アカウント名:
パスワード:
クラウドストレージへのアップロードは現行法では送信可能化権の侵害とされる可能性が高い(MYUTA事件、録画ネット事件など)ので、著作権のある番組をこの機能でアップロードするとユーザーが著作権侵害したという扱いにされる気がしますが……。
ざっと説明見る限り、違法な使い方ができないようなガードはいっさいかかってないみたいなので、その辺はオウンリスクで違法にならないよう管理しろってことですかね。テレビ番組を対象にする限り、何をどうやっても違法行為になると思いますが。例外は政見放送くらいかな。
>クラウドストレージへのアップロードは現行法では送信可能化権の侵害とされる可能性が高い
いいえ、一般的な非共有のクラウドストレージへのアップロードは現行法では送信可能化権や複製権の侵害には当たりません。理由は既に#3054427 [srad.jp]のACさんがおっしゃっていますが、Amazon Cloud Driveなどのクラウドストレージへのアップロード行為の主体はユーザーであるからです。非共有でユーザーが使用する限り私的複製(著作権法30条)に該当し、複製権の侵害に当たりません。また、複製行為の主体がユーザーですから、送信可能化行為の主体もユーザーです。そしてユーザーは自分自身に対してしか送信しませんから、公衆送信を前提とする送信可能化権の侵害には当たらないのです。
なお、MYUTA事件(判決文 [courts.go.jp])のMYUTAサービスはMYUTA業者の「提供する本件ユーザソフトをパソコンにインストールし,これを用いて楽曲の音源データを携帯電話で利用できるファイル形式に変換して本件サーバにアップロードし,これを携帯電話にダウンロード」させるサービスで、単なるクラウドストレージではありませんでした。このサービスにおいて、MYUTA業者所有のサーバへのアップロードはMYUTA業者の管理・支配下で行われるので、複製行為の主体はユーザーではなく業者であると判断されました。そのため、私的複製には該当せず、複製権の侵害に当たるとされました。また、自動公衆送信行為の主体も業者とみなされ、あるユーザーからアップロードされたデータはそのユーザーへしか送信しなくとも不特定の人々と契約してサービスを提供している以上、公衆送信の公衆(特定多数または不特定)条件を満たすので自動公衆送信権の侵害に当たるとされました。MYUTA事件はかなり特殊な条件下での話なので、一般的なクラウドストレージに当てはまる話ではありません。
なお、録画ネット事件も主要な機器を業者が所有・管理しておりソフトも業者が制作していたことから業者が複製主体であり、著作権侵害であると裁判所は判断しました。一方で、まねきTV事件は機器をユーザーが名実ともに所有する形態であったため、行為の主体はユーザーであるとし、著作権侵害はないと判決されました。
クラウドサービスと著作権の関係については文化庁の文化審議会著作権分科会が2015年3月に「クラウドサービス等と著作権に関する報告書 [bunka.go.jp]」を出しています。長いので概要 [bunka.go.jp]の方が分かりやすいかもしれません。クラウドストレージはこの中のユーザーアップロード型&プライベート型のロッカー型クラウドサービスに分類され、「基本的に利用行為主体は利用者であり、その場合には当該サービスで行われる著作物の複製は私的使用目的の範囲内であり、権利者の許諾は不要であるとの意見で一致した」との検討結果が出ています。ただし、注意書きで「著作権法上、複製の主体は一律に定められるものではなく、複製の対象、複製の方法、複製の関与の程度といった様々な事情をもとに司法において判断される」と記されているように、MYUTA事件のように利用行為主体が業者なので著作権侵害とみなされるケースもあります。
