火星の南極で地底湖を発見した地表下測深レーダー高度計 MARSIS、19 年間で初のソフトウェア更新により大幅な性能向上の見込み 58
ストーリー by headless
更新 部門より
更新 部門より
ESA は火星探査機 Mars Express が搭載する地表下測深レーダー高度計 MARSIS のソフトウェアを更新すべく、準備を進めているそうだ
(ESA のブログ記事、
The Register の記事、
The Verge の記事、
Neowin の記事)。
MARSIS は 2007 年に火星の南極で大量の氷を発見し、2012 年 ~ 2015 年の観測データはその下に液体の水が存在する地底湖の発見につながった。しかし、2003 年 6 月の打ち上げ以来ソフトウェアは更新されておらず、20 年前に Windows 98 ベースの環境で開発されたものを使い続けている。今回の更新について開発環境等は説明されていないが、目的はミッション開始当時よりも高いパフォーマンスの実現だという。
これまで大量の高解像度データを保持するため複雑な処理を行ってきたが、更新後は不要なデータを削除することでスペースが確保される。また、受信感度の改善や地球に送るデータの量と質を増すオンボードデータ処理の改善も含まれるとのこと。これらのソフトウェアアップグレードで MARSIS を稼働できる時間は 5 倍に伸び、より広い領域の調査が可能になる。Mars Express は 20 年前の古い探査機だが、新しい測定機器を追加したかのような性能向上が期待できるとのことだ。
MARSIS は 2007 年に火星の南極で大量の氷を発見し、2012 年 ~ 2015 年の観測データはその下に液体の水が存在する地底湖の発見につながった。しかし、2003 年 6 月の打ち上げ以来ソフトウェアは更新されておらず、20 年前に Windows 98 ベースの環境で開発されたものを使い続けている。今回の更新について開発環境等は説明されていないが、目的はミッション開始当時よりも高いパフォーマンスの実現だという。
これまで大量の高解像度データを保持するため複雑な処理を行ってきたが、更新後は不要なデータを削除することでスペースが確保される。また、受信感度の改善や地球に送るデータの量と質を増すオンボードデータ処理の改善も含まれるとのこと。これらのソフトウェアアップグレードで MARSIS を稼働できる時間は 5 倍に伸び、より広い領域の調査が可能になる。Mars Express は 20 年前の古い探査機だが、新しい測定機器を追加したかのような性能向上が期待できるとのことだ。
ソフトでハードの力を引き出す (スコア:3, 興味深い)
つか、19年前のハードの性能をソフトウェアで上げられるなんて、どんだけ優秀なハードなんだ。
もうあのセリフしか思い出せなかった。
「ソフトでハードの力を目一杯引き出すって発想は…、あいつだ…」
Re:ソフトでハードの力を引き出す (スコア:5, 興味深い)
更新後は不要なデータを削除することでスペースが確保される。
ってことなので、地球へ送信し終わったデータも念のために保持していたけどそれを使う機会はなかったし容量をかなり食っていたので、送信し終わったらどんどん削除してその分の容量でより複雑な処理を行えるようにしたんでしょうね。
ソフトウェアアップデートで性能アップした宇宙機といえばハッブル宇宙望遠鏡
打ち上げ後に見つかった鏡のゆがみ(0.002mm)のために設計で想定していた分解能の5%にしかならないことが発覚。(それでも当時地上に存在したどの光学望遠鏡よりも高分解能)
歪んでない部分を活かすようにソフトウェアをアップデートして設計分解能の58%まで回復。
その後何度かスペースシャトルで部品交換などを行ってさらに性能アップ。
他には宇宙探査機はやぶさ(初代)が姿勢制御ロケットの燃料をほぼすべて失うトラブルに見舞われ、メインのイオンエンジンの噴射するガスの帯電を中和するために取り付けてたキセノンガス噴射を利用して姿勢制御できるようにソフトを書き換えたのが知られていますね。
うじゃうじゃ
Re:ソフトでハードの力を引き出す (スコア:1)
ソフトウェアで性能上げた件なら、木星探査機ガリレオが筆頭では。
ハイゲインアンテナの展開に失敗して、通信速度が100分の1ぐらいまで低下。
ソフトウェアアップデートで圧縮機能とか追加して、本来の7割まで回復させた例がある。
似たようなことはボイジャー探査機なども何度もやってるね。
深宇宙探査機のファームアップとか怖くて絶対やりたくない…。大慌てで電源入れ直しに行く訳にもいかないしw
※最初から圧縮して送るようにしとけよ、って思わなくも無い。でも良くある事だよなぁ…。
Re: (スコア:0)
今までメモリ(ROMもRAMも)不足でできなかった処理ができるようになるとかはあるかも。
Re:ソフトでハードの力を引き出す (スコア:4, 興味深い)
アナデバのADSP-21020というDSP……のAtmel製耐放射線型セカンドソース品TSC21020F @ 20MHzを3基、うち1基を制御用CPUとして2基をデータ処理用スレーブとして、その上にVirtuoso RTOSなるものを動かしていて、更にファブリック兼制御CPUとしてFPGA2基が絡んでいる……? かなりセガサターン的な構成なのかな。
Re:ソフトでハードの力を引き出す (スコア:1)
Virtuoso RTOSという名前は全然聞いたことがないなと軽く調べてみた。雑な調査なんで、有識者のフォロー頼む。
元はトランスピュータ向けのOSだったが各種CPUに移植され、2001年にWindRiverに買われてそのまま消えたっぽい。WindRiverそんなんばっかりや。
そんで、別の会社がクリーンルーム方式でOpenComRTOSという後継OSを開発したっぽい。
開発環境の開発元がなくなって今の環境では動かないから、仮想環境にWindows98を構築して当時の開発環境を再現して、アップデータを作ったのか。
Re:ソフトでハードの力を引き出す (スコア:1)
一応流れ的にはVirtuoso -> VSPWorks -> Zephyrかな
https://www.zephyrproject.org/ [zephyrproject.org]
Re: (スコア:0)
稼働時間5倍やらなんやら原型留めてなさそうだし、
新規に環境構築してても不思議じゃないかも。
FPGA用のCPU系IPとかも選択肢段違いだろうし。
……いやでも20年前だとゲート数もキツいか?
