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Google

情報処理学会会長声明、Google ブック検索を強引な手法と批判 36

ストーリー by reo
学会員の総意とかではありませんので 部門より

Anonymous Toward 曰く、

9 月 30 日付の情報処理学会プレスリリースで「Googleブック検索の提起した課題-その功罪-」と題した白鳥則郎会長声明が発表された。

声明は、「人類の知的資産である絶版の書籍を多大な労力を投入してディジタル化し、将来にわたって閲覧可能とするとともに世界に広くアクセス機会を提供しようとする Google の果敢な試みに対して敬意を表したい」としながらも、「今回の権利侵害は、前人未踏の領域でディジタル化の功を急ぐあまり計らずも犯した誤りではなく、いわばディジタル化の既成事実を積み上げ、著作権侵害という障壁を強引に突破しようとした意図的な手法だったと解さざるを得ない」と厳しく批判、「米国の法律上これが許されると仮定すれば、権利者は出版物を米国に持ち込むことを拒否することになりかねない」として、「文化の世界的な交流の促進という観点から、これは嘆かわしいこと」と懸念を示している。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by akiraani (24305) on 2009年10月02日 11時59分 (#1647518) 日記

    とりあえず、これだけははっきりさせて議論する前に切り分けた方が良い点がひとつ。
    GoogleBooksで今現在問題になっているポイントのほとんどはGoogleと米国作家協会との和解内容であって、GSV問題みたいにGoogleが勝手に言い出して押し付けたものとは性質がだいぶ違う。

    一番の問題は、その和解内容がクラスアクション+ベルヌ条約の合わせ技で明らかに和解に関与してないところにまで影響が及んでしまっていること。
    これに関しては責任者はクラスアクションを採用してその範囲を無思慮に拡大した米国作家協会と米国裁判所にあります。
    絶版書籍をGoogleが占領するみたいな話になってるのも、根っこの部分はクラスアクションの問題。

    Googleが批判されるべきなのは、とりあえずスキャンして公開しますが文句は後で受け付けます、という全般的にオプトアウトで処理しようとする点。もっと問題を具体化すると、権利手続きという作業コストを誰が支払うのかという部分に帰結します。
    この点に関しては和解の時点でもある程度考慮はされていて、出版レジストリという権利管理や調整を行う非営利法人をGoogleが3450万米ドルという巨額を投資して設立することで合意しています。簡単に言ってしまえば、書籍におけるJASRACのような組織を作りましょうということですね。

    個人的には、この出版レジストリをもっとグローバルかつパブリックな組織として発展させる方向に持っていくのがベストな解決方法なのではないかと思います。出版レジストリの運営もGoogleがやると勘違いしてる人がいるけど、少なくとも組織としては非営利法人として切り離されるわけで、Googleを直接相手にするよりは介入は容易のはず。
    というか、Googleだけに使わせるのはもったいない。出版レジストリがしっかり機能するようになれば、Googleも好き勝手ができなくなるはずです。
    まあ、そのためにはある程度出資が必要になったりするかもしれませんが……。

    --
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    • Re: (スコア:0, オフトピック)

      by Anonymous Coward

      和解内容が異常ならGoogleは自重すればいいだけのこと
      それを分かっててしないなら言い逃れする資格ないわ

      そもそもオプトアウトが駄目だっつってんのに出版レジストリもへったくれもねーんだよ
      3450万米ドル?だかなんだかしらんがその金でオプトイン方式のシステム作ればいいじゃん
      なんでやんないの?もっと金が掛かるからだろ?
      結局金儲け目当てじゃん
      聖人ヅラが気に食わないんだよ

    • by Anonymous Coward
      > GoogleBooksで今現在問題になっているポイントのほとんどはGoogleと米国作家協会との和解内容であって、
      > GSV問題みたいにGoogleが勝手に言い出して押し付けたものとは性質がだいぶ違う。

      声明文を読んでもわかるように、情報処理学会はクラスアクションの結果、国内の著作権者が勝手に和解に参加させられること、および、Googleが著作権者の同意を得ないまま勝手に書籍のデジタル化を進めたこと、いずれも問題にしています。決して「和解内容」のみを問題としているわけではありません。

      現在、米国司法省が今回の和解案を承認すべきではないと言
      • by ahirose (31873) on 2009年10月02日 17時05分 (#1647687) 日記

