パスワードを忘れた? アカウント作成
14012248 story
EU

EU司法裁判所、「忘れられる権利」による検索結果からの除外はEU加盟国の国別TLDバージョンのみが対象になるとの判決 10

ストーリー by hylom
踏み込んだ 部門より

headless曰く、

EU司法裁判所は24日、「忘れられる権利」による検索結果からの除外要請を受けたサーチエンジン運営者は、その人物を全世界の国別TLDバージョンから除外する必要はないが、すべてのEU加盟国の国別TLDバージョンから除外する必要があるとの判断を示した(裁判所文書プレスリリースPDFVentureBeatThe Guardian)。

この裁判は、サーチエンジン運営会社が自然人による検索結果からの除外要請を受諾した場合、全世界の国別TLDバージョンから除外する必要があるとのフランス・情報処理と自由に関する国家委員会(CNIL)による決定にGoogleが従わず、10万ユーロの罰金を科されたことを不服としてフランスの行政最高裁判所にあたる国務院に訴えたことから、国務院がEUおよびフランスの法令をどう解釈するか事前判決をEU司法裁判所に求めていたものだ。GoogleはEU加盟国の国別TLDバージョンでのみ除外処理を行っており、IPアドレスによるジオブロッキングによる対策も提案していたが、CNILは対策が不十分だと判断していた。

EU司法裁判所では、忘れられる権利が絶対的な権利ではなく、他の基本的人権とのバランスを取って適用されるべきだとし、EUの法規は除外要請を受諾した場合に全世界のTLDから除外することを禁じてはいないものの、必ずしも除外が義務付けられているわけではないと判断。一方、EU加盟国の国別TLDバージョンのサーチエンジンからはすべて除外する必要があると判断している。ジオブロッキングについては、EU加盟国内のユーザーが検索結果から除外された人物の名前をEU域外バージョンのサーチエンジンで検索するのを妨げる措置が最低限必要だとも判断している。

本件に関しては1月、EU法務官が同様の意見を示していた。EU司法裁判所の判断はEU法務官の意見と一致することが多いものの、ハイパーリンクを張る行為が著作権侵害にあたるかどうかについては意見が分かれていた。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2019年09月27日 19時07分 (#3692490)

    インターネットには国境がないとはいえ当然の帰結。

    ところで、EU法はEU圏向けサービスにしか適用されないことが明確化されると日本国内で困る人がいますね。「EU圏からのアクセスがあるWebサイトはGDPR対応が必要」と嘯いてきたITコンサルとか。

    明らかに日本向けのサービスしか展開していないWebサイトでも、GDPRの個人情報取得同意ダイアログが表示されるのは、そういう人たちが頑張って営業したおかげなんですよね。いや、もちろんGDPRの主旨に賛同して(法的な義務がなくとも)自主的に同意を取得しようというのなら素晴らしい心掛けですが。

    一方、ジオブロッキングに関する判断は精査する必要がありそうですね。GDPR対応においても「必要なければEU圏からのアクセスをジオブロッキングしましょう」といったアドバイスが幅を利かせているわけですが、IPジオロケーション判定というのは技術的な緩和策に過ぎず、誤判定の可能性がある(今月NURO光の件 [it.srad.jp]が話題になったばかりですね)ので、法的な判断とは分けて考えるべきだと思うのですが……極論、国内外のあらゆるサービスでEU法に対応するためのジオブロッキングが必要ということにならないでしょうか。

    • by hjmhjm (39921) on 2019年09月28日 12時18分 (#3692778)

      この判断は、サーチエンジンと「忘れられる権利」のかねあいに対するもんやろ。
      それ以外がどうなるかはわからないままなら、GDPRによるリスクはほとんど下がっていないので、結局は、対策しておいたほうが安心。

      Googleだからこそ、先方はクレームしたし、Googleは従わなかったし、先方は罰課金したし、Googleは裁判に訴えたし、最後は先方のクレームも罰課金も無効になった。
      並の企業は、ここまでガチの対応ができるか?裁判以前に、海外からクレームが来ただけでもイヤなんじゃないか?

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      おっしゃるとおりです。

      インタネットは自由な空間であり、制限を設けようとすること自体ナンセンス
      自国内のプロバイダーに限定するならまだしも、

      そもそもジオロケ自体曖昧で
      IP割り当ても意味をなしませんし
      ドメイン割り当ても意味をなしません

      ITコンサルとかのEU法謎解釈が幅を効かせた結果
      日本のITが一層混迷を深め萎縮していったとも言えます。

      自主的に→めんどいので
      「我が社のネット戦略は自国限定で…」
      「いえネット業務からの全面撤退がよろしいかと…」
      「決をとります…一同…」
      「異議なし…」

      これですね

      結論…EU法爆発しろ!(違う

    • 最後の預言者を批判すると暗殺されるらしいが。

      嘘か本当か愛知県知事と津田に表現の芸術的限界に挑んでほしい。

  • by Anonymous Coward on 2019年09月27日 17時59分 (#3692453)

    自国の都合で好き放題できるじゃん
    これまでのEU法の解釈が異常だったわけで…
    そりゃ国境越えて法律適用されたらみんな困るわ

    • by Anonymous Coward

      なんかそれ最近聞いたことある気がしたけどアメリカじゃないか。

  • by Anonymous Coward on 2019年09月27日 18時01分 (#3692455)

    行き着く先はもうこれしかない

    • by Anonymous Coward

      そりゃ「天安門」とか早く忘れて欲しいもんな

  • クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

    • by Anonymous Coward

      全然関係ない文コピーペーストして何したいの?

typodupeerror

ソースを見ろ -- ある4桁UID

読み込み中...