米国家運輸安全委員会、2名が死亡したTesla Model Sの衝突現場付近ではAutopilotを有効にできなかったとの見解
米国家運輸安全委員会(NTSB)は10日、4月にテキサス州で2名が死亡したTesla Model Sの衝突事故に関する事前報告書を公開した(プレスリリース、 報告書、 The Vergeの記事、 The Registerの記事)。
この事故では運転席に遺体がなく、Autopilotによる走行中の事故ではないかと疑われているが、Teslaのイーロン・マスク氏は現場付近がAutopilot有効化の条件を満たしていないことを指摘しており、現場検証に立ち会ったTeslaのラーズ・モラビー氏は運転席に誰かが座っていたとの見方を示している。実際のところ、報告書によれば事故現場付近はAutopilotを有効にできる状況ではなかったようだ。Autopilotを有効にするにはTraffic-Aware Cruise ControlとAutosteerの両方を有効にする必要がある。しかし、NTSBがテスト用車両で確認したところ、事故現場でTraffic-Aware Cruise Controlを有効にすることは可能だったものの、Autosteerが利用できない場所だったとのこと。
報告書にはこのほか、死亡したModel Sオーナーの自宅に設置されていたセキュリティカメラはオーナーが運転席、同乗者が助手席に乗り込む様子をとらえていたことや、バッテリーの発火によりインフォテインメントコンソールのストレージデバイスが破壊された一方で、拘束制御モジュール(RCM)は損傷しながらも回収されて調査が行われていることなどが記載されている。なお、調査は現在も進行中であり、今回の報告書は事故原因を結論付けるものではないとのことだ。
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