マイクロソフトとGoogleが医療記録システムで手を組む 26
ストーリー by mhatta
呉越同舟 部門より
呉越同舟 部門より
insiderman 曰く、
Googleとマイクロソフトが、個人向けの電子医療記録システムの共通化について合意したそうです(Electronic health-record standards agreed | Health | Reuters)。
Googleは「Google Health、マイクロソフトは「HealthVault」という医療記録システムをそれぞれ推進していますが、まだまだ普及には程遠いところ。共通化によって、とりあえずはこのようなシステムの普及を図りたい、というところでしょうか。
電子カルテ使ってますが (スコア:4, 興味深い)
もちろん日々の業務をこなさないといけないので、使いこなしてはいます。
システム使う側からすれば「それくらい我慢しろよ」とおっしゃるかもしれませんが、
我らDr.という生物は、かゆいところに手が届いて当たり前を求めています。
(言わずとも状況を見て次の手術道具が出てくるなど・・・)
その点からすると、少なくとも富士通さんのシステムは60点くらいです。
一日分の点滴を考えると
ログイン(待ち:5秒)→病棟選択(2秒)→患者選択(5秒)→カルテ記述(5秒)→注射(7秒)→
→キーボードを叩いて輸液名入力→マウスでクリックして単位入力(1袋が基本なのに、mlがディフォルトで変更面倒)→
→中心or末梢→体のどこの?→主管?側管?→静脈注射or点滴?精密点滴?→何時から?→時間何mlで?(ここで再びキーボード)→
でやっと1本入力です。
最低2回も(?)マウスとキーボードが入れ替わります。
さらにビタミンなどの添加薬を入れるとさらに面倒です。
で、だいたいこれを一日3~4本使います。
これを4日分20人の患者さんに入力しようと思うと・・・やってられません。
他にも病理診断を何回もクリックしないと見られないとか、処方がやりにくいとか様々です。
各科ごとに頻繁に使うものが全く異なるので、セット登録をもっと使いやすくするとか気が利くシステムになってほしいものです。
電子カルテになったら全病院でデータ共有できるというふれこみですが、まぁ別にやらなくていいんじゃないですか?
紹介患者持参の画像は画質がよくないCTやMRIばかりで、現在の状況を改めて評価する意味でも結局撮り直ししてます。
CDRに開くソフトとデータを入れてくれれば、参考程度の意味では一応事足りるような。
(外のCT専門病院で撮ってきてもらうときは、当然自分の病院で開けるような形式でデータをもらってくるし)
#自分がでかい病院にいるからこんなこと言ってるのかもしれせん(;p)
Re:電子カルテ使ってますが (スコア:3, 興味深い)
結局紙のカルテと併用というか、紙のカルテを使いつつ投薬と検査予約だけは電子カルテって感じに落ち着きました。
診察経過とかは慣れないPCでかな漢字変換して、図も簡単に入れられない、なんてものよりは
紙に手書きの方が簡単で速いってことで、
投薬は、前回と同じ薬を出す場合は、履歴呼び出してマウスクリック一発だとか
予約は、紙の台帳を貸し借り取ってきたりしなくていいので手間が格段に減るとか、
そういう省力化できるところにだけに使ったって感じです。
また、点数とかも直接電子化しているのか、診察が終わってからの待ち時間は格段に短くなりました。
同じ病院内の別の科にかかったときに、
ちゃんと自己申告してたのに禁忌薬を出された(院外処方で薬剤師が気づいてくれた)なんてことがあったので、
電子カルテになればそういうのが無くなるかなーと期待してたのですが…
そういうのは特になさそう…
Re:電子カルテ使ってますが (スコア:2, 興味深い)
私も某病院(500床以上)の事務系職員で、同様のシステムの運用保守をやってます。
元開発系エンジニアだったんですが
電子カルテのシステムについてはまったく同じ意見で
このシステムのナリと値段を聞いて目玉が飛び出ました。
(それでも現場の善意や、地方販社になる子会社さんたちの努力などで
それなりのモノになってきていますが)
病院間で画像の連携~って話もあるんですが
消えたり、第三者へ流出すると大変なことになるデータの宝庫ですから
責任の所在やら、保守コストを誰が持つのよ、って話で色々あるみたいです。
そういう意味ではこういう投稿の話を聞いてると少しうらやましくなりますねぇ。
日本の社会は船頭さんが多すぎるよ…
#ぜったいにAC
Re:電子カルテ使ってますが (スコア:1, 興味深い)
