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サリドマイドみたいな薬害がふたたび起こった場合は販売した薬剤師は責任をとるのだろうか?責任を負うぐらいの制度でないと薬剤師が薬の安全性に寄与することはできないのでは。
サリドマイドみたいな薬害がふたたび起こった場合は販売した薬剤師は責任をとるのだろうか?
すまん、言葉が足りなかった。カナダの例はサリドマイドの薬害なんかより、ずっと酷い話です。2006年12月にカナダのバンクーバー在住の57歳の女性の Marcia Bergeron さんがオンラインで「精神安定剤」と称して売られていた薬を購入し服用して脱毛や目のかすみなどの中毒症状を起こした後に死亡。薬からはウラン、ストロンチウム、セレン、アルミニウム、ヒ素、バリウム、ホウ素など危険な物質が検出された。本来は処方箋が必要な効き目が強い睡眠薬もオンラインでは平気で売っていた。スパムメールから誘引されるサイトの多くはインチキ。米国では薬価が高いので値頃なカナダから買う消費者も多いが、カナダの薬のネット販売の約8割は実際には他国に基盤を置いている。有害成分を含む偽薬や期限切れの薬を送りつける事もある。偽薬を売る犯行グループは偽の政府機関の許可証を掲げていた。数日おきにWebサイトのURLやドメインを変更しながら偽薬を売り続けている。この件はたくさんの報道がなされている。日本は Marcia Bergeron さんの死から教訓を得て当然起こり得る問題を未然に防止できるのか、それとも何の教訓も得ないのか。省令ではネット販売を禁止できないという最高裁判決が、無秩序なネット販売の参入や偽薬の販売横行につながってはまずい。
他に、安い治療を求める消費者は医者にかからず自己診断して薬で治そうとする傾向がある、処方箋が必要な薬でもオンラインで売られてしまう、という問題も北米で起きている。これを防げるのか。そもそも、「病院で医師から処方箋を貰い、薬局で薬を買えば良いものを、ネット販売を利用しようとする動機は何か」を考えれば、同様の問題が起きるのは必至。日本でも、かねてより国内では認可の下りていない薬を「個人輸入」するという問題になるケースがあるし、そもそも今回の判断までは「医薬品通販各社は海外から発送を行うサービスを開始するなどの対策を行っていた」わけだ。オンラインで注文を受けて海外から発送を行うサービスを行う業者の全ては善良な業者ばかりで偽薬など売る業者は今後も決して現れない、とは期待できない。 日本で参考になる取り組みとして、カナダ国際薬局協会では「正規のネット薬局」のリストがあり本当にカナダに基盤を置いている薬局かどうか調べられるようだから、同様に厚生労働省のしかるべきページを見れば「正規の医薬品ネット販売業者」か否か消費者が容易に確認できる仕組みが絶対に必要。ネット販売にゴーサインが出てしまったので、早急な法整備をすべき。整備できないなら、それまでは法律で禁止。
サリドマイドは薬害が起きた当時から当局には規制する権限があったが製薬会社への負担を慮るなどして回収を遅らせたために薬害を広げたケースでどちらかといえば行政の怠慢に原因があるので、新たな規制の是非という今回の件で引き合いに出すのにはあまり適当な例ではないように思いますが。
個人輸入も危ないから禁止してしまえみたいな話も出てますが、そう単純な話でもないと思いますよ。その点ではサリドマイドは良い例です。
深刻な薬害を引き起こしたサリドマイドですが、一部のがんなどに効果があることが分かって海外では一部の病気で処方される薬になってました。しかし、日本は薬の認可が非常に時間がかかるということがあるし、ましてサリドマイドというイメージの悪い薬剤ですから、海外で復活した後もなかなか認可されず、一部の患者さんが個人輸入するという形になっていた時期があります。
2008年ごろようやく日本でもサリドマイドの誘導体のレナリドミドなどが認可されレナリドミドは多発性骨髄腫と一部の骨髄異形成症候群に対して厳重な管理のもとに処方されるようになりました(処方のための特別な承認プロセスが作られてます)。
この例ように既存の薬剤では思うような効果がえられない病気の患者さんはネットなどで海外の最新の知見を調べ、日本で未認可の薬を個人輸入して使うということが実際にあります。こうした病気の患者さんたちは、いわば藁をも掴む思い出海外から薬を輸入しているわけでそれを禁止してしまうというのもどうかと思いますね。
問題の背景には日本では薬の認可が遅いということがあるのですが、一方で難病に対して迅速な認可プロセスをという声に対応し素早く認可されたイレッサでは、副作用が問題視され薬害だという声も出ました。行政としては事が起きた時に責任を取らされるのは嫌だということもあるので、イレッサのような例からも認可プロセスを早めようということには及び腰にならざるをえないでしょう。
アメリカの治験をコピペして、3ヶ月で認証通したバイアグラではできたことが、どうしてほかの薬ではできないんですかね?
