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グラフィック

パイオニア・アノマリー、解決? 33

ストーリー by headless
熱 部門より

T.Sawamoto 曰く、

長らく天文学上の謎とされてきたパイオニア・アノマリーが、3Dグラフィックモデルを用いた計算により解明されそうです(The Physics arXiv Blog本家/.)。

1972年と1973年に相次いで打ち上げられた惑星探査機パイオニア10号・11号は太陽系からの脱出軌道上にありますが、太陽の重力から計算される減速量よりもわずかに多く減速していることが判明しています。この「パイオニア・アノマリー」などと呼ばれる現象の要因としては、探査機が放出する熱とする説が有力ですが、従来の計算では多く見積もっても減速量の67%程度にしかなりませんでした。

熱の放射による減速を計算する場合、探査機の各部で反射する熱も考慮する必要があります。探査機は大きなパラボラアンテナを常に地球側に向けているため、アンテナ裏面で反射する熱の影響は特に大きいと考えられますが、従来の計算では熱の反射による影響を概算で加味していました。ポルトガル・リスボンにあるInstituto de Plasmas e Fusão Nuclear(IPFN: プラズマ・核融合研究所)のFrederico Francisco氏らはフォン・シェーディングの技法を用いて、熱が反射する方向と減速量に対する影響を正確に計算することに成功しました。フォン・シェーディングは可視光の反射を3Dオブジェクトの表面に適用するための技法ですが、Francisco氏らによると赤外光でも同様に使用できたとのことです。

現在、データを収集した米国のジェット推進研究所(JPL)は独自のモデルを使用して熱による影響を研究しており、他の研究グループによる検証も行われるものとみられます。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 13時18分 (#1929510)

    宇宙ヨットの原理の影響を厳密に計算してみるよ、って事でしょうか。

    JAXAが打ち上げた宇宙ヨット「イカロス」、
    昨年のニュースでは
    http://scienceplus2ch.blog108.fc2.com/blog-entry-955.html [fc2.com]
    >途中まで展開した段階の機体の動きが予想と若干違う
    という事があったようです。

    JAXAの中の人の当時のコメント
    http://www.isas.jaxa.jp/home/IKAROS-blog/index.php?itemid=550 [isas.jaxa.jp]
    >原因は特定されていないのですが,太陽光圧により風車のように
    >回転が励起されているのか,アウトガスの影響なのか,
    >あるいはもっと別の要因もたくさん考えられるのです.

  • ラジオシティ (スコア:2, すばらしい洞察)

    by tcpp (35642) <i@yvt.jp> on 2011年04月02日 16時17分 (#1929559) ホームページ

    単純なフォンシェーディングは2次反射を考慮しない。
    より正確な計算にはラジオシティによるグローバルイルミネーションを利用しなくては。

    • by Anonymous Coward

      #読み方は/rediosIti/だとおもいます
      #ごめんなさい

  • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 10時55分 (#1929478)
    熱で減速ということは、配置によっては加速もできるってことだよね。

    次世代機は、本体より前方にパラボラアンテナ置いて、後ろ向きに通信ビームを送るようになるとか?
    ソーラーセイルにもなって、さらに倍。
    • by Anonymous Coward

      原理的には赤外線による光子ロケットの亜種ってことになるんですかね
      とは言え積極的に利用するには効果が微妙過ぎてアレですが

    • by Anonymous Coward

      通信の邪魔になりますね。
      太陽系内に限れば加速によるメリットよりも、
      アンテナの大型化などのデメリットの方が大きいかもしれません。

  • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 13時39分 (#1929517)

    表からも放熱はあるはずですが・・。
    鏡面であるため表面積が少ないとか?

    裏にアンテナ冷却のためのユニットか何かついてるのでしょうか?

    • 原子力電池の熱と、その電力で暖められた本体の熱があると思いますよ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 20時33分 (#1929669)

      裏には熱源があってそれを反射してるってfirehose(あれたま)に書いてあるよ。
      #掲載されたストーリーではなぜか肝心なところが削られてる不思議

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      全方向に熱放射してるだけでは減速率を説明できないので、
      パラボラの表と裏の形状の違いによる影響を計算してみたよ、
      ってだけだと思います。

      #「でもやっぱり計算合わないから、未知の現象が働いている!」っていうロマンを期待

  • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 9時55分 (#1929468)
    ビーム発射してみる必要がありそうダナ
  • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 10時05分 (#1929472)

    厳密には
    「厳密に熱の放射の速度に対する影響を評価する手法が開発された。そのデータが実態と一致すればパイオニア・アノマリーが解決する(かも)」
    ということですよね。

    個人的に言えば解決しないほうがいろいろ夢があって面白そうですが・・・・(笑)

  • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 11時46分 (#1929484)

    計算合わないって言ってる人たちは、星間ガスの抵抗を考慮しているのだろうか。

    • by Anonymous Coward
      ウィキペにさえ書いてあるのに天文学者が考慮してないって何で思うの?
      • by Anonymous Coward

        検討されたとは書いてあるが、実際の星間ガスの濃度を測定したわけではないからねぇ。

        • by Anonymous Coward

          つまり宇宙に遍在する未知の星間物質について語ってるんですね?

