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アメリカ合衆国

米FCC、低軌道衛星によるブロードバンドサービスが往復遅延時間100ミリ秒以下を実現できるかどうか疑問を呈す 50

ストーリー by hylom
ですよねえ 部門より

headless曰く、

米連邦通信委員会(FCC)が地球低軌道(LEO)の通信衛星によるブロードバンドサービスについて、現実のサービスで往復遅延時間100ミリ秒以下が実現できるかどうか疑問を呈している(FCCの公告: PDFArs Technica)。

FCCの見解は田舎へのブロードバンドサービス提供を支援する基金Rural Digital Opportunity Fund(RDOF)の入札に関するものだ。入札では広帯域・低遅延のサービスがそれぞれ有利な扱いを受けることになっており、往復遅延時間100ミリ秒以下のサービスが低遅延カテゴリーとなる。SpaceXのStarlinkなど低軌道衛星を使用するブロードバンドサービスプロバイダーは低遅延カテゴリーでの入札を目指すが、軌道が低いことを理由に物理の法則上低遅延が実現できると説明するのみだという。

しかし、遅延時間は物理の法則にのみ支配されるのではなく、ネットワーク上のさまざまな要素が影響する。現在のところマスマーケット市場向けに低軌道衛星からブロードバンドサービスを提供しているプロバイダーは存在しないため、FCCでは現実に100ミリ秒以下の低遅延サービスが消費者に提供できるかどうか判定できないとのこと。

遅延時間20ミリ秒以下を目指すStarlink米国とカナダでサービスを今年開始する計画だが、RDOFの申請締め切りは7月15日であり、現実のパフォーマンスを示す時間はない。低遅延カテゴリーでの申請が認められない場合、低軌道衛星によるブロードバンドサービスはDSLや固定無線アクセスに対しても不利な条件で入札を戦うことになる。

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  • by Anonymous Coward on 2020年06月18日 13時07分 (#3835612)

    特に無線サービスでは、理論速度がどんだけすごくても実際の運用ではしょぼい、ユーザーが多い時間帯では劇遅、なんてことになる。
    だからこそ「低遅延」が有効なわけで、現実にそのサービスが出来て無いものが有利なわけがない。終了。

    • 物理法則の話を出すなら「光ファイバは意外と遅い」という問題がありますね。
      真空中の光の速度は秒速30万kmですが、光ファイバ中ではもっと遅くなります。屈折率1.5とすると、秒速20万kmほど。
      そのため、超高速取引で光ファイバではなくマイクロ波を使う [srad.jp]って話も出てくるくらいで。

      100km先と通信する場合、地表の光ファイバで0.5msに対し、高度550kmの衛星経由だと1100kmの3.7msと大きく差がありますが、

      1000km先と通信する場合、地表の光ファイバだと片道5.0msですが、
      真上の高度550km上空の衛星経由で1000km先でも550km+1180km=1730kmの5.8msと、衛星経由と光ファイバ経由であまり時間が変わりません。

      550km上空だと見通しが2700kmぐらいありますから、できるだけ幹線に近いところに基地局を設置し、できるかぎり電波経由にすれば、
      地上に光ファイバを張り巡らせるより遅延が少なくなる可能性もあるぐらいだと思います。

      てなわけで、低軌道通信衛星で遅延100msはあまり問題にならないんじゃないかと思う。
      それよりも帯域。一個の衛星で何人カバーする気なのってところが気になる。そっちの方が大問題じゃないかな。
      1600個の段階で衛星一個あたり地表半径320km、12000個フル稼働しても半径120kmだよ…

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        アメリカの田舎向けのブロードバンドサービスだよ?
        光ファイバの遅延に衛星の遅延が丸々乗ってくるだけ。

        • いや、だから、
          田舎の地元に光ファイバを引き回すより、
          2000km先の都会まで衛星経由で電波を飛ばしたほうが、遅延は少ない、って話ですよ。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            ただ、このような低軌道衛星を用いた衛星通信は基本的にベントパイプ方式なので
            結局光ファイバ経由になる。

            ベントパイプ方式については検索して調べてください。

            • by Anonymous Coward

              ベントパイプ方式であるとなぜ、結局光ファイバ経由になるの?
              Starlinkのように衛星間通信にすればいいだけでは。

      • by Anonymous Coward

        10,000kmだと衛星一段でいけないんだ。
        長距離は光ファイバーってことかな?

