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Google

Googleの書籍電子化、米国のほぼすべての出版社の承認を得る 81

ストーリー by hylom
もしかして日本でも非ダウンロード型ならうまく話が進むのか? 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

47Newsが伝えるところによると、Googleが進めている書籍の電子化について、電子化の承認や販促活動への参加を決めた著者・出版社が2万5000を超えたそうだ。米国のほぼすべての出版社にあたるという。

47Newsの記事では「書籍の電子化」との表現になっているが、これはGoogleが今夏にも開始する電子書籍の販売・取り次ぎサービス「Google Editions」のことだと思われる。CNET Japanの記事が詳しいが、Googel EditionsはWebブラウザでの閲覧のみに対応している点が特徴とのこと。そのためダウンロードが原則不可能な点や、価格決定権が出版社側にある点などが出版社側には好意的に見えたのだろうか。

それにしても、日本の出版社団体が「紙の出版を維持できないなら協力はできない。こちらがコンテンツを出さなければ向こうも(電子書籍端末を)出すことはできない」などと発言しているのとは対照的なのが興味深い。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 17時38分 (#1761436)
    日本は、毎月すごい数の新刊が出て、それらが本屋に並び、読み捨て価格で売られ、一般庶民が気軽に買える。
    電子版は付加価値があるものとして、紙媒体よりも高く売られる。

    一方アメリカは、本は裕福な人の道楽で、一般庶民には手が出ない。
    電子版は貧乏人向けとして、紙媒体よりも安く売られる。

    この差が大きいと思う。

    日本は、電子化による革命を待たずして、紙のまま低価格化を実現しちゃった。
    そして、それはスケールメリットによって実現したもので、活字離れによる需要減による崩壊をマンガ出版で踏みとどまっている状態で、紙と電子の両方をやって分散させたらスケールメリット崩壊してしまう。

    たぶん日本での書籍の電子化は、別の選択肢としてではなく、紙が崩壊した後の唯一の選択肢になるのではないかと。
    • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 18時37分 (#1761482)

      そうなんですか? 興味深い意見だけれど、参考記事とか書籍とかあります?

      確かに最近ペーパーバックの値段は上がりましたが(分厚いのだと10ドル越えとか)、
      日本の文庫本も上がってる印象があるのでそれほど差があるとも思えないです。
      分厚いペーパーバックだと日本の文庫本2-4冊分くらいのボリュームがありますし。
      まあページ数で量り売りするものじゃないですが。私が米国に来た頃は分厚い
      ペーパーバックでも6-7ドルでずいぶんお得感があったものです。

      そしてハードカバーになると、特に売れ筋は書店が20-30%引きで売ったりするので、
      ベストセラーなら20ドル以下で買える感じじゃないですか。これも日本とそう違いがあるとは…

      日本と比べて違いが目立つのは価格よりも、「街の小さな本屋さん」が圧倒的に少ないことですね。
      とはいえ、地方でも大きめのモールにはチェーンの書店 (Barnes&Noble や Borders) が入ってる
      ので、それほど「一般庶民」が本屋に行く機会が少ないとも思えません。

      読書人口には差があるのかもしれませんが、それは本の価格によるものなんでしょうか?

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 19時48分 (#1761527)
        日本からアメリカに行く人は、本を買う余裕のある金持ちor高給取りだから、アメリカの一般庶民の視点とは違うよ。
        また、為替レートで計算するとアメリカの書籍が高く感じないので、一般庶民の消費する食品の値段で比較してください。

        たとえば7ドルの書籍、日本ではコーラ5缶分ですが、アメリカではコーラ9缶分にはなるでしょう。
        親コメント
    • by t_mrc-ct (5292) on 2010年05月10日 19時45分 (#1761525) 日記

      アメリカは書籍の定価は高いかもしれないが、売れ行きが落ちてきたら値段もどんどん下がる。
      一方日本では、発売直後も、売れ行きが落ちてきて以降も、書籍の価格はずっと一緒。

      なぜなら日本には再販制度があって、アメリカにはない [wikipedia.org]から。 (米では1975年に廃止されたらしい)

