パスワードを忘れた? アカウント作成
11114 story
インターネット

インターネットの未来は誰に託す? 159

ストーリー by yoosee
より公平なのは誰なのか 部門より

戸高芳広曰く、"11月16日から18日にチュニジアで開かれる世界情報社会サミット(WSIS)を控えて、IPアドレス管理やドメイン管理等を行っている、現在は米国が主導して運営している組織 ICANN に対して、中国をはじめとした発展途上国が批判を強めている。これら国々と国連は、ICANNが行っている業務を国連の管理下に移したいと考えているようだ。

また今まで米国と共にICANNでの運営を支持してきたEUは、一転ICANNの役割を置き換える国際フォーラムの提案を行い、途上国側と歩調をあわせている。ICANNに対する批判は昔からあるが、いくつかの国々でタブー視されているポルノ専用トップドメイン「xxx」を作成しようとしたり、最終段階で米国商務省が介入してこのドメインをストップさせたのがこの批判の勢いを強めているようだ。

米国では国連への移管は、官僚的な組織が技術的進歩についていけない可能性、参加各国の圧力による検閲の可能性、ポストが能力ではなく政治力で決まっていく可能性を懸念して反対している人達が多く、 それら改革案には断固反対するという論調が多い。

この政治的対立が引き金になってインターネットのrootが分割されてしまうのではないかという懸念を持つ人もいるようだが、 スラドJの人々はインターネットはどのように運営されていくべきだと考えているのでしょうか。またこれら改革案に対してはどう思われますか。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 何も変わらない… (スコア:5, すばらしい洞察)

    by tsuya (14020) on 2005年10月28日 1時49分 (#821543) 日記

    米国にしてみれば、軒先を共有させて自由にルーティングさせることで母屋を拡大していたら、いきなり「母屋をよこせ」と迫られた、という感じでしょうか。ICANNのような団体は別に米国内で発祥しなくてもよさそうでしたが、いずれにせよ勝手な言い分であることは確かでしょう。

    今まで国連がインターネットに対して何をしてくれたというのでしょうか? インターネットは米国で発祥し、そこに参加する多数のユーザが同時にインフラを提供することによって皆で作り上げたものであり、国連がそれらユーザ以上の貢献をしたという話は寡聞にして知りません。CNETの記事等を読む限り、各国の思惑はさまざまで国連が具体的に何をしたいのか見えないし、「世界中の人々により開かれたもの」という事務総長の発言が説得力を持つほど国連は開かれているのでしょうか?

    「パックス・アメリカーナ」に対する警戒感はもっともだし、現米政権の為政がその雰囲気を強化しているのも確かでしょうが、支配者が国連になったら良い方向に変わる、という保証はない。具体的な改善策があるとも思えない。もっとも国連には主権国家に対する強制力を持っていないし、まさか各国が米国に経済制裁を加えるわけにもいかないので、当分の間は他国は何も変えられないでしょう。アメリカ人マジョリティにとっては、言わせておけ、という感じではないでしょうか。

    • Re:何も変わらない… (スコア:3, すばらしい洞察)

      by mocchino (13752) on 2005年10月28日 11時52分 (#821661)
      正直現在のインターネットは混沌としていますが、自由という意味では及第点を得られる物であると思っています。
      もし、アメリカが方針をかえてICANNを使って現在のインターネットを統制しようとしたらとか考えているのかもしれませんが、逆にこれは不可能だと思います。

      民間負担の相互接続で有る故に、使いにくくなったらユーザーは逃げ去っていくだけです
      相互接続で生き物のように広まってきたネットを国家が制御しようとしても無駄でしょう
      ベースはアメリカの作ったネットワークですが、拡大は個人や企業や各団体の利益が故起こった事でしょうから

      だいたい現行の国連じゃ、良い方向に向くとはとうてい思えないなぁ、それに代わる機関も無いからお手軽にって事なんだろうけど(苦笑)
      現状だとアメリカがインターネットを統制管理する恐れを拭いたい他国が文句を言って取り上げたいだけにしか見えませんね
      だけどもし国連に移ったとしても、その先にあるのは混沌と混乱しかないように思えます
      インターネットは国家間の利益衝突とはなるべく無縁で居たいものです
      無論無縁に居るための管理移行なら賛成しますが、国連じゃ泥沼に踏み込むようなものでしょうし...
      親コメント
  • by t_mrc-ct (5292) on 2005年10月27日 12時59分 (#821133) 日記
    URLをアドレスバーに入力してサイトを見に行く事よりも、検索サイト経由でサイトを見に行く事の方が多くなってきているし、ドメイン名は今のインターネットにおいて、そんなに重要じゃなくなってきている気がする。
    QRコードみたいに、URLの字面をほとんど意識せずにサイトにアクセス出来る方法も出てきているし、「TLDなんて何でも良いや」っていう流れになっていくんじゃないかな。
  • ドメイン名 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2005年10月27日 12時24分 (#821094)
    そもそも、ドメイン名ってアメリカ人の感覚ですよね。

