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AMD

GPUのプロセスルール縮小が遅れるAMDとNVIDIA 27

ストーリー by headless
縮小 部門より
GPUのプロセスルール縮小を進めたいAMDとNVIDIAだが、両社とも遅れていると報じられている。ただし、原因は技術的な問題ではなく、製造能力の問題だという(WCCF Techの記事ITworldの記事本家/.)。

NVIDIAは最新チップGTX 980/970を20nmプロセスで製造したかったが、実際には28nmプロセスが使われている。NVIDIAではTSMCに製造を委託しているが、20nmプロセスでの製造能力には限りがあるうえ、大半がAppleとQualcommに割り当てられているためだという。これを受けてNVIDIAは28nmから16nmプロセスへ一気に移行することを決めたが、16nmプロセスも20nmプロセスと同様に当初はモバイル向けチップの製造へ大半が割り当てられてしまうため、2016年初めに十分な製造能力を確保するのは難しいだろうとのこと。

一方、AMDのCPUはGlobalFoundariesが製造しているが、GPUはTSMCが製造しているため、状況はNVIDIAと同様だ。AMDは最新のRadeon R9 300シリーズに20nmプロセスを使用するが、製品の出荷は2月~3月まで遅れる見込みとのことだ。
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  • この辺りが参考になりそうです
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20140922_667855.html [impress.co.jp]
    プロセス微細化で期待するのは、トランジスタあたりのコスト削減と、トランジスタあたりのパフォーマンス(電力辺りの速度)向上です。
    前者のコスト削減に関しては、リンク先にあるように、CPU向けでは20nmの効果があるけど、GPU向けでは効果が小さい。
    後者に関しては、20nmのプレーナプロセス自体が28nmからあまり変わっておらず効果が小さい。
    結果、NVIDIAは20nmをスキップして16nmに移行することにしたと。

    では16nmになれば全部解決かと言えば、それもちょっと微妙。
    TSMCやGFの16nmは、配線層は20nmと同じで、トランジスタのみFinFETに変えたものを16nmと呼んでいます。
    なので、トランジスタあたりのコスト削減に関しては限定的になってしまいます。
    ただし、プレーナプロセスからFinFETになることで、後者のパフォーマンス向上は大きいはず。

    • by Anonymous Coward on 2015年01月13日 11時34分 (#2742620)

      加えてGPUの電力効率だと何気にメモリ周りも効果大で
      GDDR5からHBM [impress.co.jp]へのシフトに
      注力してきているのもあるんですよね

      現状と同じバンド幅なら電力1/2となり
      フルHDやアップコン4kならテクスチャ圧縮込みで十分
      ネイティブ4k以降も見越していて1024bitのバンド幅もいけます

      当面はネイティブ4kのコンテンツは世にあふれてきませんし
      次期リリースでHBMが盛り込まれるかどうか噂レベルですが
      GPU方面は密かにメモリ周り技術の方が熱いネタですね

      親コメント
  • by Lunar5 (39101) on 2015年01月12日 13時22分 (#2742241)
    個人的な語感の問題なのかもしれませんが、プロセスルールは「縮小」よりも「微細化」の方がしっくりくる気がします。
    辞書で引くと「縮小:小さく縮める事」なので、間違ってないハズなんですが、どうも違和感が……
    • by Anonymous Coward
      プロセスルールのの微細化は英語だと Shrink なのですが、これを日本語に翻訳する過程で 縮小 になってしまったのでしょうね。
      半導体業界をよく知っている翻訳者はちゃんと微細化と訳します。
    • by Anonymous Coward

      縮小(シュリンク)だと、「確立した回路を、新プロセスルールで置き換えてダイを小さくして歩留まり・量産性を上げる」
      微細化だと、「規模が大きくなった回路をダイの中に詰め込む」
      って感じです。回路をICに入れ込んでもらっていたほうから見た、あくまでも個人的な感想ですが。

    • by Anonymous Coward

      翻訳は縮小でいいのかもしれないけど、
      上手に書かないと「生産量の縮小」などに見えてしまうのが困る。

  • by Anonymous Coward on 2015年01月12日 17時13分 (#2742290)

    AMDの次世代GPUはPirates Islandsは2015Q1に出荷予定で、GlobalFoundriesの20nmを使ったものになる予定。
    詳しくは大原先生のPCテクノロジートレンドで。
    http://news.mynavi.jp/special/2015/trendspring/ [mynavi.jp] [PCテクノロジートレンド 2015 - 将来CPU/GPUから各種チップまで]

    TSMCの20nmは現状Appleがほとんどの生産を持って行ってて、16nmはさすがにあちこちの企業が殺到したためAppleはSamsungに戻る予定。
    SamsungはGFと組んでA9生産をするのでしょう。

    TSMCの16FF/16FF+は今のところHiSiliconのD01も動作済み、PCテクノロジートレンドのP8にあるグラフを見る限りでは設計より省電力高クロックで動いているので技術的な問題点は少なそう。
    逆にP7でIntelの14nmのトラブルの考察からTSMCやGFがこの問題に当たるのは10nmという(配線層を見ればこの問題に当たるのはTSMCの16nmではない)考察をされております。

    ちうわけで、大原先生の記事が結構詳しく解説してくれているので。

    • by Anonymous Coward

      読みましたが、FinFETのFin幅とプロセスノードの数字(いわゆる14nmプロセス等)を混同しているあたり、
      どこまで理解して書いているのか不安で、内容も信頼していい物やら。
      IntelのFinFETは、22nmプロセスの時点でFin幅が8nmと発表されていて、限界だと書いている10nmは超えていたのですがね。