        情報処理学会のプレスリリースから。

         当学会では、人類の知的資産である絶版の書籍を多大な労力を投入してディジタル化し、将来にわたって閲覧可能とするとともに世界に広くアクセス機会を提供しようとするGoogleの果敢な試みに対して敬意を表したい。

        情報処理学会ではデジタル化そのものは問題にしないどころか高く評価していますよ。

        後は第1から第3の問題点として挙げているのを順に読んでいけばいいだけです。
        著作権侵害した後の和解方法の問題点を突いています。

        なお和解してしまえば著作権侵害という問題自体が解決してしまうので別個の問題と捉えるべきとも思えません。過去にそれを犯したとしても、和解すれば法的には原状回復したとみなされ、問題は消失したと捉えるべきです。そうでなければ一体何のための和解なのか。そしてその和解方法が問題だとされているのです。

        親コメント
        • もっと全体を読みましょう。
          「デジタル化という試み」というコンセプトは評価してますが、
          実際にGoogleのおこなった行為自体は批判されてますよ。

          --

          ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
          親コメント
        • by Anonymous Coward

          > なお和解してしまえば著作権侵害という問題自体が解決してしまうので別個の問題と捉えるべきとも思えません。
          > 過去にそれを犯したとしても、和解すれば法的には原状回復したとみなされ、問題は消失したと捉えるべきです。

          今回の声明は、Googleのモラルに問題があると言っているのです。法的な立場から言っているのではありません。

          > そうでなければ一体何のための和解なのか。そしてその和解方法が問題だとされているのです。

          和解方法が問題とされているのはその通りですが、それ以前の問題としてGoogleの強引な方法論を批判しているのです。

          声明の以下の段落をよ

      • 「和解が成立したことに起因する問題」についてのみ言及しているようにしか読めませんが……。

        当学会では、人類の知的資産である絶版の書籍を多大な労力を投入してディジタル化し、将来にわたって閲覧可能とするとともに世界に広くアクセス機会を提供しようとするGoogleの果敢な試みに対して敬意を表したい。これまでにも多くの国や企業が試みて実現しきれなかった膨大な蔵書を誇るディジタル図書館が眼前に広がっていることは驚異的なことである。

        しかしながら、Googleの著作権侵害に対して米国作家組合等が提起した訴訟の和解(以下「本件和解」という)は、世界中の著作権者に対し、日本ばかりでなく世界中の権利者にとって、大きな問題を孕んでいることを指摘しておきたい。

        そして、指摘している三つの問題点のうち、二つまでがクラスアクションに関する問題。もうひとつが、米国内アクセスコントロールに関する問題。

        元のコメントにも書きましたが、クラスアクションの範囲は制度上Googleのあずかり知らないところで決められることであって、Googleのとった手法とは何の関係もない。

        にもかかわらず、結論部分の主旨はGoogleに対する問題提起と要求になっている。つまり、指摘している問題と結論がほとんどリンクしていないわけです。
        だから、「いろいろごっちゃになってる」と思ったわけですが……。

        --
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        • by Anonymous Coward on 2009年10月02日 18時37分 (#1647750)

          つまり、指摘している問題と結論がほとんどリンクしていないわけです。

          そんなことありません。声明の言葉を使いながら簡単にまとめると、以下のロジックになっています。

          • Googleは、一方的に積み上げた既成事実を背景にして和解を行うという意図的手法によって、著作権侵害という障壁を強引に突破しようとした。
          • これは合意形成のプロセスを軽視したやり方であり、結果として実際に具体的問題を孕んだ和解が行われた。
          • このような手法がまかり通るようでは、情報技術への不信感をとどめることはできず、情報処理学会としては賛同しかねる。

          指摘している三つの問題点は、和解内容が孕んでいる問題点を具体的に説明するために挙げているだけであって、
          Googleに対しては合意形成のプロセスを軽視した手法自体を批判しています。

          親コメント
          • 「一方的に積み上げた既成事実」について全く説明がない。
            「合意形成のプロセス」の具体的なあるべき姿が読み取れない。

            和解内容をどこまで掘り下げてもこの二点に関する情報は得られないことくらいはわかるよね。
            結論の段にある主張は、訴訟に至る前の状況と問題点について言及しないと話がつながらない。
            むしろ、文脈上Googleの責任ではないクラスアクションの制度上の不備に言及する必要性が感じられない。

            正直、クラスアクションの範囲を決めたのが誰なのかを誤解してるようにしか見えないんだよね……。

            --
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            • by Anonymous Coward

