IPv4への投資に意味はあるのか
IPv4アドレスの世界的な枯渇がたびたび報じられているが(過去記事)、今でもIPv4ベースのインターネットは問題なく稼動しており、またIPv6への移行の動きも鈍い。これに対し、技術カンファレンス「IPv6 Summit in TOKYO 2019」で「IPv4の劣化」についての議論が行われたそうだ(INTERNET Watch)。
この議論によると、昨今IPv4ベースのインターネットは「劣化」しているという。一例としては、NTT東西のフレッツ網ではIPv4通信において輻輳が発生していることが挙げられている。さらに、1つのIPv4アドレスを複数ユーザーで共有する仕組み(アドレスシェア)がよく使われているが、たとえばオンラインゲームの分野ではこれが原因の問題も起きているそうだ。しかし、IPv4からIPv6への移行を行ったところで売上が増えるわけではなく、一方で工数は増えることから優先度を上げられないという事情もあるという。
しかし、今後IPv4には対応しないプロトコルが登場する可能性があり、またIPv6を優先的に扱うような仕組みも登場している。さらにGoogleやFacebookといった大手IT企業ではIPv6への移行が進んでいること、モバイル端末ではIPv6が標準になる可能性が高いことから、カンファレンスでは「IPv4には未来がない」とし、IPv6への移行を推奨している。