勃起のプロセスだけは、日本もアメリカも違いがないと、あらかじめわかっていたとでも?
#反論ではなく、あくまで知識の補強として
いったん、バイアグラのことは棚にあげて。
まず、「他国での治験結果を使って承認」というプロセス自体は他の薬でも可能です。ただしその作用から悪影響がないことはある程度説明できなきゃいけない……のは言うまでもありませんね。例えばよく知られた化合物が元となっている場合、細かいことをスッ飛ばせるケースはあります。
そういう薬理学的あるいは医学的なものとは別に、行政判断も重要です。迅速に認可を与えることで病気の蔓延やニセ薬の横行を防ぐ意味がある場合、順番待ちを飛ばして認可を与える必要があるのはご理解できるでしょう。世界的流行の感染症があり、海外に特効薬がある、という場合に悠長に何年も治験を繰り返してるわけにはいきませんし。あるいは国内未承認薬の個人輸入だのコピー品だのと称して悪徳業者が粗悪品を流す、なんてことをされては規制が本末転倒ですよね。
ですから「他の薬でもチョー迅速に認可を得られるケース」はあります。予測される安全性と緊急性次第です。
それはそれとして、バイアグラに対するその判断が妥当であったかというのは私の知るところではありませんので、コメントは控えます。
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外国では薬のインターネット販売で死人が出ている。省令ではなく法制定して禁止すべき (スコア:3)
対面販売と異なり、インターネットでは、消費者には正規の店とインチキな店の区別がつかない。偽薬を売って、消費者が死んだり被害を受けたら、さっさとサイトを畳んで逃げられ補償も得られないという被害が繰り返されるのは目に見えている。だいたい何で薬をネットで買わなきゃいけないんだ。全然、必要が無い。国民の生命と健康を守るため、本質的にインチキな店との区別をつける事が無理な薬のインターネット販売は極めて危険なので、省令ではなく、国会で法制定して禁止にすべき。偽バイアグラを買えとスパム・メールが来るのとは訳が違う。
Re:外国では薬のインターネット販売で死人が出ている。省令ではなく法制定して禁止すべき (スコア:0)
サリドマイドみたいな薬害がふたたび起こった場合は販売した薬剤師は責任をとるのだろうか?
責任を負うぐらいの制度でないと薬剤師が薬の安全性に寄与することはできないのでは。
Re:外国では薬のインターネット販売で死人が出ている。省令ではなく法制定して禁止すべき (スコア:4, 興味深い)
サリドマイドみたいな薬害がふたたび起こった場合は販売した薬剤師は責任をとるのだろうか?
すまん、言葉が足りなかった。カナダの例はサリドマイドの薬害なんかより、ずっと酷い話です。2006年12月にカナダのバンクーバー在住の57歳の女性の Marcia Bergeron さんがオンラインで「精神安定剤」と称して売られていた薬を購入し服用して脱毛や目のかすみなどの中毒症状を起こした後に死亡。薬からはウラン、ストロンチウム、セレン、アルミニウム、ヒ素、バリウム、ホウ素など危険な物質が検出された。本来は処方箋が必要な効き目が強い睡眠薬もオンラインでは平気で売っていた。スパムメールから誘引されるサイトの多くはインチキ。米国では薬価が高いので値頃なカナダから買う消費者も多いが、カナダの薬のネット販売の約8割は実際には他国に基盤を置いている。有害成分を含む偽薬や期限切れの薬を送りつける事もある。偽薬を売る犯行グループは偽の政府機関の許可証を掲げていた。数日おきにWebサイトのURLやドメインを変更しながら偽薬を売り続けている。この件はたくさんの報道がなされている。日本は Marcia Bergeron さんの死から教訓を得て当然起こり得る問題を未然に防止できるのか、それとも何の教訓も得ないのか。省令ではネット販売を禁止できないという最高裁判決が、無秩序なネット販売の参入や偽薬の販売横行につながってはまずい。
他に、安い治療を求める消費者は医者にかからず自己診断して薬で治そうとする傾向がある、処方箋が必要な薬でもオンラインで売られてしまう、という問題も北米で起きている。これを防げるのか。そもそも、「病院で医師から処方箋を貰い、薬局で薬を買えば良いものを、ネット販売を利用しようとする動機は何か」を考えれば、同様の問題が起きるのは必至。日本でも、かねてより国内では認可の下りていない薬を「個人輸入」するという問題になるケースがあるし、そもそも今回の判断までは「医薬品通販各社は海外から発送を行うサービスを開始するなどの対策を行っていた」わけだ。オンラインで注文を受けて海外から発送を行うサービスを行う業者の全ては善良な業者ばかりで偽薬など売る業者は今後も決して現れない、とは期待できない。
