ANA、基幹システム開発でNTTデータと成果報酬型の契約を結ぶ 28
ストーリー by headless
成果 部門より
成果 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
全日空では、3月から稼働している貨物事業向け新基幹システムで、NTTデータと成果報酬型の契約を結んでいるそうだ(ITproの記事)。
全日空はNTTデータにシステムの利用料金を月ごとに支払っているが、この利用料金が貨物の搭載重量によって変動するという。従来型の契約では数億円かかるとみられる初期費用も、ゼロになっているとのことだ。
1円入札新時代 (スコア:4, すばらしい洞察)
搭載重量の増減と基幹システムって、本来、成功報酬で結びつくようなものじゃないと思いますが、
関係の薄いものを結びつける契約の実績ができたとなると、役所の入札も変わるかもしれませんね。
サービス・メンテナンスで利益を出すことを見越して1円入札で契約を取ることが、
時々問題視されたりしていましたが、成功報酬契約ならそういう問題は起こりえません。
ただ、このやり方が普及すると、民間どうしの契約で、立場の弱いデベロッパーが、
成功報酬契約を強要されて初期費用はもらえない上に、
なんやかんやと理由をつけて成功報酬分まで値切られるという、ブラックなこともありえそうです。
Re:1円入札新時代 (スコア:3, 興味深い)
別にANAの収益がどうなろうと、システム構築費はほぼ変わらない筈なので、
(運用コストは、僅かばかりは変わってくるかもしれませんけど。)
考え方が、「システム構築費」と「金融商品:ANA貨物業績連動債(仮称)」を組み合わせた商品になってるんでしょう。
システム構築費を、ANA貨物業績連動債(仮称)で充当して、ANAが業績見合いでANA貨物業績連動債向けに利払いするロジック。
投資・金融サービス部分の収支で考えると、業績が不調だったときの取りっぱぐれリスクを考えると、
業績が好調な場合は、かなり割高な請求にしないと、収支が釣り合わないでしょうから、
ANAが支払う単価(という名の振り出し債券への利払い)は、結構な割高設定になってるんじゃないかなあ。
しかも、この純粋変動リスクに加えて、通常は要らない、投資・金融スキーム部分の管理運営費用も
乗って来るでしょうから、ANA的には、本当にトクなんかどうかは、イマイチ見えないかなと。
むしろ、個人的な予感では、あとあと、ANAのこのスキーム導入決定者は、後任から恨まれそうな予感。。。。。
一方、NTTデータからすると、ANA貨物業績連動債(仮称)を市場に売って、その販売益でシステム開発すれば
いいので、リスク取らなくてもシステム構築費が捻出できると。
さすがNTTデータ様。奥深い変態的な商品を開発しますなあ。という感想。
Re:1円入札新時代 (スコア:2)
コンサルティングからやってるとするならば、
コンサルの結果必要となったシステム投資費用は請求してもいいから、
成功したら効果のぶんだけ青天井で払ってねとも言えるわけで、
双方ずいぶん太っ腹な話です。
ある意味理想形とも言えますが、
コンサルの過程でデータが誤っていたとか、
重要なパラメータが抜け落ちていたとかで、
思うように利用が進まなかったとき、
容易に裁判沙汰に発展し、相当揉めそうな気がします。
Re:1円入札新時代 (スコア:2, 興味深い)
体のいい値切りやタダ働きでなければいいんだけど。
特に仕様決定に参画できない下請、孫請は「売り上げ伸びないから今月はこんだけね♪」と言われても辛かろうねえ。
まあ、それが嫌なら下請にならない、という選択肢はあるわけなんだけど。。。
Re: (スコア:0)
分割払い、しかも成功報酬型で、「今月は売上0だったから、おたくへの支払いも今月は0という事で・・・」
下請けに連鎖的な倒産が増えそうな予感がしますが・・・
Re: (スコア:0)
業績連動で受けるんだったらいいけど、上がっても貰えず、下がったら下げられるあこぎな契約じゃぁ、駄目だね
(まぁそんな割の合わない博打な契約を取ってくる営業の気がしれないが)。
多少安めでも人月単位で翌月末に支払ってくれて、業績が悪かったら追加報酬無し。業績が良かったら、その分追加報酬=少なくていいから臨時ボーナス。
あまりリスクの取れない中小としては、そのくらいがいい気がする。自分の作るシステムと違って、相手方の業績なんてコントロールできないからね。
重量課金 (スコア:2)
Re:重量課金 (スコア:2)
Re:重量課金 (スコア:1)
系列企業で特許申請ノルマが増えそうですなあ…
Re: (スコア:0)
なによりも、社保庁の年金管理システムをそうすべきでしたね。
みんな忘れたのか、最近話題にも上がらないけど、消えた年金なんて、未だに解決してないよ。
以下、wikipediaより引用 [wikipedia.org]
2007年(平成19年)6月、社会保険庁の年金記録管理システムを巡り、年間800億円超の保険料や公費が業務委託先のNTTデータに支払われていた事が国会の答弁により明らかとなった。「あまりにずさんな契約」と非難を浴びた。この報道に対しNTTデータはマスコミの報道が事実に反す
成果型契約で (スコア:1)
「謳っていた効果が無かったり、運用コストの増大分は、支払から差っ引ける契約」がいいな。
導入時には、部長がコンサルを山のように連れて来て、疑問を呈するスタッフを左遷・懐柔させながら、強引に基幹系や周辺システムを一新させたんだが、
納入されたシステムは重くて不安定で、それをカバーする運用がメッチャ大変で、ユーザからは文句ばかり言われる始末。
でも、役員会とかに提出される報告書には嘘ばかり書かれてる。上手く行っていない部分は、なぜかコミュニケーションの問題にされてるし、、
役員達もそんな報告書を100%信じているとは思えないんだが、事を荒立てても責任問題とかで面倒になるだけで、
実際にお金や時間が返ってきたり、効果が上がったりする可能性は低いと考えているから動かない。
指標や計測の仕方の問題もあるけど、成果型契約なら、実際に不具合が続いて運用コストが増えたり、謳っていた効果が無かった場合、
支払う費用が少なくなるから、役員達も動くだろうし、コンサルやベンダーも、口だけでなく実際の効果を上げられる人物を重用するようになるから、
業界全体がいい方向に進むようになると思うんだけどなぁ。
Re: (スコア:0)
体力ある大手しか残らなくなる
投資回収のめどが立たないので冒険したシステムは消えていく
逆に一発屋な売り逃げシステムもでてくる
品質の改善を担保する契約ではなくなる。既存サービスの保証程度(嫌なら使うな)
被害者はエンドユーザ
Re: (スコア:0)
現状と何が違うんですか?