      日本の書籍が最初から「読み捨て価格」で販売できるのは、再販制度のおかげで絶版直前まで薄利だけど大赤字にはならない「読み捨て価格」で売り続けることができるから。
      一応日本でも、ハードカバー → 文庫本 という低価格化の流れはあるけど、これはある程度部数が出る書籍に限られる。

      そういうわけで、絶版寸前になろうとも日本では書籍の値段は変わらないが、アメリカでは在庫がだぶつけば値段は落ちてくる。
      じゃあ、日米で絶版寸前の書籍に、電子化のプレミアムをつけて販売するとどうなるか。

      アメリカの場合は、絶版寸前の底値にプレミアムをつけるので、発売時の値段に比べてお買い得感がある。
      日本の場合は、再販制度で維持されている定価にプレミアムをつけるので、絶版寸前でも発売時よりも高くなる。

      電子ブックやiTunesが日本であまり流行らないのは、再販制度の影響はでかいと思う。(世界中で売れる「英語」の書籍に比べて、日本でしか売れない「日本語」の書籍では、電子化による流通コスト削減が効きにくいというのもあると思うけど)
      一方、アメリカの出版業界的には、発売当初のプレミアムも付けにくいけど、長期間に渡って価格がほとんど下がらない電子書籍は、再販制度の復活として映っているのかもしれない。

      再販制度によって、じり貧ながらも淘汰されることなく生き残ってきた日本の出版関連企業にとっては、電子書籍化によるペーパーレス化や低価格化圧力、流通の激変は、まさに黒船来襲って感じなんだろうなぁ。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2010年05月11日 0時46分 (#1761697)
        > 日本の場合は、再販制度で維持されている定価にプレミアムをつけるので、絶版寸前でも発売時よりも高くなる。

        根拠は?

        まだ始まってもいないものに対する想定なら、オレは反対だと思う。

        第一、定価を決めるのは出版社であって、定価を誰かに強要されている訳ではない。
        プレミアを付けたって、印刷代などの経費や在庫の心配をしなくていいのだから、
        もっと戦略的な定価を設定してくると思う。

        # そもそも、絶版寸前まで電子化しないなんて、やれても最初の1,2年だよ。
        # それ以上は新刊でも電子化しないと商売にならないという状況になると思う。
        # 日本で電子書籍が流行ったならば。
        親コメント
  •  おそらく、大半の出版社は売り切ってしまった書籍のみを電子化販売しようという心積もりでしょう。

     いくらKindleやiPadが売れているといっても、パッケージ流通をなかったことにできるほど普及しているわけでもないし、電子書籍への完全移行を考えているところはごく一部のはず。
     米国は日本に比べるともともと電子書籍の形式に抵抗がないですが、それでも紙の書籍と電子書籍を平行して販売すれば食い合ってイニシャルコストばかり増加してしまうという点に変わりはない。
     電子書籍版の販売は紙で販売した後在庫がはけてしばらくしてからであれば、比較的リスクなく参加することができますし、作家が電子書籍版販売を希望した場合の選択肢として参加表明をしてるとかなんじゃないかと思います。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
  • by Anonymous Coward on 2010年05月11日 9時34分 (#1761788)

    と,中小の中の人は語りき。

    ま,ユーザーの方に
    「有料の情報をWebで購入する」
    という意識がもう少し広まらない限り,そもそも出しても買ってもらえないですがね。
    現状,紙の本というスタイルは,出版社も読者も幸せになれる形態である,といえるのです。

    日経新聞電子版は,個人的にも「高え!」と思います。
    ただし,購読料が3,000円ぐらいだったら,紙版をやめて電子化にしようかな,って人が
    日経新聞の性質上(読者の何割かは朝の通勤電車で読む),とてつもなく多そうですので,
    広告や取り次ぎやいろいろな人の対応を考えると,
    紙版への付加価値というのは,一見チキンに見えますが,
    電子出版へのスタートラインとしてはまあ,上策なのかもしれませんね。
    だって,それでも一定数はお金を出すと思いますし。
    この場合,「だれでも気軽に読めるような金額設定しろよ」というのは愚問です。