ソフトウェア「foltia ANIME LOCKER」を使ってもAmazon Cloud Driveにアップロードを行なう主体はユーザーですから、私的複製に当たりますので合法です。自炊代行は複製行為の主体が業者なので違法だが、自炊に必要な機器の販売・購入は複製行為の主体がユーザーなので合法と言うのと同じロジックです。
MYUTAのようながっちがちに個人認証のかかった環境ですら送信可能化権侵害が成立すると言うことは、私的利用みたいな例外規定のない送信可能化権侵害はおおよそ全てのクラウドストレージで成立しますよね。
実際問題として、パスワードを設定した程度では公衆送信からは外れないと扱われるようだし、クラウドロッカーでは海賊版販売が行われていますので、「実際にダウンロー したユーザーが存在しなくても、可能な状態にしたらアウト」と言う理不尽な条件で成立する送信可能化権にはやっぱり引っかかってしまうのではないですかね。
>MYUTAのようながっちがちに個人認証のかかった環境ですら送信可能化権侵害が成立すると言うことは、
がっちがちに個人認証のかかった環境かどうかは、送信可能化権侵害の判断にほとんど影響しません。MYUTA事件の争点は判決文にあるように行為主体は誰かということです。
3 争点 (2) 公衆送信権侵害の有無 イ 送信可能化権 本件サーバにおける3G2ファイルの蔵置について,送信可能化行為がされたといえるか 送信可能化行為であるとして,その行為主体が誰か
>私的利用みたいな例外規定のない送信可能化権侵害はおおよそ全てのクラウドストレージで成立しますよね。
いいえ、一般的なクラウドストレージの行為主体はユーザーであり、ユーザーは自分自身にしか送信しないため、「公衆送信」に該当しないので送信可能化権侵害は成立しません。しかし、MYUTA事件や録画ネット事件では管理実態から行為主体がユーザーではなく、業者であると判断されました。そして、送信主体の業者から見れば個人認証がどんなにがっちがちでもユーザーは不特定な相手ですから(サービスを申し込んで来た不特定の相手と契約を結んでいるから)、公衆送信に該当し、送信可能化権侵害が成立しました。録画ネット事件の当事者も『争点は「誰が録画しているのか?」です [6ga.net]』と言っています。
>実際問題として、パスワードを設定した程度では公衆送信からは外れないと扱われるようだし
パスワードの設定の有無も公衆送信の侵害の判断に直接は影響しません。おそらく送信可能化権を誤解されているのだと思います。
>「実際にダウンロー したユーザーが存在しなくても、可能な状態にしたらアウト」と言う理不尽な条件
公衆という重要な条件が抜けています。ユーザーが自分自身に送信可能な状態にするだけなら公衆送信に該当しないのでセーフです。司法は、形式的にはユーザーが行為主体であるかのように見えても、実態を検討して実質は業者が行為主体であると言えるなら、業者の行為の相手方は公衆(不特定の契約者)ということで送信可能化権の侵害に当たると判断します。この判断の仕方については「判例研究:自動公衆送信の判断の枠組み(孫友容) [hokudai.ac.jp]」が分かりやすいかもしれません。
>ユーザーが自分自身に送信可能な状態にするだけなら公衆送信に該当しないのでセーフです。一般的なユーザーIDとパスワードを使った認証は、パスワードを他人に教えたら誰でもダウンロードできる状態になりますが?
本当に自分だけしかアクセスできない認証機構なんて現時点の技術力では実現不可能なので机上の空論ですね。
そういうレスを書くということは、こちらが提示した資料は読んで頂けなかったようですね。
>一般的なユーザーIDとパスワードを使った認証は、パスワードを他人に教えたら誰でもダウンロードできる状態になりますが?
