自費出版した本は文学賞の候補に選ばれるべきではない? 82
ストーリー by hylom
「書店賞」なら仕方がないが 部門より
「書店賞」なら仕方がないが 部門より
あるAnonymous Coward曰く、
フランスの文学賞「ルノードー賞」の2018年の候補作として、Amazonのオンデマンド出版サービス「CreateSpace」で自費出版された作品がノミネートされたのだが、これを巡りフランスの書店団体が抗議を行うという、異常な光景が繰り広げられているという(GIGAZINE、Guardian)。
抗議を受けたのはイスラエル系フランス人のルコ・コスカス氏著の「Bande deFrançais」という作品で、同氏は普段は既存の出版社から出版していたものの、それを断られたため止む無く自費出版したという。結果、文学賞の候補に選ばれるほどの評価を得たのだが、書店団体は同作がAmazon独占販売であることから、書店に不利益を与えるものだと反発、賞の候補から外すよう求めているという。
これに対して作者のコスカス氏は、「フェアプレー精神の欠如」「ミスを犯した出版社こそが責められるべきだ」と当然ながら激しく批判を展開、またAmazonからの出版では遥かに柔軟な契約が可能であることなどを示し、既存の出版業界に改善を求めている。タレコミ子としても、書店から出版した本でなければ文学賞の候補になるべきではないというのは、あまりに暴論だと思われる。
元々の基準によるんじゃない? (スコア:3)
それは批判されるべきではないだろう。
Re:元々の基準によるんじゃない? (スコア:1)
Wikipediaでチラ見しただけですが、その賞って書店の(不)利益とは関係なさそうですね。
Re:元々の基準によるんじゃない? (スコア:2)
評論家の方が柔軟というのが嗤える。
既得権益? (スコア:3)
書店で本を買ってもらいたいから作った「本屋大賞」とかならそりゃネット専売の本をノミネートするなというのはわかるけどこの賞は別にそういう賞ってわけでもないんでしょ?本屋側の横暴って気がする。
Re:既得権益? (スコア:2, 興味深い)
仏カンヌ国際映画祭は運営資金スキーム上、仏文化特例制度遵守義務があり、仏国内での公開が義務付けられる上に、一般公開日後のメディア化や動画配信の際に規定のスケジュールを守らない場合には出品が認められず、Netflix制作の作品が排除された事の二匹目の泥鰌を狙っているのだろう。
賞運営資金スキームの違いには気付かない振りで。
Re: (スコア:0)
中身だけを評価する賞なら外形が何であろうと関係ないよね
Re: (スコア:0)
文学賞は中身だけを評価するものじゃないからね。
例えばwikipedia [wikipedia.org]だとこう書かれてる。
> 主催者・出版社・編集部などの求める販売戦略や人物像と合致しているか、賞の理念と相反していないかなどといった
> フィルターが掛けられ、膨大な応募作品や対象作品から数次にわたってふるい落とし、最終候補の数点まで絞り込んでいくのが一般的である
Re: (スコア:0)
文学賞に対して「内容を問うな、経緯を問え」と言うのは、
自分たちが売っている物に対する冒涜ではないのかな。
と言うか、「Amazonさまお願いしますだ、この本うちでも売らせてくんろ」とまでへりくだれとは言わないが、
良い物なら是非売りたいという本に対する真摯な姿勢を見せるのは、
世間や街の書店を愛するユーザーに対するメッセージにもなるのでは、と思うのだけれど。
Re: (スコア:0)
テンプレどおりのネオラッダイト運動ですね
このような動きがあることこそ、出版は衰退産業である証左
滅びはしないだろうけど
Re: (スコア:0)
そもそも紙媒体で出さないのは冷や飯食わされた作者の意向でAmazonとの契約のせいなの?
