taraiok曰く、
多くの欧米人は、中国の社会信用制度について不安を感じている。しかし、こうしたシステムは中国固有のものではない。米国でもテクノロジー大手のユーザーポリシーや民間企業によるソーシャルメディア活動の監視によって、同様のシステムが構築されつつあるそうだ(FastCompany、Slashdot)。
その例の1つが保険会社だ。ニューヨーク州財務局は今年、生命保険会社がソーシャルメディアへの投稿に基づいて保険料の内容を決めることを許可すると発表した。たとえば、片手にマティーニ、もう片方にチーズフライのバケツを持ち、タバコを吸ったInstagramの写真を投稿していれば保険料は跳ね上がる。Facebookにヨガをしていることを投稿すれば、保険料は下がるかもしれない。
別の例としては、「PatronScan」がある。これは、バーやレストランのオーナーに向けた顧客管理システムを販売している企業の名前だ。同社は過去にケンカや性的暴行、麻薬、盗難、そのほか悪行を起こした人物を識別するためのブラックリストを提供しており、このシステムを採用している米国のバーでトラブルを起こしたことのある人物は、同じく同システムを採用した米国、英国、カナダのバーで最大1年間出入り禁止になる可能性がある。
ほかにも、民泊会社で知られるAirbnbは、600万件を超えるブラックリストを持つと明言している。また、Uberでも同様のシステムがある。同社のアプリはドライバーを評価するシステムを持つことで知られているが、ドライバーも同様に乗客を評価するシステムを持つ。5月に発表された新しいポリシーでは、平均を大幅に下回る場合、Uberのサービスを利用することはできなくなる。
FacebookのチャットアプリWhatsAppにも同様の規定がある。あまりにも多くの他のユーザーがあなたをブロックしている場合、WhatsAppの利用を禁止できる。WhatsAppは米国や日本ではメジャーではないが、一部の国ではWhatsAppの使用が許可されないことは、電話が使えないのと同じくらいの罰となる。
米国における社会的信用システムの不穏な要素は、企業が恣意的に運用できる点だ。特定のサービス分野で支配的な立場にある企業から拒否された場合、ユーザーは代替サービスに逃げられない点も問題を複雑にしている。