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グラフィック

光学顕微鏡写真のコンテスト Small World 受賞者発表 7

ストーリー by reo
BioScapes は先月末で締め切りました 部門より

stat 曰く、

米 Nikon Instruments が主催する光学顕微鏡写真のコンテスト Small World の 2009 年度受賞作品が発表されました (プレスリリースギャラリー) 。

このコンテストは科学性に加えて、見た目のインパクトも審査項目であるため毎年美しい作品が寄せられています。今年の最優秀作品はシロイヌナズナのおしべを撮影したもので、透明感のある光学顕微鏡のテイストを有しながら、走査電顕のような強いコントラストを持った印象的な写真です。

来年度締め切りは 2010 年 4 月 30 日です。1 位、2 位、3 位にはそれぞれ $3,000、$2,000、$1,000 相当のニコン製品がもらえるそうです。あ、そういえば D3S が発表されましたね。60 万円相当なのでこのコンテストの賞品としてゲットするのはムリですが。D3S についてはどなたさまかタレコミよろしく。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 2009 1st Place (スコア:4, 参考になる)

    by Snoopcheri (36547) on 2009年10月15日 12時35分 (#1654267) 日記

    透明感のある光学顕微鏡のテイストを有しながら、走査電顕のような強いコントラストを持った印象的な写真

    1st Placeの写真の解説を。

    画像の説明に、Conocal とあるのは撮影に使った顕微鏡(コンフォーカル顕微鏡または共焦点顕微鏡 [wikipedia.org])のことです。ここではこれを試料の蛍光を検出するのに使っています。コンフォーカル顕微鏡は焦点深度が非常に浅く、焦点位置からの情報だけを使ってシャープな画像を構成できます。この写真では、おそらくまるごとのおしべ(やく)を試料として、その内部の断層像を得ています。

    この写真では、少なくとも、3波長の蛍光を取得して、それを緑、赤、水色の3色として擬似カラー表示しているようです(それらの色が実際の蛍光の色と同じとは限りません)。シロイヌナズナのおしべは、どういう自家蛍光を発するのか、あるいは蛍光物質を添加したり、蛍光蛋白質の遺伝子を導入したりして、特定のタンパク質などを光らせているのか、詳細は書かれていません。Dr. Paves の所属研究室のページ [geen.ttu.ee]を見ると、この方は植物の細胞骨格をつくっている「植物ミオシン」の機能の研究をされているようで、遺伝子改変したミオシン遺伝子(GFPの蛍光を発するようにもしている)を遺伝子導入する実験もしています。もしかしたら3色のうちの1色は、遺伝子導入ミオシンの蛍光なのかもしれません。

    ちなみに、Dr. Paves は、オリンパスの BioScapes コンテストでは、2007年の佳作 [olympusbioscapes.com]に選ばれていますね。こちらも綺麗な写真です。

  • 先の日食写真 [srad.jp]じゃありませんが、どこかからコピーしてきてフォトショで細工ならばまだ分かりやすいにせよ何せ顕微鏡写真なんて覗いた人以外はオリジナルすら判らないものばかりですから、実は賞品欲しさに頑張って一からペイントしましたとかいう悪い例が出て来ないで欲しいです。いやたとえ絵にしたって凄いと思えるのですけど、これはやはり現実の姿がそのまま芸術に!というものですからね。秋だというのに飽きの来ない素敵な写真ばかりです…。

    #ミクロの世界と宇宙などのマクロの世界って、両極端なのになぜか似て見える。
  • 日本にも、こういう科学写真コンテストって無いんですかね?
    ググってみても、大人は不可で対象が小中学生のものしか見つからず……。

    ニコンが今年の2月に「ファーブルフォトEX [impress.co.jp]」というデジタル一眼レフカメラが付けられる(比較的)安価な顕微鏡を出したので、色々気になっております

    • by Snoopcheri (36547) on 2009年10月16日 10時39分 (#1654859) 日記

      日本にも、こういう科学写真コンテストって無いんですかね?

      ちょっと規模は小さいですが、顕微鏡学会が毎年やっている「写真コンクール」というのがあります。

      日本顕微鏡学会写真コンクール受賞作品 [microscopy.or.jp]

      平成16年度以降の優秀作品を見ることができます。

      顕微鏡学会は、かつて「電子」顕微鏡学会だった学会なので、応募作品は電子顕微鏡で撮影したものも多く、ニコンやオリンパス主催の光学顕微鏡主体の作品とは趣きが異なる作品も。

      毎年5月ごろに学会が開かれるのですが、その時に同時にやります。学会の発表は会員限定のはずですが、写真コンクールは会員でなくとも、一人何枚でも、応募できます。応募の締め切りは2月ごろのはず。全応募作品が学会会場でギャラリー展示され、学会参加者の投票を元に優秀作品を選ぶはず。最優秀作品は科学新聞?かどこかに掲載されたのを見たことあります。(はず、はず、ばかりですみません)

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 12時38分 (#1654273)
    ほとんどが人工物でなく自然のものなんだよね。自然って、小さいものでもとても美しいんですね。
    • by Anonymous Coward on 2009年10月15日 13時15分 (#1654312)

      こういうと怒られるかもしれないけど、どれも創作物に出てくるグロテスクなモンスターよりおっかない。
      現実は人間の想像より複雑怪奇と実感する。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      >ほとんどが人工物でなく自然のものなんだよね。

      人工物の研究は、光学顕微鏡で見えないもっと小さいところが多くなってますので……

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