にあり、その裏付けとして樋口先生が引っ張り出されてきた、と。経緯はよく知らんけど。
依存系の各種障害に関わらず、精神科/心療内科領域ってのは、ほとんどがデジタルで0/1に診断できない。樋口先生のスライドだと32ページのように、濃淡(スペクトラム)で診ていく。最終的にはどこかに線を引かなくてはいけないわけだけど、どうしても「正常」と「障害」の間の未確定領域が発生するのが必定だし、最終的には面接やって、心理士が査定やって確定診断に至るということで、1次スクリーニングの簡易診断(とりあえず疑われる者)と、面接した後にも可能性を残している者(強く疑われる者)と、確定診断に至った者の数字が、すべて大きく異なるのはむしろ普通の事。
ギャンブルの場合は、最初の発表が簡易査定で、2回目の発表が1度面接評価した後の話で。「4ビットフラグが立った人は黒(インターネット・ゲーミング依存症 ※注)という条件設定下で、最大○○人が見込まれる(上位2ビット立った人の数)、そのうち△△人まで絞り込んだ(さらに追加でもう1ビット立った人の数)ってことなので、訂正というのとははちょっと違うのかな、と思うなあ。 ただ、だったら最大○○人と書いておけよと言われればその通りなのかな、とも。この辺はプレス発表時報告書の表現や発表の仕方の領域。科学的な議論の話では無いのかな。
もっともこの先生のスライドには、有効数字の桁がおかしいとか、そういう明らかな表記誤りは別としても、他にもずるいなーとも思う表現もあったり。薬物療法にエビデンスがあると書くのはいいとして、ニコチン拮抗剤とか抗酒剤とか。いやそれ「違う依存」に使う薬だよねえ。。あと、インターネット・ゲーミング依存症と、生活上の諸問題が一方的な因果関係になってるような書き方とか。逆のベクトルも当然あるし、多くは循環関係なわけで。
さて。今回の話の本題(前置き長すぎ・・)。今回の報告書の見どころは、「絶対数」はさほど大きな問題ではなくて、「同じ簡易スクーリニングでの時系列的変化」をきちんと取れていること、受診者の9割近くがオンラインゲーム依存が主訴であること、ゲーム時間と昼夜逆転の連関が性別ごとに集計できていること、7歳以下から習慣的にゲームをやっている子は、中学生になってからのゲーム時間がp0.01水準の有意差で高くなるなんてところをきちんと実証している部分が見どころだったという感想。
#長文失礼。臨床心理士/公認心理士です。
注:インターネットゲーム依存症としたけれども、別スレッドで話が出ているように、「症」「障害」あたりは日本語訳がDSM-5になってから色々混乱している。自分はこのカテゴリーにはあまり「障害」という言葉をを使いたくないのでとりあえず依存症と書いておく。別に使い分けができないわけじゃない。
>樋口先生のスライドを見る限り、別に「緊急エントリ」とか、「エラいことになりそう」とか、そこまで騒ぐようなことじゃ全然ない。
冷静に読むとそうなんですよ。だから、専門家も面と向かって却下や反論しにくい。
でも、この内容を厚生労働省が発表して、冷静に読めない、又は冷静に読む気が無いマスコミが取り上げるとどういう表現になるか分かりますよね?そこまで考えて、わざと誘導するように元資料を作成しているとしか思えないから問題がある。
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私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson
貼ってきますね (スコア:5, 参考になる)
厚労省研究班調査:国内中高生93万人にゲーム依存の疑い?!が報道される前に
https://news.yahoo.co.jp/byline/takashikiso/20200206-00161937/ [yahoo.co.jp]
国立病院機構久里浜医療センターというところは、