どっちの媒体でも出てる本はたくさんあるよね。
Re:既得権益? (スコア:1)
今からでも一度断った出版社が土下座して頼めばいいだけ(プライドが許さないと思うけど)
オンデマンド出版より印刷費用が高くなるはずはないから
著者の取り分が同じなら安く出版できる
Re:既得権益? (スコア:1)
>著者の取り分が同じなら安く出版できる
"出版社と取次や配送業者に書店の取り分" と "Amazonの取り分" のどっちがでかいんだろう。
Re:既得権益? (スコア:1)
>#最終価格云々より単に中間費用を比較したかっただけなのかもしれないけど
#3486641 で言う所の「著者の取り分」以外を比較したらどうのかなと思った #3486857 でした。
Re: (スコア:0)
GIGAZINEを読めばわかるけど、紙媒体でも出てます。
紙媒体の出版元と販売が出版社でなく本屋でなく全てアマゾン。
作者は元々、普通の出版社を通じて紙媒体で出したかった。
でも、どの出版社も出版してくれなかった。
なので、CREATESPACEを通じて、自費出版(紙媒体に製本して販売もされる)した。
この時点でCREATESPACEはAMAZONのサービスで独占販売になるんじゃ?。
って経緯。
普通の出版社が出している本をさらにAMAZONでも電子出版するのとは経緯も契約も違う。
Re: (スコア:0)
図書番号ISBNを取得すれば書店でも扱えるはず。
ケチって取らなかった?
Re:既得権益? (スコア:2)
それこそ書店または取り次ぎが著者と交渉すれば書店で売ること自体は可能だと思うのですがね。
まあ,日本同様にサービスが開始されてないから無理,ってだけの話?
にしても小売りが著作者の立場を軽く見過ぎじゃねえの? やっぱ労働組合の国,ストデモのメッカ,フランスだから?
Re: (スコア:0)
オンデマンドって注文入ったらそれだけ印刷するやつだろうし
書店が扱うにはアマゾンから買って転売するしかないんじゃないかしら
Re: (スコア:0)
経緯は置いといて、仮に作者の気が変わったとして、別の出版社から出版することをAmazonとの契約は禁じてるのかなと。
売れると見込めるなら,まずは出版交渉だろ,常考 (スコア:2)
その作品にどれだけ金が積めるか,という問題だろうに。出せないんだったら文句言うな,というか。
フランスってそういう国だしなぁ (スコア:1)
もともと、フランスは書店の保護政策のために対Amazon法を作るような国だし、作者本人はお冠かもしれないけど、Amazon独占ってだけで書店からは目の敵にされるのもそんなに不思議ではない。
フランスで大手ネット書店に対し書籍の無料配送を禁止する法案が可決、Amazonは「1円配送」で対抗 [it.srad.jp]
Netflixが「フランスで劇場公開された映画は公開後3年たたないとストリーミング配信できない」かつ「カンヌ国際映画祭はフランス国内で上映された映画でないとノミネートできない」という条件が満たせないからって理由で映画祭から撤退したなんて話もあったし、保護政策ガッチガチのフランスらしい騒動という感想しか出てこないね。
Netflix、カンヌ国際映画祭から撤退 [it.srad.jp]
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:フランスってそういう国だしなぁ (スコア:2, 参考になる)
そうだよね
やっぱりフランスだね!いつまでたってもフランづはフランスだね!
