カナダ連邦最高裁、不正なWebサイトを全世界でブロックするようGoogleに命じることが可能との判断 23
果たしてインデックス削除は解決策なのか 部門より
カナダの連邦最高裁は6月28日、カナダ企業の知的財産を侵害するWebサイトについて、カナダ版だけでなく全世界のGoogle検索からインデックスを削除するようGoogleに命じることができるとの判断を示した(裁判所文書、CBC News、The Verge、Ars Technica、EFF)。
この裁判はブリティッシュコロンビア州のテクノロジー企業Equustek Solutions(E社)がGoogleを訴えていたもの。本件の始まりはE社の販売代理店だったDatalink(D社)が製品のラベルを貼り替え、自社製品のように販売したことだ。D社はその後、E社の企業秘密を入手して競合製品の製造・販売を開始したという。
E社は州裁判所にD社を訴えて2011年に勝訴するが、在庫の販売禁止などの裁判所命令にもかかわらず、D社はフランスに移転して販売を継続した。そのため、E社はGoogleにD社のWebサイトをインデックスから削除するよう要請したが、D社のインターネット上での営業を禁止する裁判所命令が必要だとして要請を断る。
E社の請求により州高等裁判所はD社が任意のWebサイトで営業を続けることを禁ずる差止命令を発布する。しかし、Googleはインデックス削除の対象をD社のWebサイト全体ではなく特定のページのみとしたため、D社はURLを変更することでGoogle検索が可能な状態だったという。
さらに、Googleはカナダ版(google.ca)でのみインデックスの削除を行ったため、E社はD社のWebサイト全体を対象とし、全世界のGoogleでインデックスを削除するよう命じる差止命令を勝ち取る。Googleは州控訴裁判所への控訴が棄却されたため、連邦最高裁に上訴していた。
GoogleはE社が被害を受け続けていることについては異論を示さなかったものの、カナダ以外でのインデックス削除は各国の主権侵害になると主張。また、裁判所命令は表現の自由を侵害するとして、EFFなどがGoogle側を支援していた。
最高裁ではE社がフランスでD社を訴えることが可能との意見も出たが、国境のないインターネット上でE社の被害を軽減するには全世界でインデックスを削除する以外になく、表現の自由は複数の裁判所命令に反して違法な製品を販売するためのものではないなどとして、7対2で州控訴裁判所の判決を支持する結果となった。
ICANNに言えばいいのに (スコア:3, 興味深い)
Googleのインデックスから消したところでリーチサイト的な対応取られたら消えないし、Google以外のサーチエンジン、さらにはサーチエンジンと同等の機能を持つプロバイダ(大手SNSとかね)にも手を伸ばさないといけなくなるだろ。
本当に有害で無条件にブロックする必要があるんだったら、ICANN訴えてドメインごと失効させるのが手っ取り早くて良いんじゃないかねぇ。
国境飛び越えてGoogleに命令できるんならICANNにだって同じように言えるだろ。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
ICANN自体は直接ドメイン管理せず、単なるポリシーメーカーですよ。
JPNICがリジェクトした案件を、ICANNに持って行っても「はぁ?」で終わる。
被害を受け続けていることを認識している (スコア:0)
にもかかわらず表現の自由やら主権の侵害を持ち出して対応しないのはなぜ?
Google様が自身の都合で検索の結果を操作するのは侵害にならないの?
Re: (スコア:0)
どっかの将軍様『風評被害を受けている。事実無根。全部消せ。うちの国の最高裁判所がそう判断した。』
主権 (スコア:0)
インターネット上では一律に消すしか問題解決できないのはその通りだが、だからといって主権が及ばない範囲に命令できるわけないんだけど、なんじゃこりゃ?
Re:主権 (スコア:1)
「主権が及ばない範囲に命令できるわけない」というのが私にはよく分かりませんでした。
裁判所の裁判により命令される行為は国内における行為に限定されなければならない、とお考えでしょうか。そうだとすると、現実にはそのような解釈はされていないと思います。
もちろん、判決を強制執行するためにカナダの役人が外国へ行って強制的に何かをするとかいったことがあれば執行管轄権の侵害として国際法違反となると思いますけど、そういう話ではないですよね?