    Amazonにしろ,Googleにしろ,Appleにしろ,お願いしたいのは(実際お願いもしてるけど),
    「書店」としての場以外にも,直販としてのAPIと決済システムを欲しいということだったり。
    取り次ぎ依存じゃなくって,自力で直販で展開してるので,そこらへんがネックなんだよなあ。
    システム構築するほどの体力はないんで(いや,構築はできても変更に対応できないというか)。

    ちなみに,端末の普及云々は,政策でどーにでもなる問題であります。
    特に現政権はCO2を25%削減という荒唐無稽な目標をブチ上げてますし,
    まじめにやろうとしたら,紙の問題は結構深刻なはずです。

    というわけで,「広告」「取次」の2つの言葉を考慮しなくて良い出版社は結構乗る気です。
    ただ,経営状態が悪くなくてもこーゆー出版社は例外なく「中小企業」です。規模もちっちゃいです。
    変化に対応する能力は持っていても,変化を創り出すほどの力も金もありません。
    せいぜい,大企業様には,GoogleやAmazon,Appleに対して圧力を掛けるのではなく,ぜひとも協力して欲しいとおもいます。
    じゃないと,こちらも用意が終わっていても,モノがだせませんので。

    第三者視点で書こうと思ったらこのザマなので匿名で。

  • 日本語化の問題点 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by tsubasa283 (40156) on 2010年05月10日 17時43分 (#1761442) 日記
    日本語で電子書籍をやろうとすると、外字、ルビ(強調点)、縦書きなどの問題点があると思うんだけど、そこらへんの建設的な議論をしている人ってまだいないのかな。 出版社がこんな状況じゃインフラが出来るまで結構な年月がかかりそう・・・
  • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 17時42分 (#1761439)
    世界中から規制圧力食らっても困ります。 電子化そのものには賛成ですが、 一般漫画でさえ暴力的だ何だと因縁つけられる事が少なくないので 正直日本の漫画はグローバルなプラットフォームには載せてほしくない。 尤も単行本の見開きサイズと、 台詞の中の画数の多い漢字やルビを拡大して読むなどという馬鹿げた操作無しで読める 解像度を持ったディスプレイの端末が出て来ない限り 電子化など論外ではありますが。
    • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 18時06分 (#1761458)

      電子コミック「働きマン」が配信拒否になった理由--電子書籍時代の検閲 [zdnet.com]

      萩野:たとえばAppleはAppleの、AmazonはAmazonのDRMを持つわけですよね。そういった場合、彼らのルールに従い我々はコンテンツを出す、というスタンスになるでしょう。我々は、彼らの定めたDRMに対しどうこう言う立場ではないと思います。

       留意すべきはDRMだけではありませんよ。彼らはもっと違うルールを持っています。それはセンサーシップ、“検閲”です。AppleのiTunes Storeでいえば、DRMを切り離す方向で進んでいますが(筆者注:当初iTunes Storeで販売される楽曲には、原則「FairPlay」と呼ぶDRMが付与されていたが、近年ではDRM無しの楽曲の割合が急増している)、センサーシップは変わらず残しています。

       その点で我慢がならないのは、解釈に(日本との)差があることですよ。たとえば、日本では許されているコミック本での血が飛び散るシーンは、厳しいコミックコードが存在する米国ではNGですからね。iPhoneアプリの形で販売されている電子書籍は、こういった懸念がものの見事に的中しています。

      海上:具体的には、どのようなことがありますか。

      萩野:ボイジャーが関与した講談社のコミックをiPhoneアプリ化し、iTunes Storeに申請したところ、30%程度がリジェクトされましたから。全10巻で4巻目までOKなのに、5巻目以降が出せない、とか。暴力ではなく疫病の発生で血を描いている場面も、残虐シーンだと判定されてしまいましたよ。

       「働きマン」(安野モヨコ作の女性編集者が主人公のコミック、もちろんエロ系にあらず)は、主人公が疲れを癒す目的でマッサージを受けているとき、伸びをしたところ誤って胸が露出したシーンが引っかかりました。OLが主人公のコミックで、入浴シーンがないものはないですからね。うっかり風呂にも浸かれない。腰湯もダメですね、胸が出ちゃうから。

