CPUの廃熱を利用してデータセンターを冷却 23
ストーリー by hylom
温水を入れると冷水ができる技術 部門より
温水を入れると冷水ができる技術 部門より
slashvista 曰く、
富士通研究所が、CPUから発生する廃熱を利用してサーバルームの冷却に使用する冷水を製造する技術を開発した。
吸着材に水分を吸着させて蒸発させ、その際に周囲の熱が奪われることを利用して冷水を作るというもの。従来は65℃以上の水温が必要だったが、乾燥性能を向上させた新素材の吸着材を開発することで55℃での冷却を実現。CPUの廃熱が安定しないという問題に対しては、廃水の流量を制御することで一定の範囲に保つ技術を開発したとのことである。この二つを組み合わせることで、CPUから発生する廃熱を利用して15~18℃の冷水を連続的に製造することができるという。
この技術を採用すれば、データセンターでの空調消費電力を最大で約20%削減することができるということで、地味であるが有望な技術かもしれない。
この技術を採用したサーバーを導入したとして・・・ (スコア:2)
次のリプレース時は大変なことになりそうですね。
CPUクーラーやら、配管やらがスパゲッティ状態になりそう。
#実情を知らないんですがデータセンターで水冷化されてる割合ってどんなもんなんだろう・・・
Re:この技術を採用したサーバーを導入したとして・・・ (スコア:1)
水冷ではなく空冷用ですよ。
Re:この技術を採用したサーバーを導入したとして・・・ (スコア:1)
割合とかは書いてないようですが、彼らが"free cooling"と称している「チラーを極力使わない水冷」を最大限適用しようとしているようですね。冷水塔を使ったり、フィンランドでは冷たい海水との熱交換を使ったり。
自動車の冷房に使えんのかな? (スコア:1)
自動車の冷房に使えば、燃費の節約になるのに。
むろんエンジン乃至は排気系が充分加熱するまでは、エンジン駆動や電動冷房機が別途必要とする、二重投資はわかるが。
ああそういえば、冷房による動力損失は、公称燃費に算入されないから、宣伝文句に使えんのか。残念。
Re:自動車の冷房に使えんのかな? (スコア:1)
自動車用吸着式冷凍機の小型吸着器仕様に関する研究 [denso.co.jp]
検討はされてますね。フィン同士の平均間隔を0.4mm以下にする、というのは厳しそうな条件ですが。
おっしゃる通り廃熱が出ないと冷熱を作れない点、冷熱は使い道が限られる点を考えると、自動車をハイブリッド、エアコンを電動エアコンにして廃熱はランキンサイクルでの発電に使う [jsme.or.jp]方が無駄がない気もします。
気化熱 (スコア:0)
暑い日に外付けHDDケースに濡れティッシュ冷却してましたね
静音・高効率冷却でした
冬場は足置きにして回路変わりになってくれます
最近は内蔵HDDが高いので
価格改定前の外付けHDDなど
おひとついかがでしょうか
# 本格水冷PCってちょっと作りが仰々しいので
# PCケース側面に綿詰めた壁二重構造で
# 底面タンク、天面綿むき出し、側面毛細管現象構成の
# 気化冷却のケースは存在しないものかと
# この十年ほど探しております
Re: (スコア:0)
>底面タンク、天面綿むき出し、側面毛細管現象構成
水をなめない方がいいですよ。
ほぼ確実に苔やカビがわきます。
Re: (スコア:0)
抗菌剤混ぜた綿でもだめですか!?
Re:気化熱 (スコア:5, 参考になる)
一般的に抗菌剤を有効に働かす環境を維持することが難しいです.
実環境下では単体のバクテリアとかではなく, バイオフィルム [wikipedia.org](いわゆるヌメリ)を形成していることがほとんどです. このバイオフィルムが一種のバリアとなって, 抗菌剤を防御したりします. バイオフィルムを破壊するには物理的な外力を加える(平たく言えば擦るとか), 熱を加えて変性させるとかが必要になります. あるいは強力な殺菌剤を使う/併用するというのも.