              枝葉末節の議論にばかり目が行ってしまい、
              「まず最初に他人の権利を侵害する」という
              Googleのやり口が批判されていることに気付かないようですね。

              テクニカルな問題ではなく、モラルの問題なんです。
              人間としての良識を持って読めば理解できると思います。

              • by akiraani (24305) on 2009年10月03日 17時29分 (#1648150) 日記

                だったら最初からそういえばいいのに、と言ってるんだが。
                結論はどう見てもGoogleパッシングだし、その結論自体も否定するつもりはない。

                問題は、その結論に至るまでの論理展開が勘違いを根拠にしてるように見えること。
                へたすると、アンチGoogleの自己満足と思われてしまいかねないよ。

                10分そこいらで書きなくぐるコメントならまだしも、情報処理学会プレスリリースでこれはちょっと……。

                --
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      • by Anonymous Coward

        デジタル化そのものは問題ではないでしょう?著作権侵害というのなら、公開するか否かが問題なのであって。

        • by Anonymous Coward

          デジタル化そのものは問題ではないでしょう?著作権侵害というのなら、公開するか否かが問題なのであって。

          業として複製した段階で、複製権の侵害。

  • 英語版もあるのかと思ったんですが、トップページからは見つかりませんでした。。。 折角市場が大きい国の声明なんですから、もっと沢山の人に届くように出して発言力を強化して頂きたいものです。 (微妙にオフトピかも。モデレータ怖い)
  • エジプトのアレキサンドリアにある図書館は地中海世界で最も文書の集積が進んだ図書館だったよね。
    しかし、その蔵書の入手方法というのが凄い。 [bukkyo-u.ac.jp]

    >古代では最大、最高の図書館として建設され、世界中の資料を収集することを目標にしていたそうです。
    >どのようにして?
    >アレクサンドリアに寄港する船の積み荷や蔵書はすべて強制的に買い取られた、あるいは没収されたのです。
    >没収とまではいかないにしろ、停泊期間中に借りて資料を書写し、原本は返さず、写しの方を返す、とか・・・
    > とにかくかなり強引な方法ではあったのですが、
    >このようにして70万巻の蔵書をほこる古代世界最大の図書館はできあがったのです。

    Googleのやってることも同じだよ。ひたすら情報を収集して貯め込み、
    インデックスを付けて利用できるようにすることが至上命題って感じの会社だから。
    正直、本当に人類の文化を後世に残したいのなら、これぐらいやってもいいんじゃないかと思うんだ。
    情報収集には、関係者全員が合意していることが望ましいとは思うよ。
    でも一致してできないのなら、できる奴がやるべきだね。集めなければどんどん端から消えてしまうのだから。

    例えば特許紛争において先行技術があったことの証拠固めに使えるわけだし。
    自称歴史家が勝手に過去をねつ造できなくする方法としてもこれは大きいと思う。

  • by Anonymous Coward on 2009年10月02日 20時48分 (#1647818)

    少なくとも「何に関する議論なのか」をタレコミで明らかにして下さいよ。
    あえてミスリーディングを狙ってるんでなければ。

  • ユーザーからしてみれば、Google Booksは本当に便利。読みたくても絶版になっているものは読めるし、調べたい事柄を検索して、じっくり読むべき本は見つかるし。

    日本じゃ、批判や訴訟なんて記事ばっかりで、建設的で有意義な意見や、対抗サービスを打ち出す事もなく。
    また、ウォークマンからiPodに時代が変わったように時が流れすぎていってしまうのだろう。

    国立国会図書館の全文書電子化と、オンライン有料閲覧には期待してる。

    いずれのサービスにしろ、コンテンツの利用料金が著作者に直接明朗会計で渡されるのであれば、変な権利団体とか、ちょっとしか印税を払わない出版社とかがスキップ、淘汰され作品を実際に作る人の利益になると思うのですが。

    • by Anonymous Coward

      > コンテンツの利用料金が著作者に直接明朗会計で渡されるのであれば、

      iTunesStoreでは権利者と先に交渉した上で許諾を受けた物を配信するというオプトインの手法を取ってる。
      対して、Google Booksは先に公開した揚げ句、権利者から言ってくれれば料金を払いますよというオプトアウトの手法を取ってる。