      海上:かといって自宅の風呂に水着で入るのもどうかと思いますしね。

      萩野:話は変わりますが、Appleについて書かれたものもアウトです。大谷和利さんの「iPhoneをつくった会社」と「iPodをつくった男」、2つともリジェクトでした。その理由は、現社員、元社員であろうと、Appleの社員にかかわるもの、製品にかかわるものは一切ダメ、と。じゃあマイクロソフトはいいのか、という話なんだけど(笑)

      親コメント
      • by nojiri (27623) on 2010年05月10日 23時39分 (#1761666)

        電子書籍の未来と普及にとって、結局は「検閲」が一番頭の痛い課題になりそうです。

        エロとApple関連に限りません。
        例えば、宗教的に偏った書籍とか。(アンチキリストなど)
        例えば、民族主義的に偏った書籍とか。(ネオナチなど。反韓も?)
        例えば、左翼系の思想書とか。
        例えば、人種差別を肯定的に描く小説とか。
        例えば、同性愛を肯定的に描く小説とか。

        この手の書籍は、Appleのマーケットでは排除されるでしょう。
        (Appleは米国の保守層(≒清教徒系)に迎合しているのだと思う。ここに睨まれると、マスマーケットを取れないので。)

        アマゾンのキンドルも同じ穴の狢。米国で発禁扱いになった書籍は、日本のアマゾンからも消えます。

        Googleは今のところ何でもありですが、所詮は北米企業なので、北米の道徳観からは逃れられません。

        つまるところ、日本の出版事業が米国企業の道徳観によって手足を縛られないためには、次の流れしかないと思います。
        1)日本のほぼすべての出版社および著者が加盟する団体を設立する。
        2)加盟する出版社および著者の電子書籍を電子書店が取り扱うには、同団体との契約が必要とする。
        3)契約には、すべての電子書籍を流通させること、販売の禁止や停止、内容の変更を行わないことを含む。
        4)電子書籍を性的/暴力性/思想性などによってゾーニングすることは可とする。
        5)ただし、ゾーニングのための評価と区別は同団体が行い、電子書店による変更は不可とする。
        6)同協会が認可した書籍が米国の法律に抵触したときは、米国向けの電子書店のみ、米国の法律に従うものとする。

        協調行動が苦手な出版社ですが、取次が彼らをまとめることができるかもしれません。
        というか、ここに割って入らなければ、電子書籍の流通から取次は排除されてしまいます。
        出版社が団結すれば(人は、それをカルテルと云う…)、上記の内容なら著者にとっても悪い話ではありませんから、著者の多くは否と云わないはず。

        もちろん、Appleは許容しないでしょう。
        ですが、いまならアマゾンやGoogleと競争させることができますし、今後は国内メーカーも参入してくるでしょう。
        それでAppleが妥協すればよし、妥協しなくてもキンドル for iPadなどを利用するだけのことです。出版社も読者も困りません。

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 16時18分 (#1761358)

    取り次ぎへの付き合い以外に何か意味はあるのかな?

    まあ、各種ニュースを見ていると、「今更どこぞの新参者に、新人みたいな頭の下げ方なんて出来るか」という感じを受けないでもないですが。

    • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 17時33分 (#1761433)

      出版界の片隅で生きてきた私とはいえ、えらい人の考えることがわかるわけ
      ではありません。

      と、前置きしておいて、やっぱりビジネスが変わってしまうことを恐れてる
      んでしょうね。
      書籍の値決めは、馬鹿売れする本を除くと初版で元を取る+αの利益、
      増刷から利益が出るという風になってます(私がいる/いたところでは)。
      再版流通のおかげで定価が維持されるということがあり、売れない本の
      損失を売れる本でカバーするというようなやりかたが可能です。

      電子書籍では、こういうビジネスができなくなる上、単価が
      下がることが頭痛の種でしょう。つまり電子書籍ではヒットした本でも
      リアル書籍に比べると利益がグッと減ってしまうんではないか。
      10万部売って1冊あたり仮に200円constとして2000万にしかならない。
      リアル書籍は増刷分から利益率が高くなるので、普通はもっと
      儲けられます。出版界に少額の金しか回らなくなればジリ貧だあ…
      と、いうような事情もあってリアル書籍にこだわるんでしょう。