Re: (スコア:0)
当然本番直前には地上機で試験して送信するのだろうけど、その前のエミュレーターが良くなったのでは?(Win98時代にはエミュレーターが無かったかも)
Re: (スコア:0)
アナデバのSHARC DSPは今も続いてるけど、マルチコアでクロック周波数も1桁以上高くなってる
ADSP-21020とはまさに19年の違いを感じます
Re:ソフトでハードの力を引き出す (スコア:1)
つか、19年前のハードの性能をソフトウェアで上げられるなんて
流石ですお兄様。
Re: (スコア:0)
お兄様が何かわからないけど、元コメはパトレイバーだよね。
たしか、グリフォンの開発者達が、篠原重工製HOSを帆場暎一の作、と看破するところ。
Re: (スコア:0)
「流石ですお兄様。」はおそらく司波達也に対する司波深雪のセリフですね@魔法科高校の劣等生
#詳しくないんで何のことを言ってるのかはわかんないけど
Re: (スコア:0)
「さすおに」で検索
Re: (スコア:0)
ありがとう。てっきりプリティダービーかと思って、何のシーンかわからなかった。
達也が半蔵の私物の高性能CADのデータを競技用に出チューンされたCADに移し替えても違和感なく使えたときのことかな。
他の場合だと飛行魔法用CADとか、特別な高性能ハードをカスタマイズして使用する達也の印象が強い。
Re: (スコア:0)
退役したマジシャン級プログラマを引っ張り込んで、カリカリチューニングさせたんじゃないかとか妄想が膨らむ
Re: (スコア:0)
ミンキーモモかな?
液体の水ではなく (スコア:2, 参考になる)
凍った粘土だったそうです。
https://gigazine.net/news/20210802-mars-lake-clay/ [gigazine.net]
Re:液体の水ではなく (スコア:2, おもしろおかしい)
なんてこおった!
Re: (スコア:0)
こおりゃたまげた
Re: (スコア:0)
確か海外のSFで、火星の水は乾いているので猫を洗うのに最適、というのを読んだ記憶が。
火星の南極で発見したレーダーに空目 (スコア:0)
一瞬でもそう思った自分がバカだった
98からアップグレードならば… (スコア:0)
同じ系統のMeタンになるかね
むねあつ
火星と地球間でWindows update (スコア:0)
皆さんツッコミどころはそこじゃないでしょ。
かりにも探査機側のいち装置のOSが、Windows 98なわけないでしょ。
まさか火星と地球間でWindows updateするわけにもいかないしwww
Re:火星と地球間でWindows update (スコア:3, 参考になる)
残念、「Windows 98で動作」と書かれていたのは他の日本語ソースの誤訳なんだ。
nagazou編集長は目敏く気づいて「Windows 98 ベースの環境で開発」と訂正しているんだな。
文章は発音するより速くかつ正確に読まねばならんぞ。
Re:火星と地球間でWindows update (スコア:1)
これは headless だよ。nagazou なら気づかないし、気づいても放っておく。
Re: (スコア:0)
英語ソースのほうでも、コメント欄で勘違いしている人と訂正している人がいるので、原文が分かりにくいのをそのまま訳したのかも。
英語ソースのほうに、アップデータを作るために仮想環境上にWindows98をインストールしてクロス開発環境を再現したというようなことを書いてあるが、ターゲット環境が何なのかわからないけどWindows98でしか動かないクロス開発環境ってなんだろう。
Re: (スコア:0)
原文は直訳で「windows98ベースの開発環境を使って設計」って書いてあるから、原文はの意味は明確だと思うよ。
Re: (スコア:0)
つまりろくに本文を読まないのはスラド住民のだけの特性ではないのだな
安心した
Re: (スコア:0)
それが安心材料になる人間性が心配
Re: (スコア:0)
余所のコメントをパクって再放送しようとしたACが無様なだけ
スラド以外の日本語ソースはみんなこの誤読してるから踏み抜いたんだねw
Re: (スコア:0)
> ターゲット環境が何なのかわからないけどWindows98でしか動かないクロス開発環境ってなんだろう
ターゲットマシンは別のOSだけど、そのOSが古くて最近のPCなどでは開発環境が動作せずビルドできない、そのために古いマシン(Win9xとかXPとか68kMacとかSolarisとか)を捨てられないってのはわりとある。
Re: (スコア:0)
その為のMicrosoft Update Catalog。
# いや、当時は無かったような…
98系の開発環境って意外だ、NT系じゃないんだ (スコア:0)
20年前頃でwindows開発環境ならwin2000かNTがデフォと思っていたが、98は意外と思った。
(コーディング中に落ち、理不尽に泣かされる頻度がNT系より多い印象)
(98SEはそれなりに安定してたかな?)