えぇ、その場合は「IDとパスワードを他人に教える行為」が公衆送信が可能な状態(ダウンロードできる状態)を作り出したことになりますから送信可能化権の侵害となり、「IDとパスワードを他人に教える行為」をした人が送信可能化権の侵害者と判断されます。ユーザーIDとパスワードを使ったゆるい認証機構のせいで送信可能化権の侵害になるのではなく、「IDとパスワードを他人に教える行為」が送信可能化権の侵害となるのです。ですから、「IDとパスワードを他人に教える行為」をしたのがユーザーでなければ、そのユーザーはセーフです。「IDとパスワードを他人に教える行為」をしたのがサービス提供業者でなければ、その業者もセーフです。第三者がこの認証機構をクラックしてIDとパスワードと盗み出して2chにでも書き込めば「IDとパスワードを他人に教える行為」をしたことになるので、このクラッカーが送信可能化権の侵害者になります。
>本当に自分だけしかアクセスできない認証機構なんて現時点の技術力では実現不可能なので机上の空論ですね。
上述のようにクラウドストレージ業者やそのユーザーが送信可能化権の侵害を回避するためには「本当に自分だけしかアクセスできない認証機構」なんて不要です。現時点の技術力で標準的な(あるいは最低限の)認証機構で十分なのです。
いや、その資料まねきTVの判例だけをもとにしたやつでしょ……。ロケフリは機器ベースで認証するから1対1と見なすことができるけど、それは個人認証じゃない方法で配信先を絞ってるだけで、一般的なクラウドストレージに適用できるわけがないよね。
パスワードを教えなければってのも、ユーザーから見れば当然の感覚だろうけれど、その理屈だと相応の管理責任が問われることになると思うよ。過失で公開しちゃった場合でも情状酌量されるだけで侵害なことには違いないし。
返信遅れて済みません。
>いや、その資料まねきTVの判例だけをもとにしたやつでしょ……。
いえ、違います。その資料 [hokudai.ac.jp]に実際に目を通せば分かりますが、MYUTA事件などにもきちんと言及してあります。具体的には『CD等の楽曲を携帯電話で聴くことができるようにする1対1のインターネット上のストレージ・サービスが問題となった「MYUTA」事件において、裁判所は、当該サービスの中心的役割を果たすサーバを所有・支配・設置・管理していることやユーザーソフトを提供していること等に着目し、サービス利用者による複製行為と、自動公衆送信行為がサービス提供者の管理の下で行われていると評価できることを理由に、サービス提供者が複製行為と自動公衆送信行為の主体であると認定した。』などの記述があります。
>ロケフリは機器ベースで認証するから1対1と見なすことができるけど、それは個人認証じゃない方法で配信先を絞ってるだけで、一般的なクラウドストレージに適用できるわけがないよね。
上記で示したように裁判所は「自動公衆送信装置」が1対1と見せるかどうかとか個人認証がどうだとか配信先が絞られているかはほとんど重視していません。ロケフリは1対1的な送信しかできませんが、それでも最高裁は「自動公衆送信装置」に該当すると判断し、違法だとされました。その判断のロジックについてはその資料で『第一に、本件装置が自動公衆送信装置であるか否かを判断する前に、まず「自動送信装置」を利用して、送信を行う主体を判断する必要がある。第二に、送信の主体にとって、受信者が公衆であるか否かを判断する、というのである。要するに、自動公衆送信行為を判断するには、予め「自動公衆送信装置」の該当性を判断するのではなく、「自動送信装置」であることが明らかであれば、装置自体の機能にかかわらず、送信主体の判断段階に入るべきである』と説明されています。結局、装置の認証がどうのこうのとは無関係に、送信行為の主体が実質として業者であればその送信相手であるサービス利用者は公衆なのだから違法ということです。
これら事件の裁判所の判断に基づいて#3054790 [srad.jp]で示した文化庁の文化審議会著作権分科会が検討した結果が、一般的なクラウドストレージであれば送信主体は業者ではなくサービス利用者であり、その送信相手は利用者自身であって公衆ではないから合法という見解です。そしてこれが通説であると私は認識しています。