        • by Anonymous Coward

          低軌道衛星だと無理ですね。

          地上で10,000Km、地球の中心からの角度90度だと、最低でも高度2,700Km
          くらい必要になります。

  • by Anonymous Coward on 2020年06月18日 13時13分 (#3835618)

    なんで地球にサーバを置く前提なんだ?
    宇宙にCDNサービスのサーバや、遅延が重要なFPSや格ゲー等のゲームのサーバを置けばいい

    • by Anonymous Coward

      君んちに置けばいいよ

      • by Anonymous Coward

        多くのネット対戦ゲームは、回線が太く遅延が少なく起動時間が長く外部から接続可能で、安定してるPCを、
        勝手にサーバとして使うようにできてる

        よってそういった環境でゲームをしてれば、勝手にサーバになる

        • by Anonymous Coward

          まじか。知らなかった。プロバイダからサーバー置くなって言われてるんだけど、やばいな。例えばどんなゲームがそうなの?

          • by Anonymous Coward

            フォートナイトとかスプラトゥーンとか

    • by Anonymous Coward

      低軌道に静止してくれれば良いが地球の裏に行ったときはどうするんだ?
      圧倒的に遠くになってしまうぞ。

      #琵琶湖の上なら185kmで静止できるって説を聴いた事が有るが。

    • by Anonymous Coward

      低軌道だと東にマッハ22でぶっ飛んでいくし静止軌道だったら最短で往復72000kmだから線引いた方が近いからね
      しかも資材輸送費用が1kgあたり500万円〜だからノーパソ1台数千万円、デスクトップやサーバは億〜数億円くらい
      10コアで10億くらいの金銭感覚で儲かるCDNならいいかもね

    • by Anonymous Coward

      そりゃ既存のサービスで宇宙に置かれたサーバーが無いからだろ。

      メンテを考えると将来的にも望み薄だと思う。
      「なんかおかしいから見て来てくれ」って言われても行けないだろ?
      まあ、金も含めて足も面倒見てくれるって言うのなら行くのも吝かでない、いやむしろ行かせろってもんだが。

    • by Anonymous Coward

      耐放射線のためにISSは1988年製のIntel 80386SX(20MHz)で動いてるらしいよ。
      https://japan.cnet.com/article/35154820/ [cnet.com]

      電力は太陽電池を並べまくればなんとかなるか。

      • 宇宙線の影響がパないらしく、1bit訂正2bitエラー検出なんてゴミみたいなECCじゃなくバイト(オクテット)単位でエラー訂正ができないと使い物にならないとかなんとか…
        微細化すればするほど影響がでるから未だにμmプロセスルールが使われるとか。

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2020年06月18日 22時21分 (#3836055)

          低軌道はそんなに大したことないよ。
          せいぜい地上の1万倍ぐらいの放射線量なので、普通のPCの1万倍ぐらいの対策してあればいい。

          1万倍は大変そうだと思うかもしれないけど、実はそうでもない。
          1万倍の放射線量と言うのは1万倍ソフトエラーが起きやすいのだけど、放射線量が1倍でもシステムの規模が1万倍なら同じだけエラーが起きる確率があがる。
          なので、地上でもスパコン等の大規模システムでは、ソフトエラー対策が常識になってます。
          CPUだと一部のレジスタが2重化されてたり、重要な回路のフリップフロップに2重化が入ってたりする。
          あんまり知られてないけど、Xeonもこういう仕組みが入ってます。

          同様なのが車向け。
          1000万台の車が10年走って、1台たりともエラー出さない確率にするためには同じようなソフトエラー対策が必要です。
          だから車向けのマイコンにはCPUコア3重化+多数決とか、スパコン以上に冗長性を持たせた構成になってます。

          宇宙向けでも昔は枯れた、ソフトラー自体が起きにくいプロセスで作るのが主流だったのですが、今は上記のような多重化対策で微細プロセス使う流れになってます。
          2倍、3倍回路搭載しても微細プロセスで作るほうが有利だし、設計・検証の方法論もスパコンや車向けでこなれてきたので。

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          よくクルーのDNAがバグらないものだ。

        • by Anonymous Coward

          その割にはThinkpadとか普通に持ち込んで使ってるよーな…。
          デジカメとかも別に宇宙用ではないし。外装とかバッテリは変えてても中身は変わってない。
          ミッションクリティカルじゃない民生品系統は気にせず使ってるんかね。

          • by Anonymous Coward

            ミッションクリティカルじゃない機器はニッカドに電池を変更するとか対応しつつ普通に使ってるね
            ただカメラは画素抜けやノイズが発生するそうでYouTubeに上がってる映像を見ると確かに出てる
            あとISSは比較的軌道が低いので地球磁場で保護されて線量も低く要求が軽いとか

      • by Anonymous Coward

        書類上は1998-067A ISS (ZARYA)だから、ソ連が11F77 FGBに採用したものが「ISSのコンピュータ」じゃないの?
        と思ったけどいつの間にか名前がSPACE STATIONに変わっていたからそうでもないのかな