The Registerの記事に、with a virtual machine in VirtualBox ≒VirtualBoxの仮想マシンで作業を行ってた、と在るんでソレが98依存だった、とかの事情だったんかねえ。
Re: (スコア:0)
> The Registerの記事に、with a virtual machine in VirtualBox ≒VirtualBoxの仮想マシンで作業を行ってた、と在るんでソレが98依存だった、とかの事情だったんかねえ。
それは今回の開発作業で当時の開発環境を使うのにWIN98が必要なのでVirtualBoxで動かしたって話でしょう。
"The very old development environment (it was quite old already back in year 2000) required to set up a Windows 98 machine. I did this with a virtual machine in VirtualBox," he told The Register.
Re: (スコア:0)
元コメ #4277512 ですが私の誤読で、仰る通り今回の開発作業の話ですね。指摘訂正、有難うね。
※そこの後段をちゃんと読むと、It took almost two months only to set up and fully validate the development environment. ≒「開発環境をセットアップして完全に検証するのに、ほぼ2か月かかりました」と、印象深い事が書いてあり、
読み落とすにゃ勿体無いネタを拾えて良かった。
やっぱ誤読は損だw
Re: (スコア:0)
NT系で動かせずWin98が必要って、元々MS-DOS上の開発環境だったが、後にIDEはWin32になってもコンパイラは16bitのまま、みたいな理由だろうか。
であれば、ちゃんとしたバイナリを吐いているか検証するのに2か月くらいかかるのも仕方ないかも。
Re: (スコア:0)
変なソフトぶっこんで「火星探査機を煉瓦にしました」なんて、冗談じゃ済まんもんな。
# ヤード・ポンド法で通信断絶させた [wikipedia.org]っていう、それこそ冗談みたいな例もあるが。
Re: (スコア:0)
NT系はポート叩くのが格段に面倒になった。9x系は簡単にポート叩けたし、ハード開発だとそういうのはよくやるから9xの方がよかった。
Re: (スコア:0)
NTならGIVEIO.SYSとINSTDRVで万全
誰も突っ込まないのか (スコア:0)
どうやって地球と通信できるの?Wifiでも1km行かない
Re:誰も突っ込まないのか (スコア:1)
こんなん目っけた
http://www.jrc.co.jp/jp/about/news/2008/0326.html [jrc.co.jp]
Re:やっぱり49日毎に電源落としてたのかなあ? (スコア:2, 参考になる)
当時の開発環境がWindows 98だったってだけで、MARSIS に搭載されているRTOSは別です
Re:やっぱり49日毎に電源落としてたのかなあ? (スコア:1)
ほんと5行以上の日本語が読めない人がいるんですね。
「20 年前に Windows 98 ベースの環境で開発されたもの」だから開発環境がWin98ベースってことで
実行環境がWin98ベースではありません。
Re: (スコア:0)
付和雷同や鸚鵡返し以外の思考ができない人がいるんだと思う
「レスに主張が入ってる!止めろ!」って逆ギレされたことあるわ
そいつには他人が存在する感覚自体が怖くてたまらなかったらしい
そういえば鸚鵡も鸚鵡返しするらしいな
Re: (スコア:0)
>ほんと5行以上の日本語が読めない人がいるんですね。
1時間ほど前に同じことが書かれてる(#4277389)が、それ単に繰り返してるだけの割にはエラソーだね
Re: (スコア:0)
最適解の文章ではないが、解釈は一つしかできない。
Re: (スコア:0)
何から逃げてんの?
Re: (スコア:0)
日本語以前の問題で、火星探査機にWindowsが載ってるわけがないだろ…ってことだろ
Re: (スコア:0)
その前にシステムダウンしそうではあるけど…
火星の大地をHDD代わりにスワップさせればもう少し持つかも
つっても32bit OSがベースだから高が知れてるわけだが
いや管理領域外にも壁画使ってRandom Acceses Mural Diskにすればいいのか