>パスワードを教えなければってのも、ユーザーから見れば当然の感覚だろうけれど、その理屈だと相応の管理責任が問われることになると思うよ。>過失で公開しちゃった場合でも情状酌量されるだけで侵害なことには違いないし。
著作権法で刑事罰が科せられるのは故意犯のみです。過失では情状酌量以前にそもそも著作権法上の犯罪になりえません。過失で著作権者に損害を与えた場合はもちろん相応の賠償責任(民法709条)が過失者に生じますが、それは当たり前ではないでしょうか。
民法第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
以上から、MYUTA事件や録画ネット事件などを引き合いにして、一般的なクラウドストレージまで著作権法違反だと主張するのは不合理です。
まねきTVも最高裁で逆転敗訴 [yro.srad.jp]したはずだが。裁判なんて判決がすべてで理屈は(本当に)後付なんだから、考えるだけ無駄だよ。
>まねきTVも最高裁で逆転敗訴したはずだが。
情報ありがとうございます。最高裁で差し戻されていたんですね。恥ずかしながら把握しておりませんでした。すみません。最高裁の判決文 [courts.go.jp]を確認したところ、原審(知財高裁)では送信行為の主体が装置の所有者であるユーザーであると判断されたのに対し、最高裁は装置の所有者よりも装置の管理の実態を重視して送信行為の主体は業者であると判断しておりました。そのため業者が送信可能化権及び公衆送信権を侵害しているとの結論になっていました。やはり、著作権侵害か否かについて考えるときは行為の主体が誰かということが重要ということですね。
これらの判例を考慮してもストーリーの件については、foltia ANIME LOCKERを使ってユーザーがAmazon Cloud Driveにアップロードする行為の主体はソフト販売業者ではなくAmazonでもなくユーザーであると判断されるように思います。
>裁判なんて判決がすべてで理屈は(本当に)後付なんだから、考えるだけ無駄だよ。
まぁ、それでも、判決から理屈を読み取って、今後の裁判結果を予見してみるしかないですから…
それはJASRACが一方的に主張してるだけでしょ、何を今更w
と思ったらMYUTA事件は知らなかった
音楽ストレージサービス「MYUTA」に著作権侵害の判決 http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070528/jasrac.htm [impress.co.jp]
これはいけない。確かに違法と判断するしかない。しかもこれって7000円の有料ソフトなのかちょっとこれは取り下げないと本気で怒られるんじゃないか
この判決を考えるとGoogleplay music上に音楽をアップロードする事もアウトになるのか
基本的にはアウトなので、グーグルなどはちゃんと権利処理をしてあるはずですよ
ばれなきゃ犯罪じゃないんですよ
アップロードする個人に関しては「バレなければオッケー」だと思うが、アップロードする機能を実装して提供した側については、違法アップロードの幇助とかなんとかでケーサツが頑張るんじゃね。
MYUTA事件の論点は複製を行ったのがユーザーか、原告(業者)か、ということのように思えました。複製をユーザーが行ったとなった時点で私的複製で、それに許諾は必要ないというのは否定されてないです。業者の主張は複製自体はユーザーが行っているからOKというものだったのが、判決では複製を実質的に業者が行っているから許諾が必要と認定されています。
オウンリスクで違法にならないようにというのは、どんなものでも当たり前の話なので、大丈夫でしょう。
すいません、このコメントは「クラウドストレージへのアップロードは現行法では送信可能化権の侵害とされる可能性が高い」について書いたもので、このソフトのことは知りません…
要するに、どう転んでもユーザーは責任ないんじゃないでしょうか。つまり、ユーザーがやったなら許諾不要、ソフトが悪いならソフト開発元の責任。共有しないかぎり。
え?
著作権侵害のほう助
じゃなくて?