    • by Anonymous Coward

      「クラウドじゃダメなんですか」って台詞がダブって見えるんですが…

    • by Anonymous Coward

      置くスペースがない

      • by Anonymous Coward
        宇宙にスペースはありまぁす
    • by Anonymous Coward

      宇宙空間で動くコンピュータは高性能なものでも今のPCの1/10の性能もないよ。

  • by Anonymous Coward on 2020年06月18日 13時17分 (#3835620)

    地球上どこにいてもインターネットに繋がるっていうのは人間にとって進歩なのか?
    ネットに繋がらない場所がなくなるっていうのは、社会にとって本当に有益なのか?
    それを一企業が決めてもいいことなんだろうか、とても疑問に思う。
    その収益を火星に行くことに使うのは良いと思う。
    でも、地球上どこにいてもネットにつながるって、どーしてもかなり抵抗を感じるんだけど。

    • by donadona (37711) on 2020年06月18日 16時08分 (#3835766)

      ネットにつながらない自由はあるべき。
      でも、ネットにつながる権利もあるべき。
      今やられているのは、皆につながる権利を与える作業であって、つながらない自由は奪っていないよ。つながりたくなければ、つながらなきゃいいんじゃないかな。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      現実問題として、IP Non-reachableな場所ってどこが?と。
      現実的には、「その工事がまだ」のトンネル内とか?

      • by Anonymous Coward

        ノースコリアとか

        • by Anonymous Coward

          ところがどっこい、サーバがあったりするらしい

        • by Anonymous Coward

          ノーストリリアと空目してしまった。

      • by Anonymous Coward

        トンネルじゃ低軌道衛星では届かないな。

        こんな場所。

        >【カレドニア村(米ミズーリ州)】広大な農場で羊やアンゴラヤギを飼育しているジーン・ウィルソン・ジョンソンさん(60)は、羊毛とモヘアをオンラインで販売するため、6.5キロ離れたガソリンスタンドの駐車場まで車を走らせる。そこはインターネットが満足につながる場所としては農場から最も近い。

      • by Anonymous Coward

        自分のお気に入りの高萩の山の中の管理釣り場の併設キャンプ場かな?
        ちなみに釣り場の大半と便所のあたりならちょっと電波が入る。

      • by Anonymous Coward

        高層ビルの上層階及び屋上

        #気象協会(サンシャイン60・55F)の仕事した時ケータイ繋がらなくて苦労した。
        #基地局は上方(かみがたではない)に電波飛ばしてないだろうからなぁ。

        • by Anonymous Coward

          逆。あちこちの基地局/端末局がやたら見えちゃって選択できないんじゃないかな

          • by Anonymous Coward

            セルの塗分けができなくてセクタがかぶってしまってだめかもしれませんね

    • by Anonymous Coward

      何が気に入らんのかちょっとわからんのだが、すでにインマルサットとかイリジウムで
      地球上どこにいてもインターネット使えるのはどう思ってる?

    • by Anonymous Coward

      > でも、地球上どこにいてもネットにつながるって、どーしてもかなり抵抗を感じるんだけど。
       
      スラドに書いても説得力がない。新聞の読者欄ならともかく。

  • by Anonymous Coward on 2020年06月18日 13時44分 (#3835639)

    接続サービスプロバイダー側の地上局ってどれくらいあるの?

    • by Anonymous Coward

      JAXAが昔やってたインターネット衛星の実験と同じくらいじゃないかな

      • by Anonymous Coward

        あれは静止衛星だから一つでいい。

  • by Anonymous Coward on 2020年06月18日 13時51分 (#3835647)

    数ヶ月前にイーロン・マスクがStarlinkなうって衛星経由でツィートしてるんだから、普通にパフォーマンス測れるだろもう。
    今のStarlink衛星は衛星間リンクも無いから、別に1台だろうと10台だろうと速度も変わらん。
    エリアがまだ完全じゃないだけで、レイテンシを測れないとは到底思えぬ。

    もちろん利用者が増えたら遅いとかは測れないが、それはそもそも衛星インターネット関係ない話だし。

    • by Anonymous Coward

      そんあのがアメリカの金持ちに通用せんよ。
      口の立つ弁護士連れて来て
      「申請条件としてテスト結果を示せとは出ていない。第一テストの為の具体的な方法すら示していない、
      なんたらかんたらグチグチグチグチ。問題なかったときはそのコストについて負担願えますよね?」
      とかやりそう。

    • by Anonymous Coward

      > 田舎へのブロードバンドサービス提供を支援する基金
      の話なので、実際に導入したら、エリアによって遅いとかが関係ある話なんよ。
      FCCは、それを示せてないと指摘しただけ。

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人生の大半の問題はスルー力で解決する -- スルー力研究専門家

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