で済む話
フランス人権宣言(人間と市民の権利の宣言)を見ればいかに傲慢で独善的であり差別主義者であるかわかる
中には現代の感覚で「フランス人権宣言は素晴らしい」て思っちゃてる人がいるけど
「フランス語を話し教育を受けることができる人以外は市民どころか人間ですらない」って宣言しなう国だもの
Re:フランスってそういう国だしなぁ (スコア:2)
フランス人権宣言(人間と市民の権利の宣言)を見ればいかに傲慢で独善的であり差別主義者であるかわかる
中には現代の感覚で「フランス人権宣言は素晴らしい」て思っちゃてる人がいるけど
「フランス語を話し教育を受けることができる人以外は市民どころか人間ですらない」って宣言しなう国だもの
今年六月にフランス下院は憲法1条の「フランスは、出自、人種若しくは宗教の区別なく、すべての市民の法の前の平等を保障する」という条文から、「人種」の語を削除する修正案を可決しました。
人間には「人種」なるものはなくすべて同じ人間だから。憲法に書いているということは「人種」の存在を認めることになる、というのがその理由。
ちょっとスゴいですよね。さすが人権のメッカです
http://www.afpbb.com/articles/-/3180356 [afpbb.com]
Re:フランスってそういう国だしなぁ (スコア:2)
さすが人権のメッカです
人権がスゴい、ってことの比喩に、イスラム教最大の聖地を持ってくる感覚、アバンギャルド過ぎて嫌いではありません。
Re:フランスってそういう国だしなぁ (スコア:1)
書店じゃないけど出版社からの出版を断られた結果Amazonで自費出版してますね。
抗議を受けたのはイスラエル系フランス人のルコ・コスカス氏著の「Bande deFrançais」という作品で、同氏は普段は既存の出版社から出版していたものの、それを断られたため止む無く自費出版したという。
「お門」か「筋」か違うっぽい
レコード大賞 (スコア:1)
はレコード出してなくても良かったのに
Re: (スコア:0)
小説はいつの間にか侵食してるて事あんましないからねえ
SFのアイデアから生まれたガジェットとかもオリジナルを辿ったり主張したりすんの音楽より難しいし
描いた架空の風俗が流行ったところでオリジナル作品との差異はどうしても大きくなるだろうし
Re: (スコア:0)
ノーベル文学賞なんかボブ・ディランなんだぜ
Re: (スコア:0)
コジコジのOPが文学的だったからですかね
でも作詞のさくらももこが受賞するべきだったのでは
#根本から間違えている
Re: (スコア:0)
娘に「あ、コジコジの曲だ」と言われたのは電気グルーヴの「A」の収録曲。知らんかった。
日本では? (スコア:0)
芥川賞はよく純文学誌に掲載された、未単行本化作品が受賞している。
ゆくゆくはネットで発表された作品が受賞したりするのかな。
Re: (スコア:0)
純文学誌なら本屋で取り扱えるだろうから文句はつかないんじゃないかな。
芥川賞の選び方 (スコア:0)
> ネットで発表された作品が受賞したりするのかな
芥川賞の選考方法は、
で1次選考が行われるそうだから、ネット発表作品でも1次選考に上がる可能性はある。ただ、芥川賞と直木賞は出版社の大人の事情に左右されるから、発表媒体がネットのみだと厳しいかな。
とはいえ、最近では編集者がネットから作品を拾ってきて、紙媒体で出版するルートがかなり整備されているから、こっちに乗るとネット発の作品でも選ばれる可能性はある。
Re:芥川賞の選び方 (スコア:2)
Re: (スコア:0)
「202x年の芥川賞は…小説家になろう連載『xxxx』です!」
とかなったら面白いなぁ。まあ普通に考えて事前に出版されちゃうけど。
Re: (スコア:0)
同人誌がありならネット小説もありだよなあ。
受賞段階でネットしか流通してなくても、「史上初!芥川賞受賞ネット小説」ってだけで売れそうだから、ノミネート段階で出版社がツバつけるよね。
Re:芥川賞の選び方 (スコア:1)
>純文学は誰か名の通った人
障子に穴を穿つ描写と肉筆原稿が解読困難な大物悪筆小説家をたぶらかすと吉?
スポンサーになればいいだけ (スコア:0)
Amazonがスポンサーになって審査員でも送りこめよ
Re: (スコア:0)
この件の行く末がどうなるかは分からないけど、この記事だけ見ると立場が逆で、本屋連合が新しく本屋大賞でも作れよって話では。
Re: (スコア:0)
今回は文句つけてるのが本屋なので、
>スポンサーになって審査員でも送りこめよ
は本屋に対して言うべきことだろう。
DRM (スコア:0)
今回のが該当するかは知らないが、個人的にコピー禁止のDRMが掛かった電子出版物に書籍前提の賞を与えるべきじゃないと思った。
理由は、紙の書籍に存在してる利便性や保存性を備えていないから。
「端末が壊れたら読めません」じゃ揮発する情報で、そんなあやふやな物に伝統的な価値は無い。
ページ単位でコピー出来ないなら、名文を保存することも出来ない。
DRMの掛かったテキストは、既に文字情報じゃないと思うんだよね。だから文字列に与えられる賞は対象外にするべきじゃないかな?