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
開いた括弧は必ず閉じる -- あるプログラマー
現行法では著作権侵害ですな (スコア:1)
クラウドストレージへのアップロードは現行法では送信可能化権の侵害とされる可能性が高い(MYUTA事件、録画ネット事件など)ので、著作権のある番組をこの機能でアップロードするとユーザーが著作権侵害したという扱いにされる気がしますが……。
ざっと説明見る限り、違法な使い方ができないようなガードはいっさいかかってないみたいなので、その辺はオウンリスクで違法にならないよう管理しろってことですかね。
テレビ番組を対象にする限り、何をどうやっても違法行為になると思いますが。例外は政見放送くらいかな。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
現行法では一般的なクラウドストレージは合法 (スコア:3)
>クラウドストレージへのアップロードは現行法では送信可能化権の侵害とされる可能性が高い
いいえ、一般的な非共有のクラウドストレージへのアップロードは現行法では送信可能化権や複製権の侵害には当たりません。
理由は既に#3054427 [srad.jp]のACさんがおっしゃっていますが、Amazon Cloud Driveなどのクラウドストレージへのアップロード行為の主体はユーザーであるからです。非共有でユーザーが使用する限り私的複製(著作権法30条)に該当し、複製権の侵害に当たりません。
また、複製行為の主体がユーザーですから、送信可能化行為の主体もユーザーです。
そしてユーザーは自分自身に対してしか送信しませんから、公衆送信を前提とする送信可能化権の侵害には当たらないのです。
なお、MYUTA事件(判決文 [courts.go.jp])のMYUTAサービスはMYUTA業者の「提供する本件ユーザソフトをパソコンにインストールし,これを用いて楽曲の音源データを携帯電話で利用できるファイル形式に変換して本件サーバにアップロードし,これを携帯電話にダウンロード」させるサービスで、単なるクラウドストレージではありませんでした。
このサービスにおいて、MYUTA業者所有のサーバへのアップロードはMYUTA業者の管理・支配下で行われるので、複製行為の主体はユーザーではなく業者であると判断されました。
そのため、私的複製には該当せず、複製権の侵害に当たるとされました。
また、自動公衆送信行為の主体も業者とみなされ、あるユーザーからアップロードされたデータはそのユーザーへしか送信しなくとも不特定の人々と契約してサービスを提供している以上、公衆送信の公衆(特定多数または不特定)条件を満たすので自動公衆送信権の侵害に当たるとされました。
MYUTA事件はかなり特殊な条件下での話なので、一般的なクラウドストレージに当てはまる話ではありません。
なお、録画ネット事件も主要な機器を業者が所有・管理しておりソフトも業者が制作していたことから業者が複製主体であり、著作権侵害であると裁判所は判断しました。
一方で、まねきTV事件は機器をユーザーが名実ともに所有する形態であったため、行為の主体はユーザーであるとし、著作権侵害はないと判決されました。
クラウドサービスと著作権の関係については文化庁の文化審議会著作権分科会が2015年3月に「クラウドサービス等と著作権に関する報告書 [bunka.go.jp]」を出しています。長いので概要 [bunka.go.jp]の方が分かりやすいかもしれません。
クラウドストレージはこの中のユーザーアップロード型&プライベート型のロッカー型クラウドサービスに分類され、「基本的に利用行為主体は利用者であり、その場合には当該サービスで行われる著作物の複製は私的使用目的の範囲内であり、権利者の許諾は不要であるとの意見で一致した」との検討結果が出ています。
ただし、注意書きで「著作権法上、複製の主体は一律に定められるものではなく、複製の対象、複製の方法、複製の関与の程度といった様々な事情をもとに司法において判断される」と記されているように、MYUTA事件のように利用行為主体が業者なので著作権侵害とみなされるケースもあります。