    ファイル群が階層構造をとっている以上、
    jp.slashdot.www/intex.html
    jp.slashdot.ftp/image/slash.jpg
    みたいになってる方が堅牢な仕様なのに。
  • お約束 (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2005年10月27日 12時44分 (#821118)
    要約すると
    「ICANNはICANN(いかん)!国連にICANN(移管)しる!」
    ですね
    • Re:お約束 (スコア:2, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2005年10月27日 12時58分 (#821131)
      >「ICANNはICANN(いかん)!国連にICANN(移管)しる!」

      「そうはイカンざき!」
      親コメント
  • 正論 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2005年10月27日 12時26分 (#821097)
    中国がインターネット規制した時のここで多くが前提として語っていた
    「インターネットは国家の枠組みを超えたものだ」という認識で行くなら
    国連主導で正論だろうね。
    多くの国が協力する。ネットワーク自体は世界中に等しく張られる。
    国家が介入するのはそこから先、てことでよいんでないの?
    • Re:正論 (スコア:3, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2005年10月27日 22時29分 (#821449)
      タレコミでもリンクされているこの記事 [cnet.com]など曰くですけども、とてもメール一通に対して課金を考えている組織に譲渡するのが正しいとは思えません。

      電子メール課税は、国連名義で各国市民に直接かせられるのか、国として国連に徴収されるのかわかりませんが、このような媒体上を流れる電子情報に対して国連が課税する発想が現在の国連内部からでている辺り、既に将来起こりうる問題を顕著にしめしていることだと思います。

      インターネット上の技術は日進月歩と言われながらも、多くのコンテンツは、未だTCP/IPの上を通り(悪いという意味ではなく)、多くのデータはWebとして公開され、情報の直接やりとりには電子メールの技術よく利用されているのは、入手するには(接続料のみでコンテンツ入手は)無料という前提があったからだと思います。
      勿論、現在のようにICANNが米国政府から圧力をかけられたら.xxxのように、簡単に決議が変更されてしまうこともありますが、少なくともに他国へドメイン(ccTLD)を与えるということについては申請があれば米国の外交方針とは関係なく殆ど公平に行われていると思います。

      例えば、.tvを売却したツバルのような国連に加盟すらしていなかった国(地域)でも、ICANNはドメインを与えていたともとれます。
      今後国連加盟国しかccTLDが貰えないならば、現状より悪化することは目に見えており、.twなど一部の国家の主張などにより将来抹消される恐れのある事態になりかねません。

      逆に、今の管理制度からの脱却をするメリットとして、米国からの軋轢をさけたい反米国家の思惑があるだけで、移管した先では言論の自由が保障されていない国が平然と国々の代表面している組織に今後も現状の維持ができましょうか。
      余計に現状より悪化した管理になるのは、目に見えていることだと思います。
      それこそ、反中華思想国家だということで、ccTLD登録を抹消されかねられませんし、反○○サイト等のドメインを見えないようにするかもしれません。

      また既に国連は肥大化しすぎて、お金の獲得に躍起です。
      そうなれば、現在各国に無料(?)で提供しているccTLDの権限すらも、国連の新たなな財源となりかねません。
      国連へ移管になりccTLDの権限に課金をしたら、ドメインの値段等が現状より大幅アップし、ドメイン技術、果ては現在のルートDNSシステムの崩壊に繋がりかねません。
      また、国連が管理するというは、最終的にインターネットには国家の壁が無いというのも過去のものになりかねません。
      つまり、国連は国家同士の集合体なので、管理が国連名義になるということは国という枠組みを超えて動くことはできなくなるのです。

      # 新しいことの都合の良い所だけを見せられて賛成するよりも、現状維持の方がよっぽどマシ。
      親コメント
    • Re:正論 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2005年10月27日 12時53分 (#821124)
      正論ではあろうけど、時期尚早の感がします。
      インターネットの魅力はその自由度であり、その自由度は
      >「インターネットは国家の枠組みを超えたものだ」という認識
      にも現れていると思います。
      その時、「自由とはその国家の国力(軍事力)に支えられている(海江田風)」ことを考慮すると、現段階での国連による管理(?)は早いと思います。

      #インターネットに何を求めているかによって考え方も変わるでしょう
      #常設国連軍の創設を主張しているわけではないですよw
      親コメント
    • Re:正論 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2005年10月27日 13時09分 (#821140)
      > 多くの国が協力する。ネットワーク自体は世界中に等しく張られる。
      > 国家が介入するのはそこから先、てことでよいんでないの?