Re: (スコア:0)
そう言えば、北朝鮮は韓国の朴クネ前大統領に死刑を宣告しましたな。
Re:主権 (スコア:1)
そうですね。韓国で死刑を執行しようとしたらその時点で国際法違反となります。
Re: (スコア:0)
海外で発生した行為が自国の主権範囲で影響を及ぼしている時は、命令するのは珍しい事では無いよね。
お陰で海外エロの逃げ道は無くなった。
Re: (スコア:0)
まあ、命令することはできるかもしれんが、その命令が実効を持つかはまた別な話だな。
Re: (スコア:0)
こういう時法人の方が厄介になるな。google.caとgoogle.comに資本関係がなくて、インデックスだけ互いに融通しあうような連合体だったら、突っぱねられるんだろうけど。
Re: (スコア:0)
でも往々にして相手国も対応するから結局は実効力は出ているパターンが多い。
捜査の協力や犯罪者の引き渡しの取り決めが有れば猶更。
Re:主権 (スコア:1)
民事なのに…
Re: (スコア:0)
日本でいう「間接強制」のような手が使えます。命令に従わないなら1日いくらで延々と損害賠償を取り続けます。
仮にgoogle.comとgoogle.caが会計的に別で、カナダの裁判所はgoogle.caからしか賠償金を取れないとしても、google.caがそれで倒産するとなったらgoogle.comも対応しないわけにはいかないのでは。
なお実際に賠償金を取るのは裁判所じゃなくて被害を受けてる企業と思われ。(罰金じゃないので)
よし宇宙にサーバーを立てよう (スコア:0)
軌道上か月
Re:よし宇宙にサーバーを立てよう (スコア:2)
Re: (スコア:0)
検索する前に「月は出ているか?」と言うんですね。わかります。
Re: (スコア:0)
レスポンスが最悪やぞ
Re: (スコア:0)
月まで光速で1.3秒だから、地球の裏側から送ることを考えると、1.3*7.5*2≒20倍程度の遅延しかないことになる。実際には機械部分の遅延も大きいから、伝送部分の遅延はより、気にならなくなるんじゃないかと。
Re:よし宇宙にサーバーを立てよう (スコア:5, 興味深い)
TCPのような「コネクション型」のプロトコルでは、どうしてもRTTが最大通信速度に影響します。
その影響度はプロトコル設計次第なのですが、TCP/IPはものすごく足を引っ張ります。
具体的には、TCP/IPの「ウィンドウサイズ」は最大64KiBで、64KiBのデータを送ったら先方からの応答が返ってくるのを待つ必要があります。
そのため、RTTが2.5秒の月に対して直接TCP/IPで通信すると、「2.5秒間で64KiB=524kbit」で、200kbpsが理論上の最大通信速度になってしまいます。
(地球の裏側なら、RTTが0.133秒なので「0.133秒間で524kbit」なの、理論上の最大速度は4Mbpsぐらい。
この差はかなり大きいでしょう。
衛星インターネットとかだと、衛星との直接のやりとりは独自プロトコルを使った上で、末端側では通信相手と直接のコネクション管理をせずに、手元でいきなりACKを返すことで、RTTが長いことによる通信速度低下を防いでいたりします。
Re:よし宇宙にサーバーを立てよう (スコア:3, 興味深い)
IANA の well-known ports → https://www.iana.org/assignments/service-names-port-numbers/service-na... [iana.org] を見ると UDP でも http はアリなことになってます。
そこでっ!強力なエラー訂正できるようにして UDP で垂れ流しなら、 RTT に関係なくバースト転送できますね。
サーバと中継器の能力次第って感じ?
Re: (スコア:0)
UDPでHTTPするなら、Google発のQUICがあります。宇宙時代が来ても大丈夫です。
ところで、IANAの登録については、単に昔はTCPとUDPのうち片方だけ登録ができなかっただけだったからではないでしょうか?
Re: (スコア:0)
シーランド公国でも買った方が良いかもね。