ソフトウェア「foltia ANIME LOCKER」を使ってもAmazon Cloud Driveにアップロードを行なう主体はユーザーですから、私的複製に当たりますので合法です。
自炊代行は複製行為の主体が業者なので違法だが、自炊に必要な機器の販売・購入は複製行為の主体がユーザーなので合法と言うのと同じロジックです。
Re:現行法では一般的なクラウドストレージは合法 (スコア:1)
MYUTAのようながっちがちに個人認証のかかった環境ですら送信可能化権侵害が成立すると言うことは、私的利用みたいな例外規定のない送信可能化権侵害はおおよそ全てのクラウドストレージで成立しますよね。
実際問題として、パスワードを設定した程度では公衆送信からは外れないと扱われるようだし、クラウドロッカーでは海賊版販売が行われていますので、「実際にダウンロー したユーザーが存在しなくても、可能な状態にしたらアウト」と言う理不尽な条件で成立する送信可能化権にはやっぱり引っかかってしまうのではないですかね。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:現行法では一般的なクラウドストレージは合法 (スコア:2)
>MYUTAのようながっちがちに個人認証のかかった環境ですら送信可能化権侵害が成立すると言うことは、
がっちがちに個人認証のかかった環境かどうかは、送信可能化権侵害の判断にほとんど影響しません。
MYUTA事件の争点は判決文にあるように行為主体は誰かということです。
>私的利用みたいな例外規定のない送信可能化権侵害はおおよそ全てのクラウドストレージで成立しますよね。
いいえ、一般的なクラウドストレージの行為主体はユーザーであり、ユーザーは自分自身にしか送信しないため、「公衆送信」に該当しないので送信可能化権侵害は成立しません。
しかし、MYUTA事件や録画ネット事件では管理実態から行為主体がユーザーではなく、業者であると判断されました。
そして、送信主体の業者から見れば個人認証がどんなにがっちがちでもユーザーは不特定な相手ですから(サービスを申し込んで来た不特定の相手と契約を結んでいるから)、公衆送信に該当し、送信可能化権侵害が成立しました。
録画ネット事件の当事者も『争点は「誰が録画しているのか?」です [6ga.net]』と言っています。
>実際問題として、パスワードを設定した程度では公衆送信からは外れないと扱われるようだし
パスワードの設定の有無も公衆送信の侵害の判断に直接は影響しません。
おそらく送信可能化権を誤解されているのだと思います。
>「実際にダウンロー したユーザーが存在しなくても、可能な状態にしたらアウト」と言う理不尽な条件
公衆という重要な条件が抜けています。
ユーザーが自分自身に送信可能な状態にするだけなら公衆送信に該当しないのでセーフです。
司法は、形式的にはユーザーが行為主体であるかのように見えても、実態を検討して実質は業者が行為主体であると言えるなら、業者の行為の相手方は公衆(不特定の契約者)ということで送信可能化権の侵害に当たると判断します。
この判断の仕方については「判例研究:自動公衆送信の判断の枠組み(孫友容) [hokudai.ac.jp]」が分かりやすいかもしれません。
Re:現行法では一般的なクラウドストレージは合法 (スコア:1)
>ユーザーが自分自身に送信可能な状態にするだけなら公衆送信に該当しないのでセーフです。
一般的なユーザーIDとパスワードを使った認証は、パスワードを他人に教えたら誰でもダウンロードできる状態になりますが?
本当に自分だけしかアクセスできない認証機構なんて現時点の技術力では実現不可能なので机上の空論ですね。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
送信可能化権の侵害となる行為 (スコア:2)
そういうレスを書くということは、こちらが提示した資料は読んで頂けなかったようですね。
>一般的なユーザーIDとパスワードを使った認証は、パスワードを他人に教えたら誰でもダウンロードできる状態になりますが?