Re: (スコア:0)
業界全体がいい方向に進まない
Re: (スコア:0)
不具合や運用コスト増大で、客から投資回収のめどが立たないシステムが前提ですか?
成果報酬? (スコア:0)
ただの従量制のように見えるのですが…
Re:成果報酬? (スコア:3, 興味深い)
元記事の大切な部分が欠けてるんだよ。
>「業績に応じてITコストを変動費化させるため、
>成果報酬型契約を結んだ。『事業が好調で
>払える時には多く、払えない時には少なく』ということ」。
Re: (スコア:0)
あるとき払いの催促なしってやつですな。
ANAとNTTデータという大手企業が導入したことで今後増加する可能性が高い。 (スコア:0)
ちゃう。
両者が前から良好な関係であることと、
NTTデータがITとしては超大手で多少の損失は屁でもないからできること。
発注企業の業績が悪ければ収入が減る契約なんかしたら、
IT企業の多くがちょっとした不景気でさっくり潰れる。
成果物の効果の評価はすればいい。
しかしそれを報酬連動にすれば、発注側が怠けてもIT企業側が必死に働いていいものができると思ったら大間違いだ。
Re: (スコア:0)
むしろ元請けであるNTTデータにやらせるのは難しくても下請けに押し付けるなら簡単ではとかいう
呉越同舟 (スコア:0)
個人的経験則ですけど、
・ANA:ユーザ企業、IT マネジメントに弱い。テスト期間は取るけど、いつの間にか本稼動になっていて、仕様とか追加とか曖昧。
・データ:SI 企業、納期、要求に厳しいけど、仕様について知っている人はいつの間にか他部署、もしくはプロパーじゃない。
こういう状況で長期の取引を成立させるにあたって、企業同士の妥協点が従量課金だったのではないでしょうかね。
ANA の腰が重いとは言いませんけれども、数億単位の稟議が透る頃には、新しいソリューションが出てる、なんてのはザラですし。
箱物の機械を買うより、サービスを売れ、といういみであれば、正常な進化だとおもいますよ(特にANA にとっては有益かと。
# 販社なのでAC
リソースを柔軟に運用できるようになったIT産業 (スコア:0)
IT産業側は、ある程度仮想化でリソースを簡単に増やしたり減らしたりできるようになった一方、
運送業界は近頃の燃料費の乱高下に国際情勢など不安定な部分が多い。
従来は需要の上下を運送業界が負う方が効率的だったが、柔軟な運用が可能になってきているIT業界の方がよりコストをかけずに需要の増減を吸収することができるようになったと。
運送業界側は景気が良くなってきて需要が増せば増すほど従来は固定されていた運用コストが増大して行くので儲けは少なくなる。だけれど儲かっている最中であればその程度の増加は簡単に取り返せるし、それよりも下落時の金が無いときに使いもしないリソースの分まで払い続ける事の方がリスクが大きいと判断したわけだ。
Re: (スコア:0)
仮想化された人的リソース、それは資本家のフロンティア…
Re: (スコア:0)
えっ?
派遣社員とか派遣社員とか派遣社員とか、
あと下請けとか孫請けとか曾孫請けとか、
仮想化された人的リソースは昔からIT業界の得意技では
Re: (スコア:0)
えっ?
末端は別にIT限定じゃないでしょ
Re: (スコア:0)
限定という言葉をどこから読み取ったの?
Re: (スコア:0)
末端という言葉をどこから読み取ったの?
重要なのはオフバランスでしょうな (スコア:0)
皆さん実務ついて論議されてますが、門外漢ながら小生思うに、この契約手法で重要なのは経営的なところで、オフバランスが出来るから良いよね!って事かと。
・ICTソリューションのサービス化が本格的になって来た
・クラウドが実用的になり、SaaSが当たり前
・ICTサービスの利用には、必ずしも資産取得の必要性が無い!
・株式市場への公開対象である財務諸表(バランスシート)の資産の部に、載せなくて良い!
(従来から有りそうな、サーバのリース契約は、法改正によりオンバランスとなってます。)