      親コメント
      • by nim (10479) on 2010年05月11日 10時00分 (#1761794)

        >10万部売って1冊あたり仮に200円constとして2000万にしかならない。
        >リアル書籍は増刷分から利益率が高くなるので、普通はもっと

        印刷・流通の費用を考えると、粗利で電子出版が有利になるという
        ことも十分考えられそうですが。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        売れる見込みどころか店頭におかれる見込みすらない初版本を取次に送り付けて前払金をもらうような自転車ビジネスなんかどうせいつまでも続けられるわけないと思いますけどね。

    • 製本業界とか印刷業界とか運送屋さんとか製紙業界とか?

      #そのうちGoogleやAmazonで天下りを受け入れる環境が整えば問題無くなったりして。

      親コメント
      • by nojiri (27623) on 2010年05月10日 18時29分 (#1761474)

        取次業者のメシのタネでしょ。

        @私は門外漢ですのが、以前にネットで調べたことがありました。そのときの聞きかじり知識を以下にまとめます。

        取次とは、出版界における問屋兼流通業者です。
        出版社は、本の流通を取次に委託し一時金を受け取ります。
        書店は、取次から本を受け取り、販売します。
        どの書店にどの本を何冊渡すかは、取次が決定します。
        売れないと思う本の場合、何割かを書店に回さず塩漬けにすることがある…と噂されています。

        売れ残った本は、書店が取次に返本します。
        取次は、その本を出版社に返本し、その分の代金を回収します。

        簡単に言えば、取次は本を介した金融業者でもある訳です。

        出版社は本を出すとお金(一時金)が得られますが、返本されるとその分を返金せねばなりません。
        しかし、中小の出版社では手にした一時金で次の本を制作していますので(自転車操業)、それを取次に引き取って貰わないと前の本の返金ができないおそれがあります。

        @間違いがあれば、ご指摘ください。

        電子出版に移行した出版社は、取次を使わなくなります。
        取次はメシのタネを失うことになるので、報復するかもしれません。本を塩漬けにしたり、そもそも引き取らなかったり。
        そうなったら、出版社は自転車操業さえできなくなります。

        ググってみたら、取次の役割を簡単に説明しているページを見つけました。
        http://blog.livedoor.jp/omttm202/archives/51458872.html [livedoor.jp]

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 18時44分 (#1761484)
          つまり、出版社や書店ではなく、取次が電子書籍の事業をやればいいんですよ。
          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2010年05月11日 11時51分 (#1761854)

            実際取り次ぎ各社は次のビジネスとしては電子出版を目指して動いては居ますね。
            ちょっと調べれば幾らでもネタは有るので、すば洞付けるなら覗いて置く事をオススメ。

            ただ、勝手に口に出せば良いではないので、目立たない様にとか、大きくビジネスにならない
            分野からとか、足場を固めながらだから大々的には宣伝しないのではないかとか思ったり。

            #なんで「書店に都合を押し付けている」とか言われる取次ぎがそこまで弱小書店や
            #貧乏出版社の面倒を見ると思っている人がこんなに多いのだろ?
            #金のためには切るのに決まっているじゃないか。

            親コメント
        • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 18時44分 (#1761485)

          それ以前の問題として、「取次ぎの利益率以上のものを電子出版で出せるの?」ってのも大きいと思う。
          アメリカみたいに元々ボッタクリなのと比較すると、日本の書籍は「早い・安い・綺麗」と三拍子揃っている。
          その結果、入手性は大抵の所で出版当日に入手が可能だし、値段は元々安い上、綺麗な紙に美麗な印刷。
          って事で、電子化に対するメリットが示せないのじゃないかと。

          特に電子化の再の絶対条件である「安く」を実現できるのは、昔から定番としてずっと出し続けられている、
          下手すれば青空文庫化されている様な名作程度ではなかろうか。

          少数出版の場合は複数チャンネルの保持にコストが嵩み、数は出るがマンガ雑誌なんて、元々赤字なんで、
          安くする為のマージンも無い。

          親コメント
        • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 19時59分 (#1761534)

          > @間違いがあれば、ご指摘ください。

          @の使い方が間違っています。

          親コメント
        • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 20時48分 (#1761571)

          簡単に言えば、取次は本を介した金融業者でもある訳です。

          似たような事は、ソフトウェア会社とソフトバンク(通信とかやり始める前の、パッケージソフトの流通とかをやってた頃)の間でも繰り広げられていましたね。
          営業部門さんの話を聞いても「今月、バンクに○千本納めたから」→「出荷本数○千本!」とか(笑)。
          おいおい、この返品の山はどう説明するんだい?(見えませ~ん!)
          それと、エンドユーザーは何処いっちゃったのよ?

