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恐竜が代謝による体温調整を行っていたことを示唆する研究成果 29

ストーリー by hylom
意外と高い 部門より

headless曰く、

イェール大学を中心とした研究グループによれば、恐竜が代謝による体温調整を行っていたことを示唆する研究成果が得られたそうだ(YaleNewsScience Advances掲載論文)。

これまで恐竜の体温を推計するには、不確実な成長率と体温の関係や、母液の同位体構成に依存する酸素同位体比法が用いられてきた。今回の研究では重い同位体同士が結合した「凝集同位体」を含む分子の存在度が温度によって変動する仕組みにより温度を推定する炭酸凝集同位体温度計を使用。恐竜の主要な分類群である鳥盤類・竜脚形類・獣脚類の保存状態の良い卵化石を用い、母体内で卵殻が形成されたときの温度から体温を推定している。

ルーマニア・ハツェグ地域で発掘されたマジャーロサウルスなどティタノサウルス類(竜脚形類)の矮小種とみられる卵化石サンプルでは、母体の体温が36℃±1℃と推定される。この体温は現存する内温動物の体温の範囲内(34℃~44℃)に収まり、気候モデルによる発掘地の古緯度における当時の年平均気温(~30℃)を上回っている。

カナダ・アルバータのオールドマン層で発掘されたトロオドン(獣脚類)の卵化石サンプル(3点)から推定される体温は38℃±4℃・27℃±4℃・28℃±3℃、マイアサウラ(鳥盤類)の卵化石サンプルから推定される体温は44℃±2℃となる。トロオドンの体温の最高値とマイアサウラの体温は現在の内温動物の体温範囲内に収まり、軟体動物の殻から推定される発掘地点の最高温度(25℃±1℃および28℃±2℃)を大幅に上回るとのこと。

今回の研究で推定された恐竜の体温と、オビラプトロサウルス類や大型の竜脚類に関する過去の研究とを組み合わせることで、代表的な恐竜の3分類すべてが環境温度よりも体温を高くしていたことを示すものであり、鳥類の代謝による体温調整の仕組みが恐竜から受け継がれたものであることを示唆するという。また、羽毛を持つ恐竜は、体の小型化に伴って体温維持が重要になったことで選択的に出現した可能性もあるとのことだ。

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  • by minet (45149) on 2020年02月26日 15時12分 (#3768774) 日記

    鳥の羽根は最初は飛ぶために生まれたんじゃなく、保温作用として進化したんじゃないかという説はあったが、それが強化された感じだな。
    恐竜がそもそも温血的だったから、小型化すると保温で不利→毛で保温できる個体は有利→羽毛が進化→小型で軽くて羽根が空気をはらむ=飛ぶための条件が整う、という流れが生まれるわけか。

    • by Anonymous Coward

      たしかに理にかなっていて興味深いですね。
      とすると、身軽でモフモフな猫はかなり条件を満たしてきているので、そろそろ飛ぶのではないだろうか?

      • by Anonymous Coward

        確かに、哺乳類からは「膜系」の蝙蝠やムササビは出たが、羽毛系の飛行生物は輩出できていない。ライバルである爬虫類からは鳥類が生まれているのに、制空権で大きく後れを取っていると言えるのではないか。再び爬虫類系生物に覇権を奪われないためにも、比較的小型で空中姿勢制御に優れたネコ科哺乳類にはもっと進化を頑張ってもらいたいところ。

        • by Anonymous Coward
          覇権の定義次第ではあるけど
          哺乳類ってのは古生代に進化のピークを迎えて全世界を支配した後はペルム紀の大絶滅で滅んでしまって、我々はその残滓にすぎないわけで
          中生代新生代と着々と進化を進めた恐竜や鳥類には到底かなわんと思うよ。
          • by Anonymous Coward

            それは哺乳類よりさらに上の枠の単弓類の話では?
            たしかに「恐竜の一部が現生鳥類として残っている」という話と同様に「単弓類の一部が現生哺乳類として残っている」と言える点で似ているけど

          • by Anonymous Coward

            やはり難しいのか。気嚢システムを知ったとき、なんて合理的なんだと感心した。それに比べて腹式呼吸で単純に呼吸量を増やせばいいじゃないとか、そのためなら肋骨減らしちゃっていいじゃないとか、哺乳類の祖先たちの進化の手抜きぶりに落胆した。気嚢システムは複雑な分故障しやすいとは言うが…負け犬の遠吠えじゃないのか…?それもいずれ克服されて哺乳類が生物として劣っていることが決定的になってしまうような気がする。