日本で参考になる取り組みとして、カナダ国際薬局協会では「正規のネット薬局」のリストがあり本当にカナダに基盤を置いている薬局かどうか調べられるようだから、同様に厚生労働省のしかるべきページを見れば「正規の医薬品ネット販売業者」か否か消費者が容易に確認できる仕組みが絶対に必要。ネット販売にゴーサインが出てしまったので、早急な法整備をすべき。整備できないなら、それまでは法律で禁止。
Re:外国では薬のインターネット販売で死人が出ている。省令ではなく法制定して禁止すべき (スコア:4, 興味深い)
サリドマイドは薬害が起きた当時から当局には規制する権限があったが
製薬会社への負担を慮るなどして回収を遅らせたために薬害を広げたケースで
どちらかといえば行政の怠慢に原因があるので、新たな規制の是非という今回の件で
引き合いに出すのにはあまり適当な例ではないように思いますが。
個人輸入も危ないから禁止してしまえみたいな話も出てますが、そう単純な話でも
ないと思いますよ。その点ではサリドマイドは良い例です。
深刻な薬害を引き起こしたサリドマイドですが、一部のがんなどに効果があることが分かって
海外では一部の病気で処方される薬になってました。しかし、日本は薬の認可が非常に
時間がかかるということがあるし、ましてサリドマイドというイメージの悪い薬剤ですから、
海外で復活した後もなかなか認可されず、一部の患者さんが個人輸入するという形に
なっていた時期があります。
2008年ごろようやく日本でもサリドマイドの誘導体のレナリドミドなどが認可され
レナリドミドは多発性骨髄腫と一部の骨髄異形成症候群に対して厳重な管理のもとに
処方されるようになりました(処方のための特別な承認プロセスが作られてます)。
この例ように既存の薬剤では思うような効果がえられない病気の患者さんはネットなどで海外の
最新の知見を調べ、日本で未認可の薬を個人輸入して使うということが実際にあります。
こうした病気の患者さんたちは、いわば藁をも掴む思い出海外から薬を輸入しているわけで
それを禁止してしまうというのもどうかと思いますね。
問題の背景には日本では薬の認可が遅いということがあるのですが、一方で難病に対して
迅速な認可プロセスをという声に対応し素早く認可されたイレッサでは、副作用が問題視され
薬害だという声も出ました。
行政としては事が起きた時に責任を取らされるのは嫌だということもあるので、イレッサのような
例からも認可プロセスを早めようということには及び腰にならざるをえないでしょう。
Re: (スコア:0)
アメリカの治験をコピペして、3ヶ月で認証通したバイアグラではできたことが、
どうしてほかの薬ではできないんですかね?
勃起のプロセスだけは、日本もアメリカも違いがないと、あらかじめわかっていたとでも?
Re:外国では薬のインターネット販売で死人が出ている。省令ではなく法制定して禁止すべき (スコア:1)
#反論ではなく、あくまで知識の補強として
いったん、バイアグラのことは棚にあげて。
まず、「他国での治験結果を使って承認」というプロセス自体は他の薬でも可能です。
ただしその作用から悪影響がないことはある程度説明できなきゃいけない……のは言うまでもありませんね。
例えばよく知られた化合物が元となっている場合、細かいことをスッ飛ばせるケースはあります。
そういう薬理学的あるいは医学的なものとは別に、行政判断も重要です。
迅速に認可を与えることで病気の蔓延やニセ薬の横行を防ぐ意味がある場合、順番待ちを飛ばして認可を与える必要があるのはご理解できるでしょう。
世界的流行の感染症があり、海外に特効薬がある、という場合に悠長に何年も治験を繰り返してるわけにはいきませんし。
あるいは国内未承認薬の個人輸入だのコピー品だのと称して悪徳業者が粗悪品を流す、なんてことをされては規制が本末転倒ですよね。
ですから「他の薬でもチョー迅速に認可を得られるケース」はあります。
予測される安全性と緊急性次第です。
それはそれとして、バイアグラに対するその判断が妥当であったかというのは私の知るところではありませんので、コメントは控えます。