
MPEG LAがVP8の必須特許を募集中 87
ストーリー by headless
H.264は29社 部門より
H.264は29社 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
WebM動画形式で採用されているVP8コーデックに関して、MPEG LAが必須特許の募集を開始した。(MPEG LAの募集情報、ITmediaの記事)
VP8は2009年にGoogleが買収したOn2 Technologyの動画コーデックで、Googleからはロイヤリティフリーとして公開されている。ただし、以前のストーリーにもあったように、MPEG LAは公開当初から何らかの特許に抵触していると考えていた。Microsoftの開発したVC-1も、公開前には独自技術のみと主張していたが、結局は10社以上からなるパテントプールが形成されている。
VP8の場合は、パテントフリーにすることを前提に開発されたようなので、Microsoftの二の舞になるかどうかはわからないが、パテントプールが形成されれば、H.264とのWeb標準争いに影響が出ることは必至だ。
応募の締切は3月18日。それからMPEG LAで評価が行われるので、結果が出るのはしばらく先になりそうだ。
今号の日経エレクトロニクス (スコア:4, 参考になる)
丁度、今号の日経エレクトロニクスがWebM(VP8)特集でした。
Googleの前に立ちはだかる特許の壁 [nikkeibp.co.jp]
Googleが仕掛ける特許破壊 動画フォーマット「WebM」の波紋 [nikkeibp.co.jp]
ぱらぱらとは眺めました。来週じっくり読む予定。
Googleを特許侵害で訴えると、WebMの利用ライセンス消滅なので、
YouTube対応テレビを作っている会社はGoogleを訴える事が出来ない
と言う戦略は見事だと思いました。
TomOne
Re:今号の日経エレクトロニクス (スコア:4, 参考になる)
Googleを特許侵害で訴えると、WebMの利用ライセンス消滅なので、
YouTube対応テレビを作っている会社はGoogleを訴える事が出来ない
その戦略を以前Microsoftが同様にコーデックでやっていて、Microsoftを特許侵害で訴えると、Windowsの使用許諾契約を無効にするなんてやっていましたよ。
結局、各国の公正取引委員会やそれに類する団体にボコボコにされて、撤回していますけどね。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re:今号の日経エレクトロニクス (スコア:1)
件の記事には、Googleは現在WebM(VP8)への変換を進めているとありました。
現在はflashでH.264を見る事が出来ますが、変換作業が進むにつれ、
VP8 プレイヤーを実装しなければYouTubeが見られなくなります。
TomOne
VC-1そっくり (スコア:2, 興味深い)
MSはVC-1は独自技術で他者特許は侵害していないと言いながら実際には数多くの他社特許を侵害していた。
しかしWindowsのライセンスに「MSがライセンシー保有の特許侵害してても訴えることは出来ない」
という条項があったためにWindows搭載PCを発売している会社はVC-1が特許侵害していても訴えることが出来なかった。
MPEG LAの働きかけでパテントプールが形成され最終的にMSも特許侵害を認めてパテントプールに参加。
googleもWebMのライセンスに「VP8が特許侵害していると訴えたらVP8の使用権を剥奪する」って条項を入れてる。
これでAndroidやgoogleOS搭載機器を出してる会社はgoogleを訴えることが出来ない。
それどころか「MPEG LAが訴えた場合はパテントプールに参加している企業すべてがVP8を使用できなくなる」
という特許保有企業がパテントプールに参加すること自体を牽制するMSよりえげつない内容になっている。
Re: (スコア:0)
要は「儲けたいなら、俺の悪行を見逃せ」ってことですよね?