          #それなんてエーテル

  • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 12時20分 (#1929494)

    こんなに近くで影響するなら驚き。

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%8... [wikipedia.org]

  • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 13時41分 (#1929518)
    エーテルの仕業だろ
  • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 16時48分 (#1929563)

    フォン・シェーディングは可視光の反射を3Dオブジェクトの表面に適用するための技法ですが、Francisco氏らによると赤外光でも同様に使用できたとのことです。

    原文の該当箇所:

    [Phong shading] was originally developed to handle the reflections of visible light from 3D objects but it works just as well for infrared light, say Francisco and co.

    間違っちゃいないんだけど、タレコミ文の方はなんだかPhong shadingと可視光に特別な関係があるようにも読めちゃうようで気になった。

    Phong shading自体は単に曲面での各点の反射を、頂点の法線から補完して近似した法線を使って計算するっていうだけで、可視光であるかどうかなどはもとから関係ないです。法線に対して対象に反射が出て行くという性質さえあれば良い。

    原文のニュアンスは、「もともとの目的は、可視光の反射の近似だった(だからこれまでそれ以外の用途にはあまり使われなかった)けれども、赤外光にだって同じように使えるよ」と言ってるわけで、「本来の目的外に使った発想」を強調するための文でしょう。今回新たに赤外光で使えることが発見された、なんていうわけではない。

    • 今回のストーリーに関して言うなら、

      Phong shading自体は単に曲面での各点の反射を、頂点の法線から補完して近似した法線を使って計算するっていうだけで、可視光であるかどうかなどはもとから関係ないです。法線に対して対象に反射が出て行くという性質さえあれば良い。

      これ、大間違いです。

      一般に「フォンシェーディング」 [wikipedia.org]と呼ばれるものには、「フォンの補間モデル」と「フォンの反射モデル」の二つがあります。上述の説明は補間モデルに関するものですね。一方、今回のストーリーで使われているのは「フォンの反射モデル」の方です。

      フォンの反射モデルは、「物体表面の材質感」=「光の反射特性」をモデル化したもので、大雑把に言うと「環境光」(ambient)、「拡散光」(diffuse)、「反射光」(specular)の3つのパラメータで表現します。

      このモデルは物理的理論に裏付けられたものではなく「現実世界での物体表面での光の反射特性をそれっぽく3DCGで表現するにはどうすればよいか」という要求の元に作られたアドホック的なモデルなのですが、
      このモデルで各パラメータを調整すれば、現実に近い表現が実現できます。

      当然、赤外線なんかは想定したものではないわけですが、現実での物体表面の光の反射特性は、可視光でも赤外線でもそれほど理屈が変わるものではありませんし、
      パイオニアの実機の表面質感をまずフォンの反射モデルでパラメータ化し、
      そのモデル上で赤外線の反射をシミュレーションするというのは
      それほどおかしなことにはならないように思います。

      親コメント
    • >原文のニュアンスは、「もともとの目的は、可視光の反射の近似だった(だからこれまでそれ以外の用途にはあまり使われなかった)けれども、赤外光にだって同じように使えるよ」と言ってるわけで、

      訳が変なのは同感だけど、
      どこかにある赤外光源をアンテナで反射してるのではなく、
      アンテナから熱として赤外線放射をしてるわけで、
      反射を計算する技法を放射の近似に使ってみたよ、って事では。

      親コメント
      • ゴメン、リンク先読んでみたら
        原子力電池の放射をパラボラの背面で進行方向に反射してるせいだと思うよ、
        と言う説でした。

        #タレコミ文が適当すぎる・・・<最初から原文読めよ俺

        親コメント
        • ゴメン、Firehose読んでみたら
          >宇宙機本体からの熱放射がアンテナ裏面に反射することで減速が起きる、とのことです。
          と言う説明がちゃんと書いてありました。

          タレコミ文が適当すぎなんて言ってごめんなさい>タレコミ人様

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        • by Anonymous Coward

          ちょっと疑問に思った。原子力電池の赤外線?を
          パラボラアンテナの外側で反射しているとしている。
          赤外線は、パラボラアンテナを加熱もしているわけで
          すると内側からも赤外線が放射されているのでは、と思った。

          内側と外側で差し引きゼロ。

          • by Anonymous Coward on 2011年04月02日 22時09分 (#1929705)

            完全な反射ならアンテナにエネルギーが吸収されないので加熱は無し。
            反射がゼロならアンテナに全てのエネルギーが吸収され加熱し、(熱伝導率が十分大きければ) 内側からも外側からも輻射される。

            実際はこの二つの中間なので、差し引きはゼロにならないんじゃないかと。

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  • by Anonymous Coward on 2011年04月03日 8時44分 (#1929849)

    少ないの?多いの?

    • by Anonymous Coward

      「わずか」は絶対値。「多く」は比較。

    • by Anonymous Coward

      小学生でもこの表現はわかると思うんだけど…。
      大丈夫?

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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー

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