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訃報: Post-Itの粘着剤を発明したスペンサー・シルバー氏 34

ストーリー by headless
粘着 部門より
3MでPost-Itの粘着剤を発明したスペンサー・シルバー氏が8日、80歳で死去したそうだ(3MのプレスリリースThe Registerの記事The New York Timesの記事Star Tribuneの記事)。

シルバー氏は1941年2月6日生まれ。コロラド大学で博士号を取得したのち、1966年に3Mの研究所に化学者として入社する。1968年、航空機の組み立てに使用可能な強力接着剤を研究していたシルバー氏は目的を果たせなかったが、紙を貼り合わせるのに十分な接着力を持ちつつ紙を損傷せずに剥がすことができ、貼り直しも可能な粘着剤を発明した。

シルバー氏は1972年にこの粘着剤(アクリル酸塩共重合体微小球)の特許を取得。社内でセミナーを繰り返し開催してこの粘着剤の将来性を宣伝し、製品化のアイディアを募集したという。そして1974年、同僚のアート・フライ氏がこの粘着剤を用い、書籍に挟んだ状態で脱落せず、傷を付けずに貼り直し可能なしおりを発明する。

このしおりは1977年に「Press 'n Peel」という名称で製品化されたが、米国の4都市への試験投入は大成功には至らなかったという。しかし、1980年には全米で発売されて急速に人気を獲得し、その後は世界的に成功を収めて製品ラインアップも拡大していった(History Timeline: Post-it® Notes)。

シルバー氏は1996年に3Mを退職するまでに37件の特許を取得し、社内の有益な発明が製品化されずに放置されることを防ぐ仕事をしたとのことだ。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • なお (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2021年05月16日 14時08分 (#4032141)

    付箋紙は図書館では嫌われている模様

    図書館の本に付箋を貼ったらこんなことに。神奈川県立図書館が「恐怖の写真」で訴え
    https://www.huffingtonpost.jp/2018/06/25/fusen_a_23467796/ [huffingtonpost.jp]

    • by Anonymous Coward on 2021年05月16日 16時06分 (#4032180)

      類似品ではよく破れますが、Post-itで破れたことはまだありません。運が良いだけかもしれませんが。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        粘着剤の特許は失効済みのようです
        安物の方が使われる頻度高いのでそういった印象になるのかも
        ジェネリック医薬品が効きにくいみたいな気分の問題と似てる?
        https://patents.google.com/patent/US3691140 [google.com]

    • by Anonymous Coward

      今現在の3Mの「化学力」で、長年貼り続けても劣化しない、糊が移らない、
      傷んだ紙にも安心して使えるというような改良版接着剤は作れない物だろうか。

    • by Anonymous Coward

      「紙を損傷せずに剥がすことができ」は真っ赤なウソ(少なくとも図書館員の視点では)

    • by Anonymous Coward

      写真がPost-Itかどうかわかりませんが、

      日本では単色のPost-Itが当初売れず、
      従来の付箋のような先っぽに色をつけてみたらバカ売れしたとか

      だから日本だな (そもそも本が縦書き:-)

  • あのボトルガムに入ってるポストイットみたいなのは同じなの?

  • by t_mrc-ct (5292) on 2021年05月17日 1時01分 (#4032393) 日記
    棺桶にメッセージ書かれたポストイットいっぱい貼って送ってあげて欲しい。
  • by Anonymous Coward on 2021年05月16日 16時25分 (#4032185)

    商売にしか関心がない悪徳弁理士の口車に乗せられて
    益体もない特許の出願に膨大なリソースをつぎ込むのであった。

  • どう使うかのアイディアも思いついていなかったのに、どうやって「将来性」を宣伝できたんだろう。

    • 3Mのストーリー [3m.com]によると、
      糊の発明→繰り返し貼れるシールの作成→社内で宣伝→付箋のアイデアをもらう
      という流れになっている。つまり、糊もしくはシールに将来性があると宣伝し、それ以上の応用があるはずと協力を要請した。

      確かに接着力の弱い糊や剥がれてしまうシールでは将来性に乏しいかもしれないが、それをあえて将来性があると断言し、会社もそれに乗ってしまうところが彼や会社が成功したゆえんではないだろうか。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      どんな新技術にも成功する並行未来があるんですよ

    • by Anonymous Coward

      よく言われる話ですが、3Mには「15%カルチャー」というものがあるらしく、これは企業価値の増進のためになるなら勤務時間の15%を好きな研究とか思索とか自由に使えるというものです。「使い方もわからんモノに下らん時間を使うな」などとは絶対に言われない会社なんでしょう。ああうらやましい。

      • by Anonymous Coward

        そして俺たちは勤務時間の85%をスラドに勝手に使っている

    • by Anonymous Coward

      栄養価が高かったり、旨かったり、病害虫に強い農作物を作ったら将来性を感じるだろ。
      だから売るための調理方法を募ったって話だよ。

      • 会社で雑談してる時に「3Mって海苔屋だよね」と先輩が言っていて、山本山みたいな板海苔出してたっけ?と考えたけど、ちっとも思い当たらなくて“海苔”じゃなくて“糊”の事だとふと気が付いたのはそれから小一時間もしてから。
        「それ今頃?」と突っ込まれた...
        親コメント
        • by Anonymous Coward

          「3M」は「鉱山屋」ってのはおいといて。

          自分的には「磁気テープ屋」の成分も結構あるな。でもなんでミネソタを冠する会社なのに「スコッチ」だったんだろう?
          ここには書いてない。
          https://www.scotch.jp/3M/ja_JP/scotch-brand-jp/about/ [scotch.jp]

          • Wikipedia スコッチテープの商標の項目より抜粋
            1920年代当時、スコッチテープという名称の中に含まれるスコッチという言葉は「けちんぼ」を意味する悪口として使われていた。スコッチというブランド名は、1925年ごろにリチャード・ガーリー・ドルー(英語版)がマスキングテープに必要な接着剤の量をテストしていた際に、試用したマスキングテープのサンプルの出来にいらいらした自動車の塗装工が、テープの接着剤の量にたいして不満を言ったことに由来する。そしてその名前が3Mのテープ製品全体で使われることとなった。
            https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%81%E3%... [wikipedia.org]

        • by Anonymous Coward

          会社で雑談してる時に「3Mって海苔屋だよね」と先輩が言っていて、山本山みたいな板海苔出してたっけ?と考えたけど、ちっとも思い当たらなくて“海苔”じゃなくて“糊”の事だとふと気が付いたのはそれから小一時間もしてから。

          「それ今頃?」と突っ込まれた...

    • by Anonymous Coward

      3Mという商品が素材に対して理解があったのと、商品開発のアイディアさえあれば売れるという過去の事例があったからじゃないですかね。

      日本でも今じゃ世界的に有名なカニカマだって元々は人工クラゲを作ろうとした失敗作だったみたいですよ。
      ターゲットと違った物が出来ても面白い特徴や他に無い物があれば考え方次第かもしれません。

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身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

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