清潔が保たれていない冷却水は, 増殖した細菌類により, 在郷軍人病 [wikipedia.org]の様な重篤な感染症の原因ともなります.
Re: (スコア:0)
抗菌剤はそりゃ難しいでしょうけど、殺菌剤なら大丈夫なのでは?
次亜塩素酸ナトリウムならハイターとして市販してるし、最初からハイターを希釈した液を使えばバイオフィルムも形成されないと思います。
次亜塩素酸ナトリウムがPCとか人体に与える影響は考えないものとして。
Re:気化熱 (スコア:2)
すぐに配管やらなんやら酸化させてしまう気がします・・・
すくなくともアルミはだめだろうなあ。
新人。プログラマレベルをポケモンで言うと、コラッタぐらい
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
気化熱を使う話だから、コストなどの面でも水しかないでしょう。
Re: (スコア:0)
>ほぼ確実に苔やカビがわきます。
純銅製ならどうですかね?
Re: (スコア:0)
10年探すぐらいなら自作したほうが
でも・・・ (スコア:0)
>廃水の流量を制御する
この電力が発生する熱はどうするの?
Re: (スコア:0)
勿論、凝縮して利用するんですよ
冬なら暖房、夏なら冷房に。
エントロピー?何ですかそれ?
あれ? (スコア:0)
CPUからの熱で冷却水をつくって
その冷却水でCPUを冷やす。
だけど冷却水のための熱が減って…どこかで平衡するのか?
わからなくなってきた。
吸収式冷凍機 (スコア:5, 参考になる)
吸収式冷凍機は昔からありますが,今回の研究は水を吸着させる新素材,と書いてあるので水-臭化リチウム系の添加物を工夫したとか,そんな感じの結果ではないでしょうか. プレスリリースにはCPUの廃熱は変動が大きいため熱源としてはそもそも不向きだけど,新素材によって高温側の熱源に必要な温度を下げることができた,という趣旨のことも書いてありますね.
吸着冷凍サイクル (スコア:4, 参考になる)
ゼオライトやシリカゲルが吸着材として使われます。例えば、ゼオライト系材料を使った商用機はこんなの [mpi.co.jp]です。富士通の「新素材の吸着材」がどんなものかわかりませんが、一応、このAQSOAという吸着材も50℃で再生できる [mpi.co.jp]という記述が見られますな。
Re:吸収式冷凍機 (スコア:1)
吸収式は臭化リチウムとかの水溶液が連続してまわるが、
吸着式は個体の乾燥剤を吸着させたり再生させたりするようで、連続せずバルブ開閉で状態をかえるようです。
Re:あれ? (スコア:2)
まあ,真面目な話をすると,カルノーサイクルの効率は高温熱源と
低温熱源の温度差に比例するので,CPUの熱を使って部屋を
冷やすのは有りでしょう.逆ならびっくりだけど.
CPUの温度をわざと高く保つのも,効率を確保するためでしょう.
Re: (スコア:0)
図1がわかりにくいですね
右上のほうに出ている細い水色が多分冷却水かなにかで、それでCPU熱源との温度差を作り、系外に廃熱。
その温度差のエネルギーでヒートポンプを駆動し、下のタンクの水を冷却する。
左の系の状態
【左上】の乾燥剤をCPUの熱で乾燥剤を再生
【右上】の熱交換器において、左で発生した水蒸気を、系外の冷熱源により凝縮
【左下】のタンクに水を返す
右の系の状態
【左上】の乾燥剤を系外の冷熱源に冷却し水蒸気を吸着
【右上】の熱交換器はバルブで遮断され何もしない
【左下】のタンクでは左上の吸着により水が蒸発し気化熱により冷熱を作り出す
吸収式ならぬ吸着式というのをはじめて知りました