      国連主導で多くの国々が協力する=国家が介入する
      だと思うんですけどね。

      自分では反米左派なつもりでいたんだけど、
      国連がベストだとも思えないんだよなぁ...。
      親コメント
    • Re:正論 (スコア:1, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2005年10月27日 12時36分 (#821110)
       国際捕鯨委員会の現状(惨状?)を見ていると、国連主導...というか、国際機関による管理に対して、賛成できません。
      親コメント
      • Re:正論 (スコア:2, すばらしい洞察)

        by ken-1 (4041) on 2005年10月27日 18時52分 (#821374)
        国際捕鯨委員会が米国政府の下部組織だったとしたら、
        現状よりもっとひどいことになっていないだろうか。
        親コメント
    • by mocchino (13752) on 2005年10月27日 13時44分 (#821171)
      結局国連も国が関わる組織な訳で、枠組みは超えてないよね
      国家間のいざこざもあるし、国家間の調整をし物事を行う組織ではあるかもしれないけど、常任理事国が設定されている時点では、完全に平等では無いよね

      ネットワークに関しては、どの国も同等に扱うみたいな
      どっちかというと国連とは別の特定各国の利益に左右されない組織が理想なんだろうけど..
      まぁ難しいだろうねぇ~、
      アメリカよりは国連のがまだましって事なんだろうけど、なんかよけい各国の利益問題でもめそうだ
      親コメント
  • ICANNのポストは... (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2005年10月27日 12時39分 (#821113)
    政治で決まっているんじゃないの?

    技術試験で点数つけて上位者から採用されるわけじゃないでしょ。ポストは政治で決まっているんだよ。誰の政治かってのが変わるだけ。
  • by kkano (7357) on 2005年10月27日 14時14分 (#821194)
    こうしたインターネットによる情報格差を是正するために、UNDPでは、「bit tax」の導入を呼びかけている。これは一日100通の電子メール(1通当り10Kのデータ)を送るごとに、1セント課税するというもの。1996年のデータで換算すると、年間700億ドルの財源が確保できるという。 [impress.co.jp]

    かなり過去の話ですが、発展途上国の参加が増えるにつれ現実になるのでしょうか。
    米国が不払いを行使する一方で、日本は馬鹿正直に全額払い続ける…というどこかの国連分担金,京都議定書で見た展開になりそう。
  • 関連情報 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2005年10月27日 20時21分 (#821400)
    数ヶ月前ですが、こんなニュースもあったようです。

    米国「インターネットの支配権は渡さない」 クマー「ネット管理は民主的であるべき」
    http://news18.2ch.net/test/read.cgi/dqnplus/1122604382/ [2ch.net]
  • 絶対に託したくない人、団体の方が真っ先に浮かんでしまう…
    --

    /* Kachou Utumi
    I'm Not Rich... */
  • 硬直 (スコア:1, 参考になる)

    by k_f (18123) on 2005年10月27日 12時45分 (#821119)
    硬直化してしまうという点に関しては運営の影響もあるでしょうが、すでに現在のインターネットがハード/ソフト的なインフラの制約によって硬直化してしまっている気がします(IPv4しかり、SPAM対策しかり)。

    そういう意味では、現在のインターネットは国連管理に移してしまい、(Internet2でも何でもいいですが)新基軸をどんどん突っ込める新たなインフラを整備していくってのもアリなんじゃないかなあと。
  • ディレクトリサービスをP2P化してルートレスにしてしまえ!とか思う事がある。アドレス自体の割り振りは必要だけど。
  • by jizou (5538) on 2005年10月27日 12時55分 (#821126) 日記
    すみません、中国、発展途上国の批判の内容は、どのようなものでしょうか。
    # 情報に疎いなぁ..
    • Re:内容 (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2005年10月27日 13時20分 (#821152)
      僕も直接知る立場ではありませんが、大体以下のような主張があるようです(適当にして順不同)。

      ・インターネットが各国政府の反体制組織を利している。
      ・インターネットが南北の経済格差を拡大している。
      ・英語本位である。
      ・ルートサーバやv4アドレスブロックをみてわかるとおり、西側諸国(特に米国)主導である。
      ・不正なコンテンツの蔓延に実効性のある対策がなされていない。
      ・問題解決として、国家統制の強化を主張している(西側諸国は概ね民間主導)。

      # 逐一ソースを追ってない(国によってもスタンスは色々)ので、ツッコミどころ満載疑いなし
      親コメント
    • Re:内容 (スコア:1, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2005年10月27日 13時23分 (#821156)
      国連がインターネットを運営するのか? [cnet.com]

      ・中国:「我々はインターネットの公共政策問題は国連の主権国が協力して解決すべきだと思っている。たとえば、スパム、ネットワークセキュリティ、サイバースペースといった問題を解決するために、国連に適切な専任機関を設けるべきだ」


      #どこの国の指導者も、ネットをコントロールできたらと思うでしょうね。
      親コメント
  • by akiraani (24305) on 2005年10月27日 13時20分 (#821153) 日記
    cnetの記事には

    >各国の圧力による検閲の可能性、ポストが能力ではなく政治力で決まっていく可能性を懸念

     とありますが、そういうのをなくすために国連に移すんじゃないの? というか、どの口でそういうことを言うのかと……。

    #ひょっとして、冗談で言ってるのか?(クロ高AA略)

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
  • by Anonymous Coward on 2005年10月27日 13時45分 (#821172)
    が管理するならどこでも良いよ。
typodupeerror

目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

読み込み中...