以前も同様の手法でギャンブル依存症の人数を過大に推定して、後日訂正に追い込まれています。
Re:貼ってきますね (スコア:3, 参考になる)
このリンク先の人はバリバリのカジノ推進派の人で、過去の経緯が色々おありになる
ようだから、こちらの意見は意見で、色々割り引いて考える必要があると思う。樋口先
生のスライドを見る限り、別に「緊急エントリ」とか、「エラいことになりそう」と
か、そこまで騒ぐようなことじゃ全然ない。
要は若年者に対して、依存に関する心理教育と予防対策をもっと政策として予算付け
たい、ってのが先にあり、その裏付けとして樋口先生が引っ張り出されてきた、と。経
緯はよく知らんけど。
依存系の各種障害に関わらず、精神科/心療内科領域ってのは、ほとんどがデジタル
で0/1に診断できない。樋口先生のスライドだと32ページのように、濃淡(スペクトラ
ム)で診ていく。最終的にはどこかに線を引かなくてはいけないわけだけど、どうして
も「正常」と「障害」の間の未確定領域が発生するのが必定だし、最終的には面接や
って、心理士が査定やって確定診断に至るということで、1次スクリーニングの簡易診
断(とりあえず疑われる者)と、面接した後にも可能性を残している者(強く疑われ
る者)と、確定診断に至った者の数字が、すべて大きく異なるのはむしろ普通の事。
ギャンブルの場合は、最初の発表が簡易査定で、2回目の発表が1度面接評価した後の
話で。「4ビットフラグが立った人は黒(インターネット・ゲーミング依存症 ※注)と
いう条件設定下で、最大○○人が見込まれる(上位2ビット立った人の数)、そのうち
△△人まで絞り込んだ(さらに追加でもう1ビット立った人の数)ってことなので、訂正
というのとははちょっと違うのかな、と思うなあ。
ただ、だったら最大○○人と書いておけよと言われればその通りなのかな、とも。この
辺はプレス発表時報告書の表現や発表の仕方の領域。科学的な議論の話では無いのか
な。
もっともこの先生のスライドには、有効数字の桁がおかしいとか、そういう明らかな
表記誤りは別としても、他にもずるいなーとも思う表現もあったり。薬物療法にエビデ
ンスがあると書くのはいいとして、ニコチン拮抗剤とか抗酒剤とか。いやそれ「違う
依存」に使う薬だよねえ。。あと、インターネット・ゲーミング依存症と、生活上の諸
問題が一方的な因果関係になってるような書き方とか。逆のベクトルも当然あるし、多
くは循環関係なわけで。
さて。今回の話の本題(前置き長すぎ・・)。今回の報告書の見どころは、「絶対数」
はさほど大きな問題ではなくて、「同じ簡易スクーリニングでの時系列的変化」をきち
んと取れていること、受診者の9割近くがオンラインゲーム依存が主訴であること、ゲ
ーム時間と昼夜逆転の連関が性別ごとに集計できていること、7歳以下から習慣的にゲ
ームをやっている子は、中学生になってからのゲーム時間がp0.01水準の有意差で高く
なるなんてところをきちんと実証している部分が見どころだったという感想。
#長文失礼。臨床心理士/公認心理士です。
注:インターネットゲーム依存症としたけれども、別スレッドで話が出ているよう
に、「症」「障害」あたりは日本語訳がDSM-5になってから色々混乱している。自分は
このカテゴリーにはあまり「障害」という言葉をを使いたくないのでとりあえず依存
症と書いておく。別に使い分けができないわけじゃない。
Re: (スコア:0)
>樋口先生のスライドを見る限り、別に「緊急エントリ」とか、「エラいことになりそう」とか、そこまで騒ぐようなことじゃ全然ない。
冷静に読むとそうなんですよ。
だから、専門家も面と向かって却下や反論しにくい。
でも、この内容を厚生労働省が発表して、冷静に読めない、又は冷静に読む気が無いマスコミが取り上げるとどういう表現になるか分かりますよね?
そこまで考えて、わざと誘導するように元資料を作成しているとしか思えないから問題がある。