MS-DOSとその前身のQDOSはCP/Mをモデルに作られたとされるが、CP/Mのソースコードを盗んで作られたのかどうかという点で論争が続いている。これについて、2012年にIEEE Spectrumで分析結果を発表したBob Zeidman氏が総額20万ドルの賞金をかけたそうだ(
IEEE Spectrumの記事、
Softpediaの記事、
The Next Webの記事)。
Zeidman氏は2012年にフォレンジックソフトウェアを使ってCP/MとQDOSのソースコードを分析し、
MS-DOSがCP/Mをコピーしたとの証拠は見つからないとの結論に達している。また、MS-DOSにはCP/Mの開発者Gary Kildall氏の名前を著作権表示する隠しコマンドがあるとも噂されているが、そのような隠しコマンドも見つけられなかったとのこと。分析結果は「
Did Bill Gates Steal the Heart of DOS?」としてIEEE Spectrumに掲載されている。
記事が掲載されたのち、CP/Mのソースコードを所蔵するComputer History MuseumにMicrosoftが
MS-DOSのソースコードを寄贈したため、Zeidman氏は再び同様の分析を行っている。この調査でもMS-DOSがCP/Mをコピーしたとの証拠は見つからなかったが、MS-DOSの22のシステムコールがCP/Mと同じ関数番号と関数を使用していることが発見されている。
しかし、記事が掲載された当時、Zeidman氏とMicrosoftとのコンサルティング契約の存在が明らかになった(この契約についてZeidman氏は古く、使われていないものであったと説明しており、その後すべての契約を解除しているという)こともあり、多くの反論を受けたそうだ。
このような経緯があってZeidman氏は証明に賞金をかけることにしたようだ。賞金は適切と認められるフォレンジック技術を用いてMS-DOSがCP/Mをコピーしたと証明できた場合に10万ドル、Kildall氏の著作権を表示する隠しコマンドを発見した場合に10万ドルとなっている。Zeidman氏による2回の分析結果については、詳細な資料が
Zeidman ConsultingのWebサイトからダウンロードできる。