えぇ、その場合は「IDとパスワードを他人に教える行為」が公衆送信が可能な状態(ダウンロードできる状態)を作り出したことになりますから送信可能化権の侵害となり、「IDとパスワードを他人に教える行為」をした人が送信可能化権の侵害者と判断されます。
ユーザーIDとパスワードを使ったゆるい認証機構のせいで送信可能化権の侵害になるのではなく、「IDとパスワードを他人に教える行為」が送信可能化権の侵害となるのです。
ですから、「IDとパスワードを他人に教える行為」をしたのがユーザーでなければ、そのユーザーはセーフです。「IDとパスワードを他人に教える行為」をしたのがサービス提供業者でなければ、その業者もセーフです。第三者がこの認証機構をクラックしてIDとパスワードと盗み出して2chにでも書き込めば「IDとパスワードを他人に教える行為」をしたことになるので、このクラッカーが送信可能化権の侵害者になります。
>本当に自分だけしかアクセスできない認証機構なんて現時点の技術力では実現不可能なので机上の空論ですね。
上述のようにクラウドストレージ業者やそのユーザーが送信可能化権の侵害を回避するためには「本当に自分だけしかアクセスできない認証機構」なんて不要です。
現時点の技術力で標準的な(あるいは最低限の)認証機構で十分なのです。
Re:送信可能化権の侵害となる行為 (スコア:1)
いや、その資料まねきTVの判例だけをもとにしたやつでしょ……。
ロケフリは機器ベースで認証するから1対1と見なすことができるけど、それは個人認証じゃない方法で配信先を絞ってるだけで、一般的なクラウドストレージに適用できるわけがないよね。
パスワードを教えなければってのも、ユーザーから見れば当然の感覚だろうけれど、その理屈だと相応の管理責任が問われることになると思うよ。
過失で公開しちゃった場合でも情状酌量されるだけで侵害なことには違いないし。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:送信可能化権の侵害となる行為 (スコア:2)
返信遅れて済みません。
>いや、その資料まねきTVの判例だけをもとにしたやつでしょ……。
いえ、違います。その資料 [hokudai.ac.jp]に実際に目を通せば分かりますが、MYUTA事件などにもきちんと言及してあります。
具体的には『CD等の楽曲を携帯電話で聴くことができるようにする1対1のインターネット上のストレージ・サービスが問題となった「MYUTA」事件において、裁判所は、当該サービスの中心的役割を果たすサーバを所有・支配・設置・管理していることやユーザーソフトを提供していること等に着目し、サービス利用者による複製行為と、自動公衆送信行為がサービス提供者の管理の下で行われていると評価できることを理由に、サービス提供者が複製行為と自動公衆送信行為の主体であると認定した。』などの記述があります。
>ロケフリは機器ベースで認証するから1対1と見なすことができるけど、それは個人認証じゃない方法で配信先を絞ってるだけで、一般的なクラウドストレージに適用できるわけがないよね。
上記で示したように裁判所は「自動公衆送信装置」が1対1と見せるかどうかとか個人認証がどうだとか配信先が絞られているかはほとんど重視していません。
ロケフリは1対1的な送信しかできませんが、それでも最高裁は「自動公衆送信装置」に該当すると判断し、違法だとされました。
その判断のロジックについてはその資料で『第一に、本件装置が自動公衆送信装置であるか否かを判断する前に、まず「自動送信装置」を利用して、送信を行う主体を判断する必要がある。第二に、送信の主体にとって、受信者が公衆であるか否かを判断する、というのである。要するに、自動公衆送信行為を判断するには、予め「自動公衆送信装置」の該当性を判断するのではなく、「自動送信装置」であることが明らかであれば、装置自体の機能にかかわらず、送信主体の判断段階に入るべきである』と説明されています。
結局、装置の認証がどうのこうのとは無関係に、送信行為の主体が実質として業者であればその送信相手であるサービス利用者は公衆なのだから違法ということです。
これら事件の裁判所の判断に基づいて#3054790 [srad.jp]で示した文化庁の文化審議会著作権分科会が検討した結果が、一般的なクラウドストレージであれば送信主体は業者ではなくサービス利用者であり、その送信相手は利用者自身であって公衆ではないから合法という見解です。そしてこれが通説であると私は認識しています。