      • by Anonymous Coward

        上記記事のリンク先をちゃんと読めばわかりますが
        「その時のゲート長が、ではいくつになるか? というと、例えばFinの幅が5nmとするとGateの方は10nmなのか、それとも15nmなのか17nmなのか、というあたりまでの分解能は無いんですが。そう考えると、まぁ10nmの所までで終わりかな、と。」
        なので、ゲート幅をインタビューで語っていますよね。

        今現在プロセスノードとゲート長はマッチングしていませんから、便宜的に付けられているプロセスノード名と実際のゲート長を同等に扱っても意味が無いと思いますよ。

        • by Anonymous Coward

          FinFETでFinの幅を議論しているのにゲート長を持ち出すって、余計に意味が分かりませんね。
          プレーナで言うゲート長(Length)って、FinFETではFinの奥行き方向に相当する部分であり、Finの幅とは関係ないです。
          Finの幅に相当するのは、プレーナではチャネルの深さに相当する部分です。
          ここの幅が狭くなると、キャリアの数に対する量子的なゆらぎの効果が大きくなってVthのばらつきが大きくなります。
          #それを突破できる可能性があるのが単電子トランジスタ
          元の研究者が誤解している可能性はないので(なにせFinFETの開発者なので)、理解せずにインタビューを書いてでたらめになっている気がします。
          ちなみにMOSではゲート長(Length)とゲート幅(Width)は別の物を表しているので、混同して書かない方がいいかと。

  • by Anonymous Coward on 2015年01月12日 13時10分 (#2742237)

    両者ともに、(ファウンダリ事業に力を入れ始めた)Intelに製造を頼むわけにもいかないだろうから厳しいですね。

    • by Anonymous Coward on 2015年01月12日 15時34分 (#2742264)

      よし、今こそ日本でファウンダリ事業を復活させるのだ

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2015年01月12日 16時33分 (#2742278)

        「言い出しっぺの法則」に従って、工場建設のための資金を出してくださいな。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          提案を評価せず、提案した行為に責任を追及するから日本はイノベートしないんだぜ。

          • by Anonymous Coward

            「復活させるのだ」という提案の唯一最大の問題点をシンプルに皮肉ってるだけでしょう。
            責任追及てw

          • by Anonymous Coward

            日本じゃなくたって、口で言うだけの奴はどこの誰にも相手にされんよ。
            口で言って、かつ実行力が伴わないと。

            というわけで、どうぞ実行に移してください。

    • by Anonymous Coward

      Intelも助けてあげればいいのにね
      性格悪い

      • by Anonymous Coward on 2015年01月13日 10時12分 (#2742594)

        某掲示板の某CPU会社では過去に
        「Intelの工場はIntelだけのものじゃない、某会社にタダで使わせるべき」ってのたまう人がおりましたな・・・

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        えっ?
        なんかアポなし面会断られたら、冷遇されたとかいっちゃう人ですか?

      • by Anonymous Coward

        プロセスに合わせて設計しないといけないので、Intelに持って行けば作れるってもんじゃないんだけど。
        #半導体プロセスを何だと思ってるんだろうか?

      • by Anonymous Coward

        おっしゃるとおりです。
        吉野家や松屋も、人手不足のすき家をたすけてあげればいいのにね
        性格悪い

  • by Anonymous Coward on 2015年01月12日 13時54分 (#2742251)

    そもそもTSMCもGFも16nmの立ち上げにすらまだ苦労している感じがあるのですが.....

    TSMCで安定しているのは20nmプロセスまでで,そこはここぞとばかりにARMの注文で埋まっています
    なぜならGFが20nmの時点で,自社開発してたプロセスが飛んでいるという惨憺たる状況なので

    というわけで,GPUまわり(AMDはCPUも)についてはしばらくイケてない状況が続くと思われます

    ちなみに,今のレベルの微細化を安定的にできてるのはIntel様ぐらいで
    そのIntel様でさえ14nmの立ち上げにけっこう苦しまれていたようです

  • http://ascii.jp/elem/000/000/930/930502/ [ascii.jp]
    本文読めてないですが、モバイル向けもあきらめるってこと?

    • by Anonymous Coward on 2015年01月12日 17時21分 (#2742295)

      要約すると、
      ・TSMCの20nmプロセスは低パフォーマンス高電力効率のプロセスとされていた。
      ・パフォーマンスを求める場合は16nmFinFETプロセスを使うようTSMCは主張
      ・それでも1Ghz 程度のパフォーマンスは出るだろうとNVIDIAは皮算用しサンプルの製造を依頼
      ・サンプル検証したが28nmと比べて性能の向上が見られないため20nmをキャンセル

      というものです。
      ダイの一部がホットスポット化するCPUと異なり、
      ダイ全体がホットスポット化するGPUの特性がパフォーマンスに影響したというのが筆者の見立てのようです。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        大原雄介氏の記事だからなぁ。他の記事だと事実関係の確認でおかしいのがあったりするんで。
        この記事は直接取材しているかどうか不明でかつ全体的に伝聞や憶測で書かれてるから、
        そういう見方もあるくらいにとらえておく方がいいかもしれません。
        利害関係に特にない我々は丸ごと鵜呑みにしてしまっても問題ないといえばそうですが。

        • by Anonymous Coward

          ちなみに Ando は 大原の説を支持 [geocities.jp]してるよ:

           この説明は正しいのですが,そんなことはMaxwell GPUのロードマップを計画した時から分かっている筈で,当初は20nmプロセスで計画されていたGM204が,28nmプロセスに変わったことの説明にはなっていません。やはり,9月13日の話題で紹介した大原さんの記事のような裏の事情がありそうです。

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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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