          # 開発がユーザーの声を聞きに行くのはカスタマーサービス部門だったりしてさ。
          # 営業部門が望む改善点と、CS部門が希望する改善点が食い違ってみたりするのも日常茶飯事だったよね。
          # 保守契約の売り上げって大きいんだよねぇ。安定収入だし...ってことで既存ユーザーの意見(=CS部門の主張)を尊重させてもらってましたけど(笑)。

          昔話はさておき、結局、取次(とそこへの納品による一時入金)のバッファ機能に頼る経営を何とかしない限り、出版社は電子出版を受け付けないと言うことなのかな。
          実際、そこがネックになっているとすれば、電子出版(=製本や物流などの物理的な部分を低コスト化できる可能性を秘める)にあわせて会社組織を変えていくことができれば良いのだろうけど...そうなると取次が仕事を失うという社会構造そのものの変化も伴うことになるのか。
          とは言え、コミックの電子書籍化(コミックというか漫画は「話」単位で切り売りが可能なので比較的取っ付きやすかったのかな)などでは取次さんが主導するシステムなんかもあるみたいですから、少しずつ変化してはいるんだろう...とは思うのですが。
          でもでも、別の方向から考えると、出版社は取次というバッファ機能を利用して実態にあわない経営をし続けてきたわけで、そのシステムが一旦破綻して御破算になってしまったほうが素早く(より最適化された形で)次の時代に行けるのかも...中の人は大変でしょうけど...などと乱暴なことも考えてみたりできますね。

          # 微妙に関わっていたことがあるのでACでお願いします。

          親コメント
      • by Anonymous Coward

        馬車が自動車に置き換わったら馬具屋は失業するし
        銀塩カメラがデジカメに置き換われば現像屋は失業するのにね。

        • by nemui4 (20313) on 2010年05月10日 17時22分 (#1761422) 日記

          映画が出回りだした頃、劇場の役者達のギルドが映画を排斥しようとしたり
          テレビが出てくると、映画の役者達がテレビに出ないような運動をしたり
          ホームビデオが出てくると、映画業界が・・・
          と旧来メディアで既得権益を確保していた人達が排斥運動をしては、新しいメディアの波にのまれていたらしいことを思い出しました。

          #グーテンベルグの時代にもそういうことがあったのかも。

          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 17時53分 (#1761453)
            > #グーテンベルグの時代にもそういうことがあったのかも。
            ルター宗教改革とそれに対抗したバチカンの争いってのがまさにそれでしょ。
            親コメント
            • 宗教改革はまぁ印刷技術が触媒となって大事(おおごと)になりましたし
              印刷技術の登場によって本を作る場所が教会・修道院(写本)から市井に移り
              大量に印刷物が出回るようになって、民衆が知恵をつけるようになって
              社会構造が大きく変化する契機となったってのはありますね。
              だから、印刷技術があの頃登場しなかったら(結局後から誰かが発明したにしても)、
              宗教改革もあまり広がらなかったかも知れないし、産業革命や帝国主義時代の
              到来ももっと遅れたかも知れない。
              親コメント
          • > #グーテンベルグの時代にもそういうことがあったのかも。

            グーテンベルク自身は借金の抵当として印刷機を取られちゃったんですよね。
            新しいメディアに目をつけた共同経営者に騙されたのか、金に無頓着な技術者だったのかはよくしりませんが、今でもありそうなことではあります。
            親コメント
      • by Anonymous Coward

        > #そのうちGoogleやAmazonで天下りを受け入れる環境が整えば問題無くなったりして。

        天下りというか、大手の重役クラスがどこかに入る事で、コネを使って電子出版の説得するようなことはあるんじゃないですかね。

    • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 17時21分 (#1761421)

      >取り次ぎへの付き合い以外に何か意味はあるのかな?