      この一点を取っても、「コンテンツの利用料金が著作者に直接明朗会計で渡されるか」の観点においてもダメダメというしかない。

      • iTunesStoreは販売の取りまとめとiPodへのユーザーの囲い込みが目的であるのに対し、GoogleBooksは図書館の電子化、オンライン検索、閲覧を目的としたWebサービスで、著作者や遺族の数や連絡先の確認の難しさを考えればオプトアウトは合理的。

        GoogleBooksから著作者への料金支払いは複写権に対するもので、初めから電子書籍として著作物を販売したいのならAmazoneと契約すればすむ。

        「直接明朗会計」かどうかは、いわゆる権利団体や出版社に渡った金額のうち、実際の著作者にいくら渡されているか、不透明な既存の金の流れに対するものです。

        親コメント
    • by Anonymous Coward
      >読みたくても絶版になっているものは読めるし

      あなたがアメリカ人なら(アメリカ国内で)絶版(扱い)になってるものは読めますが、日本人なら読めません、という話ではなかったっけ? ベルヌ条約+クラスアクションで対象になるのは世界中の著作者であって、利用者の方ではないのだから。
      • ま、日本人であるならば、国立国会図書館の電子化と、さらなるオンラインサービスの発展に期待という事で。

        今だって、近くの図書館にリクエストすればたいていの本は借りる事はできますし、なければ、国立国会図書館に行けば閲覧できますから。

        一気にGoogleBooksによって、日本の本がただで読めちゃうなんてことは望んでません。

        Google Book Searchとして検索キーワードから、自分の得たい情報が、どのような書籍に載っているのかがわかるだけでも、これまでの書籍検索では実現できていなかったことですから、大変価値のあることでしょう。

        本筋から離れた突っ込みはともかくとして、要は、Googleが国の予算も使わずに図書館情報を電子化してくれて検索利便性のよいサービスを提供してくれるなら、大歓迎ですし、Googleのコントロールが気に食わないならMSでもAmazoenでも日本でも他国の企業、公共サービスも対抗して良いサービスを提供してくれればいいんです。

        ユーザーは使いやすいものを使って、できない事があれば、他のサービスを組み合わせればいいんだし。
        結果として、Google Book Searchがアメリカ国内でより成功し、他国でも、同等のサービスを展開せざるを得ない状況になってくれればいいと望んでます。

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年10月02日 10時37分 (#1647468)

    米国の法律上これが許されると仮定すれば、権利者は出版物を米国に持ち込むことを拒否することになりかねない

    米国内で買えない書物は勝手に絶版扱いで自由にスキャンされちゃう予定じゃなかったっけ?

    • 既に持ち込まれたものはどうしようもなく、また、
      権利者が新刊書を米国に持ち込みを拒否したとしても、
      密輸された本をスキャンされるということですね。
    • by Anonymous Coward

      スキャンする本自体を米国に持ち込ませない、ってことでしょ。
      そんなの現実的じゃないから「米国内でそんぐらい考えて行動しろや」だな。

    • by Anonymous Coward

      そのどこらへんが問題で、実際にGoogleがどんなことをしているのか、誰か具体的にかつ事実に沿って説明してくれないかな。
      いろんなサイトで言っていることが食い違っていて、どこまでが事実に沿った批判なのか、どこまでが思いこみによる批判なのかさっぱりだ…。

      • by Anonymous Coward
        まずはこのサイトを知れ。

        http://www.googlebooksettlement.com/

        Google側の意見を要約すると
        「あなたが権利を有している本であろうと公開します。先に許可を取るような事はしません。消して欲しい場合は後から言って下さい。お金を払って欲しければ期限内に申し立てして下さい。」
        となる。
        この解釈が正しいかは、上のサイトを自分で読んだり誰かに読ませて判断してもらえ。

        さて、Googleはこの主張を通すために、
        >2009年1月5日現在、和解で「使用により関連している」と認定された1冊あるいは複数の書籍や挿入物の米国著作権利益を保持するすべての人々
        と和解した。

        これによ
  • by Anonymous Coward on 2009年10月03日 20時59分 (#1648192)
    GBS関連でgoogleと米国の著作者団体が和解したから,「日本でも同じ事になったら...」て訳で,ネットワーク上の著作権に関して学会としても一言言っておかねば,みたいな感じなんだろうな. でも,学術関連の専門書(数学・物理・工学とか)の場合はどうなっちゃうんだろうな.学術の分野にタイトに著作権やら知的財産権やら持ち込まれたら研究し辛くて しょうがねー だろー なーwwwwww
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