Re:VC-1そっくり (スコア:1)
まあ,MPEGの特許プールの方も同じような気がするので,
徹底的に戦ってもらった方が公共の福祉になるかも。
GoogleのおかげでH.264の特許がユーザレベルには開放されたわけですし。
Re:VC-1そっくり (スコア:1)
とはいっても
MPEG-LAにしてみれば、MPEGの独占が完了した後エンコーダに死ぬほどライセンス料かければいいわけで。
名目上「ユーザーレベルではフリー」と言っていても、実質的にエンコーダメーカー経由でユーザーからライセンス料を徴収するようなビジネスモデルだってあり得るわけです。
MPEG特許の問題に関しては、もっとMPEG-LAを警戒した方がいいと思うのですけどね。
特許・著作権団体一般の「ビジネススタイル」を見ている限り、善意や公共の利益なんて概念を期待できるとは全く思えないのですから。
Re: (スコア:0)
MPEG LAのMPEG2とH.264のパテントプールはユーザーにとっても利益をもたらしてるって。
>GoogleのおかげでH.264の特許がユーザレベルには開放されたわけですし。
意味分からん。
Re:VC-1そっくり (スコア:1)
MPEG-LA、AVC特許ポートフォリオライセンスを一部で永久無料化
http://japan.cnet.com/news/service/20419036/ [cnet.com]
は,googleに対抗するためのようです。
>MPEG LAのMPEG2とH.264のパテントプールはユーザーにとっても利益をもたらしてるって。
そうかもしれません。土木業界の方々が,談合は国民に利益をもたらしていると考えるのと同じです。
Re:VC-1そっくり (スコア:1)
いや,それは同じでしょう。
画像符号化関係の特許ならば,
MPEG LA に実際上は使わせさずを得ないわけで。
独占によって特許侵害になることを防いでいるわけです。
また,取り分にどんなに不満があっても
それに途中でやめることもできない。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
懲罰的な利用許諾を付けているところは特許料も10倍でオシオキよ!ってやるのはだめ?
Re: (スコア:0)
クロスライセンスもVP8の利用権はく奪も関係ない子会社を作って、そこに特許権を移動して「うちの特許権を侵害している」と大々的に主張するってーのはダメかね。
※特許ゴロみたいな手だけど
Re: (スコア:0)
ライター本田雅一氏のツイートによると、ソニーとNokiaは事前にMPEG関連特許を別会社に移動していたので
この条項に引っかからないらしいです。
http://twitter.com/#!/rokuzouhonda/status/38523087087611904 [twitter.com]
Re: (スコア:0)
全然関係なかったらごめんぬ。
Re: (スコア:0)
>なんかMSがVC-1の時にやったやり方とそっくりな汚い手口をgoogleも使ってるようだね
事実とか経緯とかそっちのけで金持ち企業を叩きたいだけだぜえ、ヒャッハー
ってバイアスがかかってることを宣言してるような物では?
Re: (スコア:0)
当然の戦略。
荒らし発言になることを覚悟で(スコア:-1,荒し) (スコア:0)
つまりこういうことか?
MPEG LA「素人が商人の領域で勝手すんな、出てけ」
……んなわきゃないが、金が入ってくる仕組みを守ろうとする意図が見えるような気がする。
目薬がいるかな?
あと、精神科にはもう通ってるからそれ以外の医師でよろしく。
Re:荒らし発言になることを覚悟で(スコア:-1,荒し) (スコア:2, 参考になる)
いえ、全くその通りですよ。
私も、MPEG LAのこの行動は、WebM潰しが最終目的と思ってます。
本当にWebM必須特許が存在するなら、差止請求することで完全に息の根を止められます。
仮にそこまで過激なことを行わないとしても、当事者間同士の交渉で、Googleは相当不利な立場に追い込まれるでしょう。
そして、実施の際に相応の実施料の支払を求められますから、未だ完成段階にないWebMを推進するメリットが薄れます。
また、ニュースとなって広がれば、Googleのイメージダウンも図れます。
Re: (スコア:0)
そういうMPEG LAの行動自体がイメージダウンじゃね?