-- Buy It When You Found It --
Re: (スコア:0)
電子書籍ではなく、オンデマンドで紙媒体に印刷されているものが審議されているようですが。
紙にDRMがかかっているかどうかは調べてませんけれども。
Re: (スコア:0)
なら、流通の問題だね。
でも、「アマゾン出版」からの刊行物を一般書店が流通出来ないなら、それは書籍なのかって疑問も出るね。
ま、コストの問題で流通出来ないってだけなら一般書籍扱いで良いだろうけど。
-- Buy It When You Found It --
Re: (スコア:0)
自費出版は、書籍に含まれないんだ……。
流通はAmazonが担ってて、誰でも普通に購入できるけど、それでも書店に置けなかったら書籍じゃないんだ……。
流通できない原因は出版社が拒否したからなんだけど、書籍じゃないんだ……。
出版社ってすごいんだね。
Re: (スコア:0)
俺が持ってる本、燃えたら読めなくなるんだけど。
あやふやなで伝統的な価値が無くて困るわ。
今度から電子書籍で買って、保存したい文章はコピー機使ってコピーしとこ。
Re:DRM (スコア:2)
石板に彫り込もう。
Re: (スコア:0)
DRMアレルギーを拗らせて根拠ガバガバ過ぎない?
紙の本なんて燃えるし破けるし虫に食われるし紫外線で漂白されるっていう代物だし
紙の書籍でページ単位でコピーってのがコピー機にかけることなら電子書籍でもできるし
保存場所に困って捨てちゃいましたなんて図書館でも起きてるし
文字情報だの文字列だのに至っては意味不明すぎない?
Re: (スコア:0)
賛成だな。
ただ国立国会図書館にDRM無し版の納本義務を課すとかなら理解できる。
現状はDRM付き電子書籍に対して納本義務はない。
文学賞という文脈では受賞時にDRM無し版を納本させるとか。
知らん内に手元の本の中身が書き換わったり消えたりするってのは話にならない。
受賞するのは厳密にはある特定の版に対してだが、その入手可能性が期待できないと混乱を招く。
今回はオンデマンド印刷の話だけどね。
俺たちが気に入らない本は人の目に晒すな (スコア:0)
現在日本の文学界では何かしら文学賞を取らないとスタートラインにも立てないそうだ。
で、審査員が思想的にいくらか偏っているせいで、要は左翼で、それと異なる思想に基づく本は出せないと聞いた事がある。
ただ普通に例外はある気がするけど。
眉唾だけどある程度そういう傾向はあるはず。
直近でも出版社に圧力を掛けて言論をつぶそうという動きもあるし、出版できないと文学も論評も「ネットの意見」というだけだという事にされかねない。
俺たちを通さない本は文学賞を与えるなというのは彼らに民主主義国では政府でも不可能な検閲の権利を与える事に他ならない。
さすがにおかしい。
まぁ出版文学賞ってのがあってもいいと思うけどね。
それは出版されてない本も公平に審査される文学賞があっての事。
Re:俺たちが気に入らない本は人の目に晒すな (スコア:2)
現在日本の文学界では何かしら文学賞を取らないとスタートラインにも立てないそうだ。
で、審査員が思想的にいくらか偏っているせいで、要は左翼で、それと異なる思想に基づく本は出せないと聞いた事がある。
ただ普通に例外はある気がするけど。
眉唾だけどある程度そういう傾向はあるはず。
なんつーか、どこから突っ込んでいいのか判らんくらいヘン。
Re:俺たちが気に入らない本は人の目に晒すな (スコア:1)
例外はあって、例えば京極夏彦 [wikipedia.org]は、本が出た後に賞をもらってるね。