電子カルテソフトを作ればいいのにと思いました。
# 見合いの席で富士通の電子カルテは使いにくいと相手に言われたのでAC
Re: (スコア:0)
>ログイン(待ち:5秒)→病棟選択(2秒)→患者選択(5秒)→カルテ記述(5秒)→注射(7秒)→
>→キーボードを叩いて輸液名入力→マウスでクリックして単位入力(1袋が基本なのに、mlがディフォルトで変更面倒)→
>→中心or末梢→体のどこの?→主管?側管?→静脈注射or点滴?精密点滴?→何時から?→時間何mlで?(ここで再びキーボード)→
>でやっと1本入力です。
注射一本分だけなら、EGMAINでも患者選択と(注射)薬剤選択、使用量設定、ルート選択まででは? それが何本あろうと、同じ患者ならDOだし、他の患者
Sicko とかで指摘されているように (スコア:3, すばらしい洞察)
大きな政治的問題が解決されていないために、くだらない問題がソフトウェアなどに
皺寄せされる、というのはよくある構図です。Google や Microsoft のソリューションが、
ほんらい日本などでは解く必要のない問題のために過大な労力を費やしていないかどうか、
しっかり見極める必要があります。
Re:Sicko とかで指摘されているように (スコア:5, 興味深い)
大臣でも生活保護者でも本質的にほぼ全く同じ医療を受けている日本と違い、アメリカはコストパフォーマンスとアクセスが極端に悪い(Sickoで指摘されているのはそういうこと)のは確かです。
が、中の診療の質や手間のかけ方については間違いなく世界トップクラス。日本の富裕層がアメリカで医療受けると感動しますから(笑)
特に医療記録とか電子化という面では、アメリカと比較して日本は明らかに遅れていますし、くだらない紙の定型書類ばかり増えていく日本の状況はむしろ悪化しています。
日本の場合は診療記録なんて「紙のカルテに5年残す」程度であり、血液検査の結果を隣の病院に紹介しようと思ったら印刷して紙のファイルに挟みこみ、50枚のCT画像を送ろうと思ったらフィルムに焼き付けて郵便でアナログ的に送り届けてるわけで、あまりに原始的すぎます。世界で一番CTもMRIも普及してるんだから、まず日本がなんとかしてよ、と。
ま、住基ネット程度で騒ぐ人たちが、「若かりし頃の泌尿器科の受診記録」とかも含めて中央サーバーで一生分蓄積されるようなシステムの存在を望むかどうかは別問題ですが。
日本も遅ればせながら (スコア:3, 参考になる)
Re:Sicko とかで指摘されているように (スコア:2, 興味深い)
富裕層とあるように、おそらく、とっても高額な健康保険を契約しているからではないでしょうか。
日本は混合診療(保険診療と、自費診療を同時に請求すること)が禁止されていますし、
万人が基本的に同じ医療を受けられます。
>日本の場合は診療記録なんて「紙のカルテに5年残す」程度であり、血液検査の結果を隣の病院に紹介しようと思ったら印刷して紙のファイルに挟みこみ、50枚のCT画像を送ろうと思ったらフィルムに焼き付けて郵便でアナログ的に送り届けてるわけで、あまりに原始的すぎます。世界で一番CTもMRIも普及してるんだから、まず日本がなんとかしてよ、と。
保険診療の弊害で、「紙やフィルムで残すほうが収入が得られていた」、もしくは「電子化保存しても収益がえられない」からです。
電子カルテやPACSの導入コストを電子化加算だけでまかなうことは困難です。
また、相手の医療機関が電子データを読めるかどうかが保障されていないというのも理由のひとつです。
#田舎の病院でPET-CTの印刷物をもってこられて、データはCD-Rにやいてある。
#写真みただけではとても診断がつかない。職場にPACS端末はない、
#ということでOsiriXを自分PCで用意して、なんてこともありました。
すべて政治のレイヤの問題です。年配の医師が「手書きがいい」なんていくら主張しようと、
電子化されたほうが収益上もうかると判断されたらどうやったって電子化されます。
じゃあ、どうして手書き・紙ベースのほうがコストが安いの?といわれると、
・看護師や事務職員など、人間はたくさんいるし、事務職員の首は切れないから使ったほうが安い(あるいはサービス残業させる)
・大きな病院のオーダリングデータはレコードのロックが相互にかかりまくり。その上、レコードの扱いの順序だけでも生命にかかわるなんてこともある。手間がかかり開発コストははねあがる(これは勝手な想像ですが)。