      だって、日本の出版社は絶賛自転車操業中だから。

      本をたくさん刷る→取次が全国の本屋にばら撒く(この時点で出版社に一部入金)
      →売れるor返品する(この時点で清算)

      取次からの一部入金が止まれば、資金ショートして殆どの出版社が倒産するので、
      紙の本を刷らないという発想が出てくるわけが無い。
      過半は実質債務超過状態だという説もあるぐらい。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      こんなとき [srad.jp]にも役立つ。

    • by Anonymous Coward
      日経新聞の行動が全てを物語っている感じですね。日本はあのレベルで衰退していくのでしょう
    • by Anonymous Coward
      「ヨソがやってないから」

      ※外国は無視です
  • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 16時22分 (#1761364)
    「Googel Editions」についてkwsk
  • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 16時34分 (#1761377)

    >「紙との共存ができるなら協力するが、紙の出版を維持できないなら協力はできない。こちらがコンテンツを出さなければ向こうも(電子書籍端末を)出すことはできない

    ということは紙の出版に上乗せされなければならないってぇこと?
    栄枯盛衰ってのを知らないんでしょうか?

    • Re:栄枯盛衰 (スコア:3, 興味深い)

      by barrel (25979) on 2010年05月10日 23時17分 (#1761659)

      いやほんと、馬鹿ですよね・・・。
      このままではmp3に駆逐された音楽CDの完全に二の舞です。

      mp3も出始めはもっぱらグレーゾーンの代物で、権利者たちは
      「そんなもんはけしからん認めん」とばかりにガチガチのDRMで固めた鎖国的仕様の
      音楽ファイルを高値で申し訳程度に提供する程度で、なんら自らを省みませんでした。
      そのうちに音楽CDはP2Pやらなにやらで提供される無料の音楽や
      iTMSみたいな格安のサービスに駆逐されてしまいました。

      たしかにP2Pなどの非合法まがいのものはフェアではないですし、そんなものと
      競合したくないというのも分かりますが、都合の悪いものは見えないとばかりに
      無視して建前ばかり振りかざしていれば座して死ぬばかりだと彼らはなぜ気づかないのでしょうね。

      ちょうどipadには「i文庫HD」というコミックビューアもでてきたようですし
      「こちらがコンテンツを出さなければ電子書籍を出すことは出来ない」なんて平和ボケした建前ばかり主張して
      現実から目をそらしている間に、スキャンされたコミックやら書籍やらが不正にP2Pなりオンライン共有なりで
      カジュアルに普及してしまって正規の本が駆逐されてしまう日が来るかもしれません。

      あのMSですら違法コピーへの対抗で激安のWindows(機能制限があるけど)を売ってるぐらいなのに、
      吹けば飛ぶような日本語ローカルのコンテンツ企業(音楽/書籍)はもうすこし生存に必死になってもいいんじゃないかと。

      # 再販制度が日本のコンテンツ産業を骨抜きにして生存能力を奪ったとしか思えない・・・

      親コメント
    • by tamatukurikei (32435) on 2010年05月10日 17時52分 (#1761452) 日記
      いくら電子書籍が伸びているとはいえ,出版社としては物理的書籍の出版ラインは全撤廃できないし,下手すると電子書籍のインフラ整えるコストが出版ラインの維持コストに上乗せされて,トータルコストでは高くつくかもしれない.

      というのは建前で,やはりコンテンツの囲い込みが目的なのか?

      どちらにしても出版社どうし合って相談してそうだから,なかなか切り崩せないだろうなぁ.

      #ここ最近大型書店等の進出見るあたり,大型書店(+コンビニ)VS電子書籍の構図で見た方が正しいのかな?
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 16時47分 (#1761391)

    紙メディアは斜陽産業ということを自覚しなきゃ。

  • by Anonymous Coward on 2010年05月10日 17時17分 (#1761417)
    紙って「手段のひとつ」だよなあ
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「毎々お世話になっております。仕様書を頂きたく。」「拝承」 -- ある会社の日常

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