            • by hjmhjm (39921) on 2020年02月27日 13時29分 (#3769297)

              単純なしくみをうまく使えたほうが種として格上な気がするぞ?
              変化しぎると袋小路に入って、あともどりできなくなりがちだしな。

              親コメント
            • by Anonymous Coward

              でも走りながら呼吸出来るようになったのだから、気嚢の無い爬虫類よりは大きく進歩しているじゃない

              低地で暮らすのなら酸素不足とかにはなかなかならないんだから、酸っぱいに違いない高高度の酸素なんか欲しいとか思ってませんよ!

      • by Anonymous Coward

        猫 I can fly で検索すると、もう飛んでるみたいですよ

        #墜落の覚悟がある者だけが空を飛びなさい

        • by Anonymous Coward

          私は堕落の覚悟があるので空を飛びます。

          #お兄様、あなたは墜落しました!

      • by Anonymous Coward

        「銀河ヒッチハイクガイド」に記載されているという「落ち損なうことで飛ぶ」理論からすると
        うまく落ちることに長けた猫は飛びにくいのかもしれません。

  • by Anonymous Coward on 2020年02月26日 13時18分 (#3768698)

    夢のない話だ…

    • 恐竜が鳥類というより、鳥類が恐竜(の生き残り)ですね
      恐竜の研究者、例えば科博の真鍋先生や對比地先生などの話を聞くと
      「鳥類を含む恐竜は~」
      というフレーズがたびたび、しょっちゅう、よく出てきます

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2020年02月26日 13時24分 (#3768702)

      恐竜も鳥っぽい味だったのかな~
      とか夢が広がるじゃないか

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        恐竜も鳥っぽい味だったのかな~

        アイザック・アシモフ作「父の彫像」は恐竜肉が鶏肉に似ていてさらに美味しいというネタが盛り込まれてます。ワニ肉を食べた経験(鶏肉っぽいと思った)からすると恐竜も案外美味しいのかもしれないと思ってます。

    • by Anonymous Coward

      人間が空を飛べるようになったり、月へ行ったりしたときもそういうこと言う人はいた。

      世の中には恐竜と鳥のつながりにロマンを感じる人もいるのさ

    • by Anonymous Coward

      うちのインコは鳥のくせに何故かテーブルの上で腹ばいになって休憩する、
      その姿が休憩をするティラノサウルスの想像図にそっくり。
      ------
      実際は鳥を見ながら恐竜の絵を描いたのだろうけどね。

      • by Anonymous Coward

        こんなとこに書くだけじゃなくて、動画撮ってTweetしてください。バズりそう。

        • by Anonymous Coward

          残念、昨日はテーブルの上で腹ばいにはなりませんでした。
          インコ 腹ばい で画像検索すると、他所さんの写真が見つかりますが、脚の折り畳みが写っていなかったり、あごをテーブルに付けてなかったりで、迫力が足りません。

    • by Anonymous Coward

      え、そうなのか。ボクは逆に、よかった!恐竜は滅んでなかったんだ!!って大喜びなんですが。

  • by Anonymous Coward on 2020年02月26日 15時04分 (#3768765)

    温暖な気候で巨体だと、発熱量に対する放熱面積が足りなくて、高温を避けるには代謝を落とすことになるから
    恒温だったけど限りなく外気温に近かったとか、のっそのりのそのそのとした動きしかできなかったとか、
    でもそれだと巨体を維持するだけの捕食が難しくなるし...
    ゾウのような巨大な耳を持っていたとか、発達した汗腺を持っていたとか...?

    • by Anonymous Coward

      ディメトロドンなんかは背中の帆で体温調節をしていたと考えられていますね。

      • by Anonymous Coward

        ディメトロドンは古生代の単弓類。中生代の恐竜とは時代が全然違うし、系統的にはどちらかというと哺乳類に近いんですが。

    • by Anonymous Coward

      長い尻尾とか、首の長いのも居るし、トリケラトプスみたいに首にフリルの付いたのもの居る。

    • by Anonymous Coward

      鳥と同様に気嚢システムがあるので、放熱しやすかったのかもしれませんね。
      いわば大型の肺で大量の空気を取り込み、さらに骨の中が空洞で、呼吸で体内に空気を直接循環させられるので、哺乳類と比較すると有利かと思います。

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