しかもこれで負ければ物笑いの種。
Re:荒らし発言になることを覚悟で(スコア:-1,荒し) (スコア:1)
でつね。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
今では誰でも思いつくアルゴリズムかもしれないが、かつてそれに取り組んだ人達はコストかけて研究したんだから。
Re:荒らし発言になることを覚悟で(スコア:-1,荒し) (スコア:1, すばらしい洞察)
「私たちがコストかけて開発したので、ライセンス料で儲けさせてね」
なるほどこれは健全かも。でも
「対抗馬がライセンスフリーを謳って困ってる。
うちの技術としてはいらないけど、相手を潰せる特許持ってる奴はうちのチームに入ってくれたら分け前やるよ」
なんてカルテルまがいのパテントプールが健全なんて、とても言えないわ。
Re: (スコア:0)
> 動画圧縮技術の開発には金がかかるので
他のアルゴリズムやソフトウェア技術と比較して、動画圧縮の開発だけが特別にコスト高になる理由ってのがちょっと分からないんですが。
(特許制度の理念としては本末転倒だけど)
他社の特許対策で知材屋に払うカネが高くつきそうというのは、なんとなく想像できますけど。
Re: (スコア:0)
ライセンス料を取るのはケシカランって言うのなら、企業よりも先に無償奉仕のボランティアだけで動画圧縮技術を開発・標準化すべきだったんですよ。いざ普及したら、みんなで使うものだからタダで使わせろっていうのは、どうかと思いますよ。
Re: (スコア:0)
VP8がパテントフリーなら大手を振って「素人が商人の領域で勝手」できるじゃん。
天下御免のGoogle様が「パテントフリーじゃ」と言われても、疑い深い人はにわかに信じられないからいちおう調べてみる。それが「金が入ってくる仕組みを守ろうとする意図」に見えちゃうんだね。
いずれ文句を言ってくるやつがいるとは思ってたけど (スコア:0)
一方で、現代的な動画圧縮技術なんて、MPEG-1の時代から
イントラ・動き予測+差分をDCT+量子化+エントロピー圧縮
という基本原理は変わってなくて、しかも1990年にはMPEG-1の規格はほぼ固まってた(=それらの基本技術は公知になってて2011年現在では特許切れのはず)から、うまい具合に技術を構成すれば On2 や GoogleのいうようにVP8はパテントフリーにできるかもしれないとも思っていました。あるいは、1個か2個くらい他社特許が含まれていてもGoogleの財力でどうにかなるレベルだとも。
ただ、特許フリーを目指したゆえか、やはりVP8については「エントロピー圧縮を改善したH.264ベースラインプロファイル [wikipedia.org]」に過ぎないと評価 [multimedia.cx]されているわけで、そのポテンシャルには疑問符がつきますな。特許料から逃れても、帯域やストレージだってお金かかるんだし。
Re:いずれ文句を言ってくるやつがいるとは思ってたけど (スコア:1, 興味深い)
> 特許料から逃れても、帯域やストレージだってお金かかるんだし。
それゆえに、Googleから見れば、VP8の圧縮率が悪いことで帯域やストレージに
余分に金がかかるのと、H.264の特許料で金がかかるのと、
どちらが安上がりで済むのかという問題に帰着できるわけだよね。
VP8がなかったとしたら、MPEG-LAの言いなりになる以外に選択肢がない。
Re:いずれ文句を言ってくるやつがいるとは思ってたけど (スコア:2, 興味深い)
その指摘は重要で、動画圧縮技術ってMPEG-1(1993) → H.264 (2003) とか見ても、10年かけてせいぜい圧縮性能は3倍くらいにしかなっていないわけです。
ストレージや回線の性能価格比なんて、10年経てば何十倍とかになってますから、少々性能が悪くても、特許料払わないほうが安いのかも。Googleは動画圧縮技術までコモディティ化させるつもりなのですかと。
Re: (スコア:0)
ただ、そうはいってもTheoraをYouTubeで使う気にはなれなかったみたいだが。
Re: (スコア:0)
アメリカの特許制度だと、公知になってから20年経っても、特許が切れているとは限らないかもよ。
むしろ、20年前に公知になった技術でも、今日になって特許が成立したりするらしいぞ。
Re:いずれ文句を言ってくるやつがいるとは思ってたけど (スコア:1)
#といっても解釈で妙なことになる可能性が有りまくるわけですけど。
Re: (スコア:0)
そのとおりですな。20年前には公知だったのでかなりのものがexpireしてるはず、という言い方に訂正させてくだされ。
Re: (スコア:0)
世間にはH.264でもベースラインプロファイルしか再生できないとかいう残念な環境がそれはとってもとってもたくさんあって、オンラインサービスではベースライン版を炊かざるを得ないという実態もあるので、ベースラインに毛が生えたような品質のVP8でもウェブに限ればそれなりの競争力は有ると思われます。
ただベースライン縛りの環境はモバイル環境が中心で、現状のモバイル環境ではVP8のハードウェアサポートもないわけですから、VP8のアクセラレーションが出来るようになるまではやっぱり微妙よねという感はあったりします。
どちらにしてもこれに誰が手を挙げるか見てみないと何とも言いようがないですが、仮にパテント問題でGoogleが勝った場合はモバイル系で例えばqualcommチップセットで対応が入るとかいう形になっていくんじゃないかと。
もっとも、MPEG LAがFUDではなくパテントプールの実力行使に出たということはかなり勝算があってのことでしょうし、Googleの勝算は微妙だなぁというのが現実ですよね。
これで負けたら100億円も出して買ったOn2はゴミだよなぁ。
対抗策 (スコア:0)
もし見つかったらクロスライセンスが落とし所?