>パスワードを教えなければってのも、ユーザーから見れば当然の感覚だろうけれど、その理屈だと相応の管理責任が問われることになると思うよ。
>過失で公開しちゃった場合でも情状酌量されるだけで侵害なことには違いないし。
著作権法で刑事罰が科せられるのは故意犯のみです。
過失では情状酌量以前にそもそも著作権法上の犯罪になりえません。
過失で著作権者に損害を与えた場合はもちろん相応の賠償責任(民法709条)が過失者に生じますが、それは当たり前ではないでしょうか。
以上から、MYUTA事件や録画ネット事件などを引き合いにして、一般的なクラウドストレージまで著作権法違反だと主張するのは不合理です。
Re: (スコア:0)
まねきTVも最高裁で逆転敗訴 [yro.srad.jp]したはずだが。
裁判なんて判決がすべてで理屈は(本当に)後付なんだから、考えるだけ無駄だよ。
行為の主体の判断 (スコア:2)
>まねきTVも最高裁で逆転敗訴したはずだが。
情報ありがとうございます。最高裁で差し戻されていたんですね。
恥ずかしながら把握しておりませんでした。すみません。
最高裁の判決文 [courts.go.jp]を確認したところ、原審(知財高裁)では送信行為の主体が装置の所有者であるユーザーであると判断されたのに対し、最高裁は装置の所有者よりも装置の管理の実態を重視して送信行為の主体は業者であると判断しておりました。
そのため業者が送信可能化権及び公衆送信権を侵害しているとの結論になっていました。
やはり、著作権侵害か否かについて考えるときは行為の主体が誰かということが重要ということですね。
これらの判例を考慮してもストーリーの件については、foltia ANIME LOCKERを使ってユーザーがAmazon Cloud Driveにアップロードする行為の主体はソフト販売業者ではなくAmazonでもなくユーザーであると判断されるように思います。
>裁判なんて判決がすべてで理屈は(本当に)後付なんだから、考えるだけ無駄だよ。
まぁ、それでも、判決から理屈を読み取って、今後の裁判結果を予見してみるしかないですから…
Re: (スコア:0)
それはJASRACが一方的に主張してるだけでしょ、何を今更w
と思ったらMYUTA事件は知らなかった
音楽ストレージサービス「MYUTA」に著作権侵害の判決 http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070528/jasrac.htm [impress.co.jp]
これはいけない。確かに違法と判断するしかない。
しかもこれって7000円の有料ソフトなのか
ちょっとこれは取り下げないと本気で怒られるんじゃないか
Re: (スコア:0)
この判決を考えるとGoogleplay music上に音楽をアップロードする事もアウトになるのか
Re: (スコア:0)
基本的にはアウトなので、グーグルなどはちゃんと権利処理をしてあるはずですよ
Re: (スコア:0)
ばれなきゃ犯罪じゃないんですよ
Re: (スコア:0)
アップロードする個人に関しては「バレなければオッケー」だと思うが、
アップロードする機能を実装して提供した側については、違法アップロードの幇助とか
なんとかでケーサツが頑張るんじゃね。
Re: (スコア:0)
MYUTA事件の論点は複製を行ったのがユーザーか、原告(業者)か、
ということのように思えました。
複製をユーザーが行ったとなった時点で私的複製で、それに許諾は
必要ないというのは否定されてないです。業者の主張は複製自体は
ユーザーが行っているからOKというものだったのが、判決では複製
を実質的に業者が行っているから許諾が必要と認定されています。
オウンリスクで違法にならないようにというのは、どんなものでも
当たり前の話なので、大丈夫でしょう。
Re: (スコア:0)
すいません、このコメントは「クラウドストレージへのアップロードは現行法では
送信可能化権の侵害とされる可能性が高い」について書いたもので、
このソフトのことは知りません…
要するに、どう転んでもユーザーは責任ないんじゃないでしょうか。
つまり、ユーザーがやったなら許諾不要、ソフトが悪いならソフト開発元の責任。
共有しないかぎり。
Re: (スコア:0)
え?
著作権侵害のほう助
じゃなくて?