
WELQ問題を受けてGoogleの「Personal Blocklist」プラグインが注目される 54
ストーリー by hylom
お好みでどうぞ 部門より
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先日、『DeNAの健康・医療情報キュレーションサイト「WELQ」、批判を受けて運営見直し』という話題があったが、これを受けて特定のドメインのサイトをGoogleの検索結果から非表示にするChrome向け拡張「Personal Blocklist」が注目されている(GIGAZINE)。
この拡張をインストールして有効にすると、GoogleでのWeb検索結果に「Block <そのドメイン>」というリンクが追加され、これをクリックすることでそのドメインをブロックし検索結果に表示させないようにできるという。また、ブロックしたという情報はGoogleにも送信され、Googleはこれを使って検索結果表示を改善するとされている。
これによって直ちに指定したサイトがスパムサイトと認識されるわけではないが、自分の検索結果には表示されなくなるため、特定のサイトは絶対見たくないというユーザーにとっては有用だろう。
Google は WELQ を含む DeNA キュレーションサイトの受益者だった (スコア:3)
今回記事になった Personal Blocklist 拡張も何年か前から存在しており、当該拡張利用者の多くは低品質なキュレーションサイトをブロックしていたと思われますが、その状況下においてもスパムサイトが上位に表示される状況が続いていました。
WELQ を含む DeNA キュレーションサイトには Google AdSense 広告が貼られていたので、Google は当該キュレーションサイトの受益者だったわけです。
現状では、Google にとってライバルとなるような検索エンジンは存在しません。Bing はよりスパムに汚染されているので、Google の検索結果がスパムだらけだから他の検索エンジンを使うというユーザーも殆どいないでしょう。そのため、低品質なキュレーションサイトが検索結果上位に表示される現状でも Google は十分な広告収入(検索結果画面に表示されるリスティング広告とキュレーションサイトの AdSense 広告の中抜き分)が得られるため、野放しにされているのではないでしょうか。
広告収入の取り分は、Google 側が3割程度でサイト運営者が7割程度です。Google は広告ネットワークのシステムを運営しているだけで3割の収入が得られるので貴重な収入源になっていたと思います。医療分野ではオリジナルコンテンツの提供者(厚生労働省・公的機関・製薬会社・病院・大学・医師の公式ブログ、その他)は広告を貼っていないことが多いため、むしろキュレーションサイトへアクセスが集中した方が Google にとっては都合が良いでしょう。
Google AdSense には 厳しいコンテンツ ポリシー [google.com] や プログラムポリシー [google.com] があり、それを恣意的に適用して Google にとって不利益なサイトへの広告掲載はどんどん停止していっているので、もし「目の上の瘤」と考えているならば、WELQ などへの広告配信を停止していたはずです。
Google AdSense の広告の配置に関するポリシー 価値の高い広告枠 [google.com] でも、禁止事項として「手動によるレビューやキュレーションなしで、自動生成されるコンテンツのページ」を挙げており、手動によるキュレーション が行われているサイトの広告枠も「価値の高い広告枠」であり問題がないと読めるような書き方をしています。