多分に見つからないでしょうが
今の知的所有権は、まるで地雷原だ。 (スコア:0)
Re:今の知的所有権は、まるで地雷原だ。 (スコア:1)
>知的財産をだれが利用しても同じ額の利用料を支払う。そうすれば、知的財産の所有者・発明者だけが格安で知的財産を利用できるという不具合を正せると思う。
で、知的財産の開発費用は誰が負担するんでしょうか。税金で技術開発を平等に支援するシステムにしますか?
Re:今の知的所有権は、まるで地雷原だ。 (スコア:1)
>儲けた金に応じて税金払う仕組みが既にあるんだから、国で認めた特許には国が対価を払う
>とかって意味だと思うが?
ああ、そういうシステムですか。特許登録時に開発者に開発費用を支払うということですね。
技術使用量が販売額に上乗せされると製品価格がごっそり上がりそうですが、売れなかった場合は国が損する=税金が無駄に使われるということに。
>#それなんて○○主義?公平になるわけ無いって気はするが
全ての製品(技術を使用しているモノ全てか)に乗ってくるので、無料の製品が消滅することになるのでしょう。
Re:今の知的所有権は、まるで地雷原だ。 (スコア:1)
>それは幻想。公共の利益のために特許権や著作権というものが作られたわけじゃない。
特許は自国の産業を育成・推進するのが目的ですね。公共のために行われる産業もあることはありますが、まぁ普通は私利私欲のため、というか利益を追求しない企業は淘汰されて消滅するような構造になっているので、そこに疑問を持つなら日本以外の国に住めと言うしか。
>社会を技術的・文化的に発展させる為のものではなく、今まではそういう効果もあったというだけに過ぎない。
特許制度がなければもっと酷い状況になっているという意味では、今でも効果自体は存続してます。個人や中小零細の開発技術を大企業がパクリ放題になりますからね(というか、そういう状況を是正するために生まれた制度だし)。
著作権はまた少し違うような。
Re:今の知的所有権は、まるで地雷原だ。 (スコア:1)
ええと、日本の特許法の話としては、という限定の元に補足を。
>特許は机上のアイデアでも取得できてしまいます。
(中略)
>個人的には、アイデアだけで試作品すら作る気がない人からの申請に特許を認めるのは、勘弁して欲しいと思います。
一応ある程度の実施例(本当に作って効果があったかどうかを測った結果)を提示することにはなってます。
特許の性質上「1種類作っただけで100種類の範囲を請求するぜ!」ということはあり得ますけど、
それっぽいモノが一つも作れてない段階で特許査定が受けられるということはない……はずです。
(なおその100種類ってのもちゃんと根拠が説明できなきゃどんどん減らすよう審査されます)
「特許出願」(アイデアが公的に登録され、そのうち公開される)と「特許査定」(特許権が与えられる)とを誤解してはいないでしょうか。
や、特許庁も完璧には程遠いんで、知らないところで実施例もないのに査定が降りてる可能性も否定はできませんけど、
原則としては「全くの机上の空論に特許が降りる」って仕組みではないことは皆さんに知っておいて欲しいです。
Re: (スコア:0)
>自分の脳だけで暗算でリアルタイムにデコードした場合は、特許料は不要なのかしら。
>凡人が筆算でデコードしたらダメかしら。どうなのかしら。
人間は装置ではないので、人間がデコードするのは特許対象外です。
>商業製品に利用しなければ電子的に実装してもアリだっけ?ライセンス形態による?
装置は特許対象です。商業利用も個人利用も関係ありません。
Re:まうまう (スコア:1, 参考になる)
業としての実施でなければ特許権侵害にはならないと思いますが、違ったんですか?
つまり配布(有償無償問わず)をせずに自分で作って家庭内で使うだけなら、どんなデコーダプログラム書いても装置を作っても問題ありません。
Re: (スコア:0)
装置を業として…という事は、装置の設計図を書くのは範囲外なの?
例えば、ソースを配布して、各家庭でコンパイルしてご利用くださいだと、
特許侵害にならない?
# そんなわけないよな
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
そもそも特許ってのは公開するもんなんだから、ソースなのか数式なのか文章なのかは分からんが、ソースに相当する何かがとっくに国家によって大々的に配布されてるも同じだし、言論の自由もあるからソース配布は止められない。
Re:まうまう (スコア:1)
とはいえ、日本の場合は、議論全てをすっ飛ばして「開発者の男を逮捕」でしょうけどね。
こんな話が極論や警察嫌いなヒトのイヤミじゃなく、純然たる現状ってのがお寒い限りですが。