・仕様決めの段階で顧客の要望をくみとりきれない(客がわかってないというのが大きいとおもいますが)ので、前の病院で受注したようなお仕着せの仕様で、その病院にとっては使いにくいものが導入され、「電子カルテは不便だ」という風評がひろがり他の病院の導入検討が遅れる。
・コストがかかる割に「電子化したから」といって患者数や収益増につながるわけではない。
中央サーバなんかで持たずに、フラッシュメモリ持ち歩けばいいんですよ。
落としたりデータが消えてしまったときは自己責任。
健康保険証にくっつけとけばいいんです。画像データなんかもこみこみで8GBもあれば十分かと。
#自分の出身大学病院の医療情報室の富士通常駐SEがslashdotみてたけどID
Re:Sicko とかで指摘されているように (スコア:2)
現実には「落としたりデータが消えてしまったときは自己責任」とか気軽に言える性質のものでないので、データ本体は暗号化されて日本の中央サーバにあり、暗号化解除のキーだけ患者が持って1年間だけ特定の病院がアクセス可能になる、とかになれば素晴らしいのでしょうが、当然法律の改正が色々必要です。
政治のレイヤーも重要ですけど、そのくらいのことを平気で提案できそうな、GoogleやMS並みに声とか体力とかの大きい私企業がいてくれるというのは大きいんじゃないかなと思います。
Re:Sicko とかで指摘されているように (スコア:1, 興味深い)
むしろ、顧客が「電子化するのに業務を見直そうとせず、紙ベースから運用を替えようとしない」「医者は運用検討について自分たちが一番よく判っていると幻想を抱いて」システムの悪いところばかりに拘ることが導入を難しく、導入費用を高くしている最大の原因です。
まったくの新規開発のものはまた別ですが、大抵のシステムはそれで運用が回っている病院が存在している訳です。導入数が50を超えるようなものともなれば、医者が言うほど使えないものってことはまずないです。実際、立ち上げや導入後が上手くいく病院はシステム改造に拘らず、必要であれば運用をシステムに合わせて積極的に見直してるようなところです。大概そういうところは院長や理事長の鶴の一声でトップダウンの指示が通る体制のところが多いようですが。
逆に現行の運用にシステムをあわせようとカスタマイズを増やすところは、中途半端で使いにくく、費用的にも残念な結果になる可能性が高い。
まぁ、後者が当てはまり易い大病院なんかだと、メーカーも儲かるのである意味おいしい。カスタマイズが多ければ多いような所ほど、運用開始後の改造案件も多いし、バージョンアップ時にはそれまでの改造分の再適用の費用も頂ける訳で…。
Re:Sicko とかで指摘されているように (スコア:1)
客側になってしまうと毒されてしまいますね。
業務フローを見直さないのが元凶です。自分たちのやっていることはただしい、無駄ではないってね。
そのまま電子化しようとする。そしてこける。
>逆に現行の運用にシステムをあわせようとカスタマイズを増やすところは、中途半端で使いにくく、費用的にも残念な結果になる可能性が高い。
逆に、オプションケチりまくって安く上げようとして結局紙ベースと並存して前より使いにくくなるなんてこともざらです。
Re:Sicko とかで指摘されているように (スコア:1)
いやホントまったく仰るとおり。よくあんなにくだらない医者のカスタマイズ話や愚痴を延々と聞いてられるよな、と逆に感心しますもん。
電子カルテ開発業界も、文句を言われない程度に相互運用性と性能をばしっと確立した、病院に対して強く出られるだけのスタンダードを作ればいいと思うんですが、各社バラバラに低い姿勢であんなことばっかりやって「メーカーも儲かるのである意味おいしい」なんて小粒なこと言ってるから、いつまで経ってもぐだぐだなんですよ。
医師じゃなくてIT業界側が主体で引っ張る問題でしょ? だからこそMSとGoogleといった大企業がこういう問題に興味を持って手を組む、という海の向こうの話が(あんま期待はしてないけど)頼もしくも聞こえちゃうわけで。
Re:Sicko とかで指摘されているように (スコア:1)
声が大きいから決定権があって、さらに病院の業務からみるとシステムの導入や
仕様策定なんかは本業ではない、儲からない雑用とみなされるので、みんなその人に押し付けます。
「彼はコンピュータ得意だから」「好きだから」「彼に任せておけば間違いない」と。
そして、医者は「医療についてはなんでも専門家(ということになっている)」なので
医療となのつくものは自分の専門だと思い込んでるのです。医療情報も。
そして「仕事ができる人」ではなく、単なるマニアに任された仕事がどうなるかは...
