maia 曰く、
10月31日にシナイ半島でロシアのコガリムアビア航空9268便(エアバスA321)が墜落した(東京新聞)。シナイ半島南部の保養地シャルム・エル・シェイクからサンクトペテルブルクへ向かっていたチャーター便で、乗客の殆どはロシア人だった。乗員乗客224人が犠牲になった事故の規模は、エジプト、ロシアとも史上最大となった。ISの一派(「イスラム国シナイ州」)が犯行声明を出し、双発の旅客機のような機体が上空で突然爆発する映像を公開した(EL MUNDO)。エジプト、ロシア両当局はテロを永らく認めなかった。墜落時の高度は約30000フィートで、ISがそこまで達するミサイルを持っているとは信じられなかった。しかし離陸前に爆弾を仕掛けておけば、爆発地点すら概ねコントロール出来て不思議はない。その後、現場や機体破片の調査が進み、また米国と英国からも証拠となる参考情報が寄せられていたが、11月17日になってようやくロシア当局は「墜落は爆発物によるテロと断定」した(朝日)。機体の残骸から、ロシア国外で製造された爆発物、最大でTNT火薬1kg相当の痕跡が発見されたという。
ロシアがシリアでの空爆を開始したのは9月30日だが、ターゲットがISなのか反アサド勢力なのか疑惑があった。11月13日に起きたパリの同時多発テロを受け、ロシアは欧米との協調とIS掃討の姿勢を鮮明にしたようだ。