病院内でシステムの批判がされることはなく、矛先はすべて業者に向くことになります。
Re: (スコア:0)
う〜ん、共通化は政治のレイヤーかなぁ
少なくとも、このお国には広く一般にオープンな共通規格を
作ろうっていう考え方はないからなぁ
政治的に電子化されても、きっと各メーカー点でバラバラな規格を採用して
結局、紙に印刷することになるような・・
だいたい、DICOMだって何だってアメリカが作ったオープン規格を
後になってしょうがないから採用しただけでしょ。
お医者さんはこの業界で働いたことないから知らないでしょうけど
病院のメーカ常駐SEって名前だけで、結局、派遣とかで雇われた運用係なんだよなぁ
運用係っていうのは、別に開発ができるわけではなく、
ケーブルつなげられますっていうレベルの人がほとんどなんだよね
逆に、詳しすぎると変にシステムいじっちゃうから困るんだよね。
何かトラブルがあったらすぐに電話するっていう、窓口係なんだよね。
でも、病院関係者は世間知らずの人が多いから・・・
Re: (スコア:0)
いや、「詳しい」のと「変にいじっちゃう」のに因果関係は無いだろう。
犯罪手法に詳しい警察が泥棒するのかと。
3段落目は、もうIT業界の言い訳でしかないよね。
他の業界、例えば病院で、医師が患者にそんなことを言って通用するのかと。
Re: (スコア:0)
PACS導入コストに関しては、
今回の診療報酬改定でまかなうことが可能になった施設は多いはず。
ベンダーに聞くと、今回の改定後にPACSの特需になっているらしい。
>画像データなんかもこみこみで8GBもあれば十分かと。
8GBじゃ足りないですよ、多分。
Re:Sicko とかで指摘されているように (スコア:1)
なるほど。どこが強そうですか?予算さえつくならやっぱりCentricity?
>>画像データなんかもこみこみで8GBもあれば十分かと。
>8GBじゃ足りないですよ、多分。
たとえば画像は病変部のみとかでいいと思うんですけど。
病歴が追えれば事足りると思うんですよね。
輸血歴とかならともかく、そんなに古いの(10年以上前)を残しておいても
疫学的な意味以外では役に立たないと思うのです。
(疫学的に役立てるために詳細なデータを、というのはとってもありだとおもうのですが
日本では難しいのかなあ)
人間ドックでとった thin slice を経年比較して早期発見とかいうのはまた別のサービスで。
Re: (スコア:0)
>
>なるほど。どこが強そうですか?予算さえつくならやっぱりCentricity?
うーん。どこが強いかまではちょっと・・・。
私はCentricityのシステムは短中期でみれば問題ないけど、
長期的には怪しいと思っていますが。
>>>画像データなんかもこみこみで8GBもあれば十分かと。
>>8GBじゃ足りないですよ、多分。
>
>たとえば画像は病変部のみとかでいいと思うんですけど。
>病歴が追えれば事足りると思うんですよね。
>輸血歴とかならともかく、そんなに古いの(10年以上前)を残しておいて
考えられる未来 (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:考えられる未来 (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:考えられる未来 (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re:考えられる未来 (スコア:1)
改行ひとつもいちいちタグを手打ちとか。今時どうよそれ。
Re: (スコア:0)
> 改行ひとつもいちいちタグを手打ちとか。今時どうよそれ。
は?
[テキスト形式(HTML OK!)]なら、タグなんて書かなくても、、このとおり、ちゃんと表示されますが。
(IDもちならデフォルトの筈)
http://www.srad.jp/ [srad.jp] とかも。
# このコメントには、タグは入れてません。
Re:考えられる未来 (スコア:1)
[テキスト形式(HTML OK!)]なる設定があるのを見つけましたから(^_^